2024年2月2日に発売されたソニーEマウント用300mmF2.8レンズはフルサイズ用としては世界最軽量となる1470gという軽さを実現したレンズ。手持ち撮影のハンドリングもよく、Gマスターレンズの高い描写性を持ったこのレンズを早速試してみた。

己の手ブレ補正限界に挑む

搭載された最新の光学式手ブレ補正機構はα9IIIとα7R Vのイメージセンサーシフト方式の5軸補正を合わせると最高で8段相当の補正効果を発揮するという。

焦点距離分の1秒で手ブレ限界を1/320秒とした場合、指折り数えてなんと0.8秒!

画像: α7R V マニュアル露出(1/5秒・絞りF4.0) ISO2000 WBオート JPEG エクストラファイン

α7R V マニュアル露出(1/5秒・絞りF4.0) ISO2000 WBオート JPEG エクストラファイン

営業時間外で完全停止している観覧車。仰角が大きなアングルは身体を安定させるのが難しく車に腰だけ寄りかかり撮影。

画像: α7R V マニュアル露出(1/5秒・絞りF8.0) ISO1250 WBオート JPEG エクストラファイン

α7R V マニュアル露出(1/5秒・絞りF8.0) ISO1250 WBオート JPEG エクストラファイン

僅かに差し込む自然光のみで最短距離2メートル付近でのクローズアップ撮影。

1/20秒から0.8秒まで1/3段ずつ変えながらの段階撮影を複数回行い、PC画面で全画像を拡大チェックした結果、手ブレ補正成功と判定できた最低速度はともに掲載した1/5秒だった。筆者のスキルでは1/4秒より遅い速度で手ブレは止まらず、補正効果は上手くいって約6段止りという結果。個人差もあるのであくまで参考値ということで。

また単純にブレ補正の成否を見る実験としてこのような被写体で試しているだけなので、この優秀な手ブレ補正の真価を発揮させられる被写体やシーンはユーザーのアイデア次第。

コンパクトな中に美しい描写と強力な手ブレ補正を備える

Gマスターの冠に相応しい卓越した描写性能とボケ味の美しさ。カメラボディと連携する強力な光学手ブレ補正、安心の防塵防滴仕様が魅力的なコンパクトサイズ、重量、バランスに造りこまれた魅力あるレンズ。

望遠レンズということもありα1やα9系など高速連写機との組み合わせは必然なれど、高画素機と組み合わせた面白さも見逃せない。

6000万画素機α7R IVをベースにサンニッパ単体、APS-Cモード、+テレコン2機種とその複合ワザで得られる焦点距離は以下の通り

300mm(単体):6000万画素
420mmF4(SEL14TC使用):6000万画素
450mmF2.8(APS-Cモード):2500万画素
600mmF5.6(SEL20TC):6000万画素
630mmF4(SEL14TCとAPS-Cモード併用):2500万画素
900mmF5.6(SEL20TCとAPS-Cモード併用):2500万画素

サンニッパ単体ならF値変わらぬ2本ぶん、テレコン一つ足すのなら3本分の焦点距離が軽快なフットワークをほぼ犠牲なく楽しめる。

特に450mmF2.8や630mF4の焦点距離がオイシく思える超望遠好きは少なからずいるのでは? そういう点でも今どきの高画素フルサイズミラーレス機に相応しい「新しいサンニッパのリーダー」もしくは「シン・サンニッパ」か。

きっとライバル各社も追わざるを得ないはず。そのあたり今後の展開が楽しみ。

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