注目のタムロン新レンズをさっそく使ってみた。これはポートレートだけのレンズじゃないぞ。ワイド側を35mmに見切ってテレ側を100mmに振った仕様は、標準ズームとして結構使いやすかった。F2.8通しの大口径標準ズームで「ワイド側は24mmはないとな~」という固定観念を打ち破れるか!? ただ、グルグルぼけは気になる。使いこなしにはワザがいるかも?

■金城正道氏プロフィール
沖縄県出身。元レンズメーカー広報&元月カメ編集部員。現在は千葉県市川市在住の写真家、および最近は「間違いだらけシリーズ」の論客として活躍。得意メーカーはOMデジタルソリューションズ、タムロン、フジフイルムとかその辺。

■撮影共通データ:ソニー α7 Ⅴ

タムロン 35-100㎜ F/2.8 Di Ⅲ VC VXD モデルA078 主な仕様

画像: タムロン 35-100㎜ F/2.8 Di Ⅲ VC VXD モデルA078 主な仕様

●焦点距離:35mm判換算35-100mm
●最短撮影距離:0.22m(35mm時)/0.65m(100mm時)
●最大撮影倍率:1:3.3(35mm時)/1:5.9(100mm時)
●レンズ構成:13群15枚
●最小絞り:F22
●絞り羽根枚数:9枚
●フィルターサイズ:φ67mm
●大きさ・重さ:
119.2×φ80.6mm・565g(ソニーE)
121.5×φ80.6mm・575g(ニコンZ)
●付属品:フード

あえてワイド域を絞った「いぶし銀」の標準ズーム

画像: こう持って撮るとそれほど大きく見えないが、かと言ってカメラに付けた時には小さい感じはない。むしろ大口径なりの大きさはある。マウント部の白いバーコードシールはメーカーデモ機の管理用ステッカーで、製品にはもちろんありません。でも、なんかカッチョワリ―なー。白黒反転させた黒いステッカーとか反対側に貼るとか、デモ機では目立たないように配慮したほうがいいのでは?(広報担当者サマへ)。

こう持って撮るとそれほど大きく見えないが、かと言ってカメラに付けた時には小さい感じはない。むしろ大口径なりの大きさはある。マウント部の白いバーコードシールはメーカーデモ機の管理用ステッカーで、製品にはもちろんありません。でも、なんかカッチョワリ―なー。白黒反転させた黒いステッカーとか反対側に貼るとか、デモ機では目立たないように配慮したほうがいいのでは?(広報担当者サマへ)。

株式会社タムロン様は、本レンズを「ポートレート専用」みたいな感じで宣伝しています。が、筆者はもう少し違う視点でレビューしたいのです。というのも、この世の中において、いわゆる「モデル撮影会等でガチに使われるレンズ」の割合なんて、圧倒的に少ないと思うからです。このレンズの性格や立ち位置は少し違うところにあるなーと筆者は思っているし。でもまあ、キャッチフレーズとして分かりやすいのは確かだけどね。 

画像: 後玉がめっちゃ大きく、開放でケラレないようマウント内側をギリギリまで攻めていて「頑張ってるねー」っていうタムロンらしい丁寧な造り。時々思うのは、後玉がマウントからさらにカメラ側に突き出た光学系でもって、斬新な仕様のレンズとかって設計できないのかな? ということ。大昔のミラーアップ専用レンズみたいな。規格の縛りもあるだろうが、ミラーレスカメラ専用なら不可能ではないだろう。

後玉がめっちゃ大きく、開放でケラレないようマウント内側をギリギリまで攻めていて「頑張ってるねー」っていうタムロンらしい丁寧な造り。時々思うのは、後玉がマウントからさらにカメラ側に突き出た光学系でもって、斬新な仕様のレンズとかって設計できないのかな? ということ。大昔のミラーアップ専用レンズみたいな。規格の縛りもあるだろうが、ミラーレスカメラ専用なら不可能ではないだろう。

丸い「フォーカスセットボタン」は、カメラ側のカスタム設定で割り当てた機能を使うことができる。いっぽう、四角いほうのスライド式の「カスタムスイッチ」は、タムロンレンズ専用のソフトウェア「TAMRON Lens Utility」で設定する機能を割り当てられる。3つの機能を切り替えて使うことができる。割り当て可能な機能はソニーE用もニコンZ用もほぼ同じだが、少しだけ異なる機能もある。詳しくは「TAMRON Lens Utility」のメーカーサイトで。

「ニッチを狙わねば」というレンズメーカーならではの考えからすると「ポートレート向きでっせ」と語るマーケの戦略もしょーがねーなーとは思います。でも、このレンズはまごうことなき「標準ズーム」なんです。しかも、あえて24mmや28mmとかのワイド側を切り捨て、テレ側を100mmまでF2.8大口径で攻めちゃったところが=肉を斬らせて骨を断つ= ような「いぶし銀」なレンズと筆者は考えます。ワイド域が要らない理由は次に詳しく…。

はたしてワイド域は24mmとか28mmまで本当に必要なんだろうか!?

