コシナからL39マウントのエルマー3.5cm F3.5(Leitz Elmar 35mm F3.5=登場は1930年!)オマージュと思しきレンズが登場した。対応マウントはVMのみとなるので、この現代版エルマー35mmとも言えるレンズをバルナックライカに組み合わせたいという欲望を叶えることは、いまのところ難しそうだ。

■撮影共通データ パナソニック LUMIX S1 マウントアダプター SHOTEN LM-LSL M Ⅱ 絞り優先AE WB:オート

コシナ Voigtlander COLOR-SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical VM 主な仕様

画像: コシナ Voigtlander COLOR-SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical VM 主な仕様

●焦点距離:35mm
●最短撮影距離:0.7m
●レンズ構成:群6
●最小絞り:F22
●絞り羽枚数:10枚
●フィルターサイズ:34mm
●大きさ・重さ:φ52.0×14mm・99g
●付属品:フード 1.1mmフィルター

カラースコパー28mm F2.8と同じく回転ヘリコイド仕様

現状においては、本レンズには現状で他のタイプは用意されない。
機材価格が右肩上がりの昨今において、相対的にお手頃価格と感じるようになったコシナレンズとしては少し強気な価格設定。ということで、プレスリリースを見て「ん?」と思っていたのだが…実際に触れてみると納得の仕上がり。

というのも、同じく回転ヘリコイド仕様のCOLOR-SKOPAR28mmF2.8やHELIAR 40mmF2.8などと比べて明らかに質感が高い。それは付属の金属フードからも感じられる。
何と言うか、メカらしい美しさにあふれていて質感も非常に高いのだ。

画像: あまりにも格好良かったので、ちょっとだけ物撮りしました。表面の仕上げが大変に美しい…。中の人に「他の似た意匠のレンズより質感が高いのはなぜ?」と無邪気に聞いてみたら「やってる事は同じで、他のレンズと比べて特別なことは何もやっていないが、よりコンパクトなので凝縮感が出ているのではないか?」というお返事。お値段の理由は物価その他を勘案するとこうなるみたい。

あまりにも格好良かったので、ちょっとだけ物撮りしました。表面の仕上げが大変に美しい…。中の人に「他の似た意匠のレンズより質感が高いのはなぜ?」と無邪気に聞いてみたら「やってる事は同じで、他のレンズと比べて特別なことは何もやっていないが、よりコンパクトなので凝縮感が出ているのではないか?」というお返事。お値段の理由は物価その他を勘案するとこうなるみたい。

フード装着時もパチリ。マイナスネジが美しいですね。プラスネジではこの緊張感は出なかったと思います。フード装着状態ではフードを回転させることで絞り操作出来ますが、この感触もステキ。こちらは全長が小さいことで振動の伝わり方が違うからでは?という話でした。そういう話はナンボあっても良いですね。

全長はレンズ単体でわずか1.4cm。付属のカブセ式フードを装着しても3cm未満であることが効いているのか、造形的にもまとまりがよく非常に美しく感じられた。
アルミ鏡筒の若干ラフというか角の立った感触も良いが、真鍮製の角の丸いコリコリ感(絞り操作時)が心地良い。フォーカスリングのトルク感も重めでこれまた気持ち良い。

…という具合に、触れれば触れるほどに「これは(お値段)しますね」という納得感に包まれました。

画像: なんという中央部のキレ味…このサイズのレンズの写りじゃねーぞって感じ。他のレンズを絞って使うのとはまた違う味わいがあるよね。味わいが違うもんだから、レンズが増えていくのは仕方のないことなのでしょう。道楽の道の険しいところです。開放がサンハンだからボケがどうの、みたいな楽しみ方は少し限定的。玄人向けという気はしますが、ンなもんは格好に惚れたのであれば些細な問題でしょう。 ■絞りF3.5 1/2500秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

なんという中央部のキレ味…このサイズのレンズの写りじゃねーぞって感じ。他のレンズを絞って使うのとはまた違う味わいがあるよね。味わいが違うもんだから、レンズが増えていくのは仕方のないことなのでしょう。道楽の道の険しいところです。開放がサンハンだからボケがどうの、みたいな楽しみ方は少し限定的。玄人向けという気はしますが、ンなもんは格好に惚れたのであれば些細な問題でしょう。
■絞りF3.5 1/2500秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

あろうことか、M型が欲しくなった??

画像: ピントの薄さからレンズ精度の高さが分かるのだけど、かなり薄い。S1のEVFでもピント合わせには少し慎重になりました。このシーンはF5.6で撮れば良かったかなぁ…ピントが甘くてもそれはそれで雰囲気良い写りなところはチューニングが上手いなって感じるところ。 ■絞りF4.0 1/200秒 ISO100

ピントの薄さからレンズ精度の高さが分かるのだけど、かなり薄い。S1のEVFでもピント合わせには少し慎重になりました。このシーンはF5.6で撮れば良かったかなぁ…ピントが甘くてもそれはそれで雰囲気良い写りなところはチューニングが上手いなって感じるところ。
■絞りF4.0 1/200秒 ISO100

F3.5(ワタシは"さんはん"と呼んでます)なので、「開放口径で無理させてないし、おそらくアポランター50mmF3.5みたいに開放からキレ味鋭いのだろうな」という予想をしながら撮り始めました。

