オーストリアのオークションハウスであるライツ・フォトグラフィカ・オークションは、M型ライカ登場から70年を迎えた記念すべき年となる今年のオークションにM型ライカのプロトタイプを含む希少なライカを出品。2024年11月23日にオーストリアのホテル・ブリストルで開催される。

1億円超えなるか!? 落札予想価格は60万〜70万ユーロの「Leica M prototype」

45回目を迎えるライツ・フォトグラフィカ・オークションは423点にのぼるアイテムが出品される。その中でも特に注目なのが、1954年にM型初のライカとなるライカM3の登場より前にプロトタイプとして製造された「Leica M prototype」。

1948年から1949年にかけて製造され、いまでも全機能が正常に作動する状態という。「M-mount Elmar 3.5/3.5cm」「ライカメーター」とのセットで出品され、落札予想価格はなんと60万~70万ユーロ! 日本円で9700万円〜1億1000万円(約161円換算)と1億超えのライカとなるのか?

画像: ライカM3登場以前の初期のLeica M Prototype。カメラシャーシ、ベースプレート、バックドアなど、すべての部品が手作業で加工されている。

ライカM3登場以前の初期のLeica M Prototype。カメラシャーシ、ベースプレート、バックドアなど、すべての部品が手作業で加工されている。

M型への進化の過程がわかるシャーシ

つぎに注目なのか、1936年からの17年間にライカの技術者によって製造された10点のプロトタイプ「Leica IV to M series Collection of Prototypes」。

この10点のプロトタイプは1936年製造の「ライカIII」の改良機のシャーシから1953年製造のアルミニウム製の「ライカM」のボディまであり、M型ライカに至るまでの進化を見ることができるという。15万ユーロから入札開始で、落札予想価格が30万~34万ユーロとのこと。

画像: 実験的なライカIIIからライカM3の後期プロトタイプまで、10台のプロトタイプカメラシャーシのセット。手前は1930年代半ばから1950年代初頭にかけての12個のライカ巻き上げレバー。

実験的なライカIIIからライカM3の後期プロトタイプまで、10台のプロトタイプカメラシャーシのセット。手前は1930年代半ばから1950年代初頭にかけての12個のライカ巻き上げレバー。

また特別モデルとして「Leica M2 grey paint」なども出品予定で、このモデルはは1960年にドイツ・ヴィースバーデンに駐留していた在欧アメリカ空軍に支給されたカメラ20台のうちの1台という。

状態も良好で落札予想価格は50万~60万ユーロ。

画像: 1960年、20台がドイツの米空軍に納入されたライカM2グレーペイント。現存すると考えられれているカメラは約12台だけという希少モデル。

1960年、20台がドイツの米空軍に納入されたライカM2グレーペイント。現存すると考えられれているカメラは約12台だけという希少モデル。

1958年にライツ社のマーケティング部門用に製造されたデモ機である「Leica M3 black paint Black Dial」はブラックペイント仕上げの「Summicron 2/5cm」とセットで出品される。落札予想価格は28万~32万ユーロ。

画像: ライカM3ブラックペイントブラックダイヤルはライツマーケティング部門が広告やカメラショーで使用するために製造された数少ないデモカメラの1つという。

ライカM3ブラックペイントブラックダイヤルはライツマーケティング部門が広告やカメラショーで使用するために製造された数少ないデモカメラの1つという。

画像: ライカMプロトタイプモデル。ライカM3のオリジナルの初期デザイン研究モデルでプラスチック製。M3よりも約2mm短く、カメラボディの象徴的な形状を示し、外部フィルムカウンターとスミクロンf2/5cmに似たレンズが折りたたまれた位置に装備されて

ライカMプロトタイプモデル。ライカM3のオリジナルの初期デザイン研究モデルでプラスチック製。M3よりも約2mm短く、カメラボディの象徴的な形状を示し、外部フィルムカウンターとスミクロンf2/5cmに似たレンズが折りたたまれた位置に装備されて

画像: ライカM4-P ハーフフレーム。エルンスト・ライツ・カナダがテスト目的で制作したハーフサイズモデル。トップカバーに18×24、フロントにHALF FRAMEの刻印がある。

ライカM4-P ハーフフレーム。エルンスト・ライツ・カナダがテスト目的で制作したハーフサイズモデル。トップカバーに18×24、フロントにHALF FRAMEの刻印がある。

画像: M型への進化の過程がわかるシャーシ
画像: Summilux 1.4/35mm Steel Rim black。ブラックペイントインフィニティロックを備えたブラックのスチールリムバージョン。

Summilux 1.4/35mm Steel Rim black。ブラックペイントインフィニティロックを備えたブラックのスチールリムバージョン。

画像: 写真家のライカも出品されている。こちらはLeica M2 black paint 'Walker Evans'。米国の写真家ウォーカー・エヴァンスが所有していたライカM2ブラックペイント。沈胴式ズミクロンf2/5cm付き。

写真家のライカも出品されている。こちらはLeica M2 black paint 'Walker Evans'。米国の写真家ウォーカー・エヴァンスが所有していたライカM2ブラックペイント。沈胴式ズミクロンf2/5cm付き。

第45回Leitz Photographica Auction
開催場所:ホテル・ブリストル(オーストリア・ウィーン)
開催日時:2024年11月23日午前11時(中央ヨーロッパ時間)から
(日本時間は2024年11月23日19時から)
www.leitz-auction.com

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