そのさよならの向こう側に、燻るように、しかしギラギラと輝き続ける昭和が、
確かに私たちを照らしているのを感じる。
失われゆく昭和よ、来たるべき次代を照らす文化とならんことを。
音楽、ファッション、映画などのサブカルを中心にヴィンテージまみれの青春を20年以上ひた走る「おじさん女子」2人組L’amritaが、昭和歌謡の世界を、令和を迎えた日本を舞台に繰り広げます。
小雨ちらつく金沢八景のマリーナで
横須賀の街に別れを告げて、時は夕刻、金沢八景へとやってきたチャメリちゃんとラミュリタの一行。
さみしげな曇天が(写真で見ると)最高です。しかし寒かった~!
ここ横浜市金沢区は鎌倉時代に北条氏の荘園だった場所。その景観の素晴らしさは当時から広く知られていたようですが、江戸時代に明から招いた僧侶が故郷の瀟湘八景になぞらえて詠んだ漢詩によってさらに人気が高まり、多くの浮世絵師に描かれ、さらなる人気の景勝地となりました。
写真は埋め立てにより昭和41年に誕生した柳町から平潟湾を望む、平潟プロムナードで撮影したもの。
この撮影風景を眺めていたら、テーマは「夏をあきらめて」に決まりだな!となりました。
令和最初の「昭和・平潟落雁」となりましたかどうか…いかがでしょうか?
海沿いらしいおしゃれでのんびりムードな喫茶店「オリビエ」
爽やかでかわいらしい外観、背の高いヤシの木が目印の喫茶店「オリビエ」。まるでアニメや映画に出てきそう…と思ったら、本当に映画の撮影に使われたことがあるそうで、その時の写真や資料もたくさん見せていただきました。
映画撮影当時のセットとの一部を今もそのまま活かしつつ営業されているのですが、もともとのお店のインテリアに溶け込んで、すごくいい雰囲気。
映画の制作陣がこのお店の雰囲気をすごく気に入っちゃったんだろうな…というのが伝わってきます。
このお店が舞台となった映画はとある怪盗三姉妹の映画と聞くと、うわぁ~私アニメ大好きでした~!と大興奮のチャメリちゃん。そうよ、私も近所の幼馴染と怪盗姉妹になりきって遊んでいたわ。レオタードは着ていなかったけど…!
表情にも女怪盗っぽさを交えつつ、楽しい撮影となりました。
広々とした店内は郊外ならではののんびりムードが漂います。都心の純喫茶の、時が止まったような感じとはまた違う、ひねもすのたりな空気感。
カウンターで常連さんとマスターのおしゃべりに混ぜていただいたりするうちに、撮影で冷えた身体を温めようとオーダーしたカフェオレが運ばれてきました。ミルクのほっとする甘さがいいかんじ。
添えられたお菓子は昭和の贅沢おやつを象徴する一品でした。あなうれしや~!
一足先にお帰りになろうとする常連さん、「私はこの文庫の街をこよなく愛する者のひとりだから、ここを紹介してくれもらえるのがとても嬉しいよ。またぜひいらしてくださいね。」と言ってくださいました。
はい!また必ずお伺いします!今度はたとえば夏の終わり、カラッと良く晴れた日の午後にお会いできたら素敵かな?
この日はいらっしゃらなかった、ザ・スパイダースの追っかけだったというママさんとGS談義に花を咲かせるその日を楽しみにしています!
シンガーソングライターのチャメリちゃんと、横須賀・金沢八景を巡る寒い寒い春の終わりの一日はこれにて終了です。
次回の更新は6月14日(金)です。こんどは誰とどこへおでかけしようかな?
次のシリーズもどうぞおたのしみに♪
モデル:田口エリ(シンガーソングライター)
茶色の目のエリだからチャメリ。頭の中に浮かんでは消えていくメロディや言葉を歌う…そんな歌日記スタイルのシンガーソングライター。
一度聴いたら忘れない、チャーミングな歌声と個性的な楽曲、独特のセンスで創り上げる世界は、ポップから素朴なものまで幅広く、どこか懐かしさを感じさせる。
2015年アラサー女子2人による音楽ユニット「キャバレー遊び足りない」の活動を開始。現代女性のリアルな感覚をコミカルに歌い上げるスタイルで、同世代の女性を中心に支持を集める。MVでのコメディエンヌぶりにもぜひ注目を!2018年から田口エリ(チャメリ)名義でソロ活動を開始。 ステージでは、小粋なトークや個性的な演出で観客を飽きさせないエンターテイナー。
【リリース情報】
ソロシングル「うっとりしちゃう」配信中
写真・文:L'amrita(ラ・ミュリタ)
写真家・齋藤真理と文筆家・早川瑞穂からなる創作ユニット。なんでもない毎日を、ちょっとロマンティックに、ノスタルジックに。『すべてのひとがそれぞれの物語の主人公』をテーマに活動する女性ふたりの創作ユニットです。昭和レトロ、ヴィンテージ、60年代~70年代の音楽や映画など、ふたりの趣味を活かした懐かしくて温かみのある雰囲気の作品作りを得意としています。