…が、想像を上回るキレ味っつーか、グラリと膝に来るほどの写りの良さ。周辺はアポランターほどじゃなく、程よく落ちている(と言っても十分以上)ので、お家で撮った写真を見るのが楽しくて仕方ありません。

画像: 光量落ちの具合が良いね。とても好みの落ち方です。歪曲もほぼないし、ヌケ感も良い。とにかくキモチイイ写り。このレンズで撮ってると、なんかねー、M型ライカ欲しくなっちゃうのよね。魔性性が恐ろしい…。 ■絞りF3.5 1/500秒 ISO100

光量落ちの具合が良いね。とても好みの落ち方です。歪曲もほぼないし、ヌケ感も良い。とにかくキモチイイ写り。このレンズで撮ってると、なんかねー、M型ライカ欲しくなっちゃうのよね。魔性性が恐ろしい…。
■絞りF3.5 1/500秒 ISO100

至近側でも描写力は安定していて、マウントアダプター側を操作して0.7mの本来のスペックを超える領域で撮影しても全く問題ナシ。ここはやはり、開放口径で無理していないことが効いている様子。

いつものように花のアップでも…と思ってましたが、あまりに風が強くて心折れたので都市スナップしました。ダイレクトな光ではダイナミックに、日陰の柔らかな部分ではシットリと、というかとても素直に写ってることが分かるかと思います。周辺のボケもキレイ。

画像: こういう撮り方した時の歪曲は少しだけ糸巻き。補正は楽ちんだけど、しなくていいかな?って感じ。それにしてもキレが良いね。ツアイスの35mmF2.8も欲しいんだけど、このレンズも良いから悩むわ。 ■絞りF3.5 1/250秒 マイナス0.3露出補正 ISO100

こういう撮り方した時の歪曲は少しだけ糸巻き。補正は楽ちんだけど、しなくていいかな?って感じ。それにしてもキレが良いね。ツアイスの35mmF2.8も欲しいんだけど、このレンズも良いから悩むわ。
■絞りF3.5 1/250秒 マイナス0.3露出補正 ISO100

35mm画角で開放F3.5ということもあり、ピントの見え具合はS1のEVFをもってしてもちょっと慎重になる感じ。EVFでピント合わせするよりレンジファインダーの距離計でMFしたほうが楽しそうだ、という気持ちは否定出来ません…といえば伝わるかな。なので迂闊にもM型が欲しくなりました。大変に危険です。

ということで、リアル体験してからずっとヤラれっぱなし。眺めてニンマリ。触れてヨシ。撮って楽しく、鑑賞してまたグッと来ます。
ちなみに、フォーカスレバーが真下に来た状態でピント位置はだいたい2.5mでした。

その数はナゾも、「刺さる人」は確実にいると思います!

画像: 窓枠にではなく反射にピント合わせたので、全体としては後ピン気味になっています。その時の写りも良いね。モノクロで撮りたくなるよ。レンズ的にはイジワルしてるから流石にハイライトエッジ(画面右上)に色づきがあるけど、それでもこの程度ってのは良いね。 ■絞りF3.5 1/180秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

窓枠にではなく反射にピント合わせたので、全体としては後ピン気味になっています。その時の写りも良いね。モノクロで撮りたくなるよ。レンズ的にはイジワルしてるから流石にハイライトエッジ(画面右上)に色づきがあるけど、それでもこの程度ってのは良いね。
■絞りF3.5 1/180秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

うっかり買っちゃうと十中八九付けっぱなしになるので、別のレンズ用のボディがもう一台必要になります。それくらい危険です。

明るいレンズはそれはそれで必要だし、こういったスペック的に控えめなレンズも、また必要になります。どちらにも触れてみるとその意味が体験として理解できると思います。
明るいレンズを絞って使えば、1本で2役みたいな考え方もあるけれど、それだけじゃない楽しさがあるって言えば良いかな。

画像: 硬めで粒状入れたL.モノクロームDでパチリ。掲載カットにはありませんが、接写した場合でも描写が甘くなることはありませんでした。キリリとしたまま寄ってけるし、ヘリコイドアダプターでレンズの仕様よりも接写しても全然ヘッチャラでした。F3.5っていう開放口径が効いてるのかな? ■絞りF4 1/4000秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

硬めで粒状入れたL.モノクロームDでパチリ。掲載カットにはありませんが、接写した場合でも描写が甘くなることはありませんでした。キリリとしたまま寄ってけるし、ヘリコイドアダプターでレンズの仕様よりも接写しても全然ヘッチャラでした。F3.5っていう開放口径が効いてるのかな?
■絞りF4 1/4000秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

それぞれのレンズに、それぞれの個性がしっかりとあるので、今日はこのレンズを使うんだ! という気持ちが乗ると言えば良いか…。語彙力不足で申し訳ないのですが、スペックという数値だけでは表現しきれない魅力がそれぞれのレンズに備わっています。

これは、誰かに教えて貰って頭でバシッと理解できる類のジャンルじゃなく、体験してみてはじめて納得ができることになります。裏を返せばそれだけ製品に振り回されるということでもあるのだけれどね。

ということで、
価格以上の魅力がある。
幅広い層に刺さるとは思わないけど、刺さる人には致命的に刺さる。
以上です。

画像: その数はナゾも、「刺さる人」は確実にいると思います!

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