画像: 左が35mm時で右が100mm時。ズーミングによって全長が若干伸びるが、使用上は全く差異を感じない。

左が35mm時で右が100mm時。ズーミングによって全長が若干伸びるが、使用上は全く差異を感じない。

ワイド端が35mmで打ち止めなのは標準ズームとしては役不足なのか? それとも標準ズームのワイド域は、本当は24mmとか28mmまでは要らないんじゃないのか? 使ってみて気がついたのは「実は標準ズームのワイド端は35mmでも充分オッケーじゃん」ということだった。

筆者の場合、40歳頃までは28mmが自分的に標準の画角だった。なぜかというと、筆者がメガネを掛けて両目でざっと視野に入る画角のレンズが28mmだったから。それが50歳を過ぎた頃、その28mmの画角に不自然さを感じるようになって、還暦を過ぎた今は35~40mmくらいの画角がちょうどいいようになってきた。

画像: ●テレ端 主被写体と背景との距離をうまく取ることができれば、風景の切り取り撮影でも背景をきれいにぼかすことができる。 ■絞り優先AE(F2.8) プラス1.3露出補正 ISO100 WB:オート

●テレ端
主被写体と背景との距離をうまく取ることができれば、風景の切り取り撮影でも背景をきれいにぼかすことができる。
■絞り優先AE(F2.8) プラス1.3露出補正 ISO100 WB:オート

画像: ●テレ端 SNSで人気になった子ザル「パンチ君」のおかげで大混雑中の市川市動植物園の人ごみの少ないフクロウ舎にて。動物園で目標物を大きく捉えるには100mmでは実はちょっと足りないのだが、まあ狙ってみました。トリミング耐性や暗所描写をみるために。どちらもかなりいいぞ! 距離およそ3m。前ボケの感じもこれでわかる。 ■絞り優先AE(F2.8) マイナス0.7露出補正 ISO320 WB:オート

●テレ端 
SNSで人気になった子ザル「パンチ君」のおかげで大混雑中の市川市動植物園の人ごみの少ないフクロウ舎にて。動物園で目標物を大きく捉えるには100mmでは実はちょっと足りないのだが、まあ狙ってみました。トリミング耐性や暗所描写をみるために。どちらもかなりいいぞ! 距離およそ3m。前ボケの感じもこれでわかる。
■絞り優先AE(F2.8) マイナス0.7露出補正 ISO320 WB:オート

画像: フクロウ作例の拡大。オリジナルが7008x4672ピクセルで、そこから切り取ったこの画像が1809x1206ピクセルなので、都合387%拡大ということになる。少しだけ動体ブレはあるがフクロウの微細な羽毛がカッチリと捉えられていて、この拡大状態でもそのまま使用に耐える解像を叩き出している(フルHDレベルでピクセル等倍に近い画像だから、用途によってはそのまま使える)。

フクロウ作例の拡大。オリジナルが7008x4672ピクセルで、そこから切り取ったこの画像が1809x1206ピクセルなので、都合387%拡大ということになる。少しだけ動体ブレはあるがフクロウの微細な羽毛がカッチリと捉えられていて、この拡大状態でもそのまま使用に耐える解像を叩き出している(フルHDレベルでピクセル等倍に近い画像だから、用途によってはそのまま使える)。

歳を食って少し引き目に眺めるようになってきた…というか、若い頃のようにやたらグッと寄って撮ることがなくなって、すこし引いたところからのほうが細かいものが見えてきた。いわゆる「老人力」がついてきたというか、35mm~50mmあたりの画角が愛おしくなってきたのです。このレビューの作例を撮りながら「大三元の24-70mmよりもこの35-100mmのほうが使いやすいかも…」そんなことに気がついたのだ。

