この製品について
NOKTON(ノクトン)という名称は、フォクトレンダーのレンズでF1.5より明るい製品に名付けられる、いわば“大口径”の代名詞。21mmという超広角レンズは肉眼視を超える強烈なパースペクティブ(立体感)を持つが、それにF1.4という大口径のボケが加わることで幅広い表現力を備えることになる。15万円と決して安くはない価格だが、それだけの価値はあるはずだ。
レンズ構成図からわかることは、NOKTONという名称から得られるクラシックな印象とは対照的な、非常に現代的といえる光学設計だ。特に、高精度な両面非球面レンズの量産は割合最近になって可能になったもので、これを2枚(つまり非球面4面!)も使って21mm F1.4というスペックを実現させていることに注目したい。後群の異常部分分散ガラスは色滲み(いわゆる“フリンジ”)を軽減する役割を担っていると思われ、デジタルカメラでの使用に不可欠な色収差特性を得るためのものと考えられる。
ちなみに、コシナのVMマウントのシリーズはいずれも長年に渡ってコンスタントに売れており、根強いファンがいるとのことだ。マウントアダプターを使用して各社のミラーレスカメラで使うことが可能なのも、その一因かもしれない。
特徴
●高い剛性感と耐久性の、総金属製鏡筒
●確実なピント操作が可能なマニュアルフォーカス
●12枚の絞り羽根による、美しいボケ味
●フローティング機構搭載により、遠景から近景まで優れた描写
●ライカMシリーズ等で使用できるVMマウント
●距離計連動システム内蔵
●最短撮影距離50cm ※但し距離計連動はカメラによって異なる
●専用バヨネット式角型フード付属
NOKTON 21mm F1.4 Aspherical VM
焦点距離:21mm
口径比:1:1.4
最小絞り:F16
レンズ構成:11群13枚
画角:90.3°
絞り羽根枚数:12枚
最短撮影距離:0.5m
距離計連動範囲:∞~0.7m(カメラにより異なる)
最大径×全長:φ69.5×69.7mm
フィルターサイズ:φ62mm
重量:480g
レンズフード:角型フード付属
希望小売価格:15万円(税別)
2020年2月発売予定