そのさよならの向こう側に、燻るように、しかしギラギラと輝き続ける昭和が、
確かに私たちを照らしているのを感じる。
失われゆく昭和よ、来たるべき次代を照らす文化とならんことを。
音楽、ファッション、映画などのサブカルを中心にヴィンテージまみれの青春を20年以上ひた走る「おじさん女子」2人組L’amritaが、昭和歌謡の世界を、令和を迎えた日本を舞台に繰り広げます。
松山ビリヤード
下北沢の玄関口として知られた下北沢駅南口と、現在の南の玄関口南西口の間にあるかわいい建物。
下北沢を訪れる人は多いけれど、ここがなんだか知っている人は案外少ないかもしれません。
窓からちょっと覗いてみて!そう、ここは1階から3階までぜーんぶビリヤード場なんです。
ここ「ビリヤード松山」は、昭和26年に開業した東京で初めてのビリヤード場。
創業者は大正から昭和にかけて活躍したビリヤード選手、松山金嶺。全米ジュニア選手権や全米スリークッション選手権などで優勝経験もある、世界的プレイヤーでした。
お店に掲げられた当時の世界大会のポスターにその姿を見ることができます。
ビリヤードのことを何も知らない私たちを先導して、かんたんなルールの説明や遊び方を教えてくれるのはこの方、ビリヤード漫談でおなじみのハスラー新城!よっ、待ってました!大統領~!
新城さんはビリヤード名人の物まねを取り入れたビリヤード漫談もされています。ニッチすぎて全然わからないのが妙に面白いんですよね…
いや、この日は笑いなしでとても紳士的に教えてくれたんですけれども。
クラシックなお店の雰囲気に、佐野さんもトーク帽でちょっとおめかし。
女性はデートのためにいつもよりおめかししたいもの。だから暑い夏、寒い冬はこんなちょっとおしゃれで大人っぽい室内デートスポットもおすすめです!
冷たい飲み物で一息入れながら、新城さんの優しいレッスンは続きます…。
昼間の下北沢 若者の街
ビリヤード場で涼をとりつつゆっくり遊んだ後は、下北沢の街を買い物散歩。
今は土日ともなるとカレーと食べ歩き、そして古着屋さんでのお買い物を目的にたくさんの人が訪れます。
20年くらい前はレコード屋さんや古着屋さんが今よりずっとたくさんあったのですが…
芝居と音楽の街として知られる下北沢、そのランドマークとして知られているのがこの本多劇場。
同じ建物の中にマルシェ下北沢という小さなショッピングモールがあって、お買い物も楽しめるんです。お店の数は多くはないですが、巡ってみると個性的なお店があって案外楽しいです。
観劇の予定がなくても、ぶらっと立ち寄れるスポットです。
お買い物や飲食店、ライブハウスや劇場のイメージの強い下北沢ですが、実は住宅街としての一面も持っています。
下北沢はとても小さな町で、商業地域は駅から歩いて5分くらい。駅から3分くらいで住宅がちらほら増え始めます。
だからぶらぶら街歩きしていると、こんな古いアパートのある路地に行き当たったりすることも。
同じ劇団員同士、こんなに近くで見つめあうのはさすがに恥ずかしそう!
でもそれがなんだか幸せなカップルの初々しい雰囲気に見えてしまうから、写真って不思議です。
ねえそろそろおうちに帰る?いや、もう少しぶらぶらしようよ、なんて普通の会話でも、はたで聞いているとなんだかくすぐったいものです。
(この会話はフィクションです)
少しずつ陽が傾き、影も長くなろうとする午後、2人の架空のデートはどうなってゆくのでしょうか…
次回更新は9月20日(金)です。来週もお楽しみに♪
モデル協力:東京ミルクホール(劇団)
2003年9月旗揚げ。女人禁制の男の園。
≪最高に好感をもって呆れられる舞台≫を構築し、「若手演出家コンクール2004」(日本演出者協会主催)で最優秀賞を受賞。
2014年、第20回本公演をもって解散を宣言するも、イベントなど地下活動を継続中。
劇団事務所には、本公演再開を望むハガキの山がうず高く積まれている。2017年、再始動。
【次回公演】
東京ミルクホール第23回本公演「レッツゴーギャング」
2019年10月9日(水)〜14日(月・祝)
下北沢 小劇場B1
モデル:佐野バビ市(脚本家/舞台演出家/俳優/女装家/劇団主宰)
演出家・喰始(WAHAHA本舗)、荻田浩一(宝塚歌劇団)に師事したのち劇団東京ミルクホール旗揚げ。
日本演出者協会・若手演出家コンクール最優秀賞受賞。
役者バンド「こころは三河」でギターと司会を担当。
モデル:新城侑樹(俳優)
国立舞鶴工業高専 機械工学科 3年次修了
立教大学文学部史学科 卒
大学在学中は演劇サークルに所属。
社会人生活を経て、2012年5月東京ミルクホール入団。
012年9月公演『たけしの挑戦状』以降、全ての本公演に出演。
どんな要求にも100%で応えるべく率先して無茶をするメンタリティ、演技力を勢いと運動量でカバーする姿勢には賛否両論あり。
広くて浅いオタク知識を活かしてチャンマツ(同劇団研究生)と始めたポッドキャスト番組『東京ミルク放送局』を2015年3月より毎週配信中。
写真・文:L'amrita(ラ・ミュリタ)
写真家・齋藤真理と文筆家・早川瑞穂からなる創作ユニット。なんでもない毎日を、ちょっとロマンティックに、ノスタルジックに。『すべてのひとがそれぞれの物語の主人公』をテーマに活動する女性ふたりの創作ユニットです。昭和レトロ、ヴィンテージ、60年代~70年代の音楽や映画など、ふたりの趣味を活かした懐かしくて温かみのある雰囲気の作品作りを得意としています。