2024年2月2日に発売されたソニーEマウント用300mmF2.8レンズはフルサイズ用としては世界最軽量となる1470gという軽さを実現したレンズ。手持ち撮影のハンドリングもよく、Gマスターレンズの高い描写性を持ったこのレンズを早速試してみた。
散歩もできちゃうサンニッパ
本来はスポーツやモデルなど撮影目的があって使うレンズだが、取り回しが軽快なのでカメラボディをα7R Vに付け替え、砂浜でスナップしてみた。都会の街中で振り回すのはさすがに目立ちそうだが広い所で適度な圧縮とボケ味を楽しみながら被写体を探すのも面白い。
シャープなピントと絞り開放の被写界深度が前後に作りだす素直なボケ味との繋がりがとても自然。その奥行き感を活かしたまま圧縮できるサンニッパらしい画になった。
近くから遠くまで、画面の隅でも合焦点は絞り開放から極めてシャープに結像し、周辺光量不足も感じない。背景に絡む被写体の形と距離によってはやや二線にボケる傾向か。それでも目ざわりというほどでもない。
シャボン玉を飛ばす手元にフォーカス。ボケているシャボン玉の輪郭に太陽光が反射してできた玉ボケの圧縮が面白い。少々距離があったのでAPS-Cに切り替えて撮影している。
手元に合わせていたAFフレームをマルチセレクターのワンプッシュで画面センターのホームポジションに戻すと即座にシャボン玉にAF合焦しトラッキングを始めた。少々驚きの速さと精度だった。
海面の反射を入れ込んでみたが、口径食はやや出やすい傾向のようだ。1段絞ると画面の中心付近は形が少し整った。
テレコンバーターとAPS-Cモードのダブルで換算900mm相当。日没約1時間前の飛翔を期待してISO2500にあげて1/1000秒でその瞬間に備えたが、結局飛ばずに根負けしての一枚。