大三元のワイドといえば16-35mmがあるじゃないですか。筆者宅にも大枚25諭吉も支払ったAマウントのソニー・ツァイスの16-35mm F2.8があって、純正のEマウントアダプターかませてまだ現役なのだ。実際にワイド系が必要となる現場では24mmぽっちの広角ではハナから余裕がないとわかっているので、まずは16-35mmにレンズ交換をすることになる。つまり、直近の自分的には「標準ズームには24mm~35mmのワイド域は不要だった」ということが、このレンズを使ってみてわかってしまったのだ。

一方、テレ側が100mmまで伸びていることが「使いやすい」という結果に結びついていることもわかってしまいました。実はですね、今回のレビューの作例がね、けっこう100mm側に偏ってしまったわけです。F2.8の大口径ズームって望遠域で使うメリットが大きいわけで、70mmより100mmのほうが使いデがあるってことは筋の通ったハナシだよね。

いいところ①=まあまあ小さくていいね!

画像: バッグに入れた状態です。さすがにポケットサイズとは言い難いが、やはり大口径標準ズームとしては小型軽量な部類に入る。筆者が常に携行しているヒップバッグに、スマホやら財布やらと一緒に易々と入るので、カメラを抜き身で晒すのがためらわれる電車移動などでは精神的にも身軽だ。

バッグに入れた状態です。さすがにポケットサイズとは言い難いが、やはり大口径標準ズームとしては小型軽量な部類に入る。筆者が常に携行しているヒップバッグに、スマホやら財布やらと一緒に易々と入るので、カメラを抜き身で晒すのがためらわれる電車移動などでは精神的にも身軽だ。

フード付きの見た目はそれほど小さい印象はなくゴロッとしている。宣伝文句の「ポケットサイズ」は言い過ぎだけど(ド○えもんの四次元ポケットかい!!)コンパクトなので持ち歩きはラク。F2.8ズームであることを考えると、このウェイトはGood! サイズも、筆者がいつも持ち歩くウエストバッグにスマホや財布ごとすっぽり入る。「電車でちょこっと出掛けます」という時に、車内でカメラを抜き身で晒していると今どき何を言われるかわからないので、これくらいに収まってくれるのは世間的にも大変よろしいです。

いいところ②=ピントいいじゃん!

画像: ●ワイド端 35mmといえども広角なので、距離を少し引くと開放でも深度は十分。絞って撮るよりも立体感が出るので平板な写真になりにくい。最新鋭のレンズゆえ当然の如く絞り開放から描写はしっかりしており、周辺部での解像の乱れや極端な光量落ちは見られない。 ■絞り優先AE(F2.8)マイナス1.0露出補正 ISO800 WB:オート

●ワイド端 
35mmといえども広角なので、距離を少し引くと開放でも深度は十分。絞って撮るよりも立体感が出るので平板な写真になりにくい。最新鋭のレンズゆえ当然の如く絞り開放から描写はしっかりしており、周辺部での解像の乱れや極端な光量落ちは見られない。
■絞り優先AE(F2.8)マイナス1.0露出補正 ISO800 WB:オート 

画像: ●最短撮影距離 本機の最短撮影距離22cmかつ最大撮影倍率1:3.3はワイド端35mmで出る。いっぽう、テレ側の最短撮影距離は65cmと、使っていて「おや?」と思う程度に遠く、我が身に初期の老眼を感じた時のような寂しさを一瞬覚える。 ■絞り優先AE(F2.8)マイナス0.3露出補正 ISO800 WB:オート

●最短撮影距離 
本機の最短撮影距離22cmかつ最大撮影倍率1:3.3はワイド端35mmで出る。いっぽう、テレ側の最短撮影距離は65cmと、使っていて「おや?」と思う程度に遠く、我が身に初期の老眼を感じた時のような寂しさを一瞬覚える。
■絞り優先AE(F2.8)マイナス0.3露出補正 ISO800 WB:オート

レビューに使用したカメラは、おろしたてのα7 Vで目下の最新機種(注:筆者自腹)。AFは筆者の他の保有カメラ&レンズの組み合わせと比べると最も速く、AFという機構の存在すら忘れてしまうほど速く静謐かつ正確で、何というかあっけない感じで焦点を合わせてくれた。

画像: カジュアルなポートレート撮影には充分を超えた描写力。仕事にも使えるスゲーかっちりした描写。でも硬くはないですよ。開放F2.8だからといって、そのまま開放で撮らない作例。開放F2.8で寄って撮る時の浅い深度のことや口径食による背景のグルグルぼけなんかを総合的に考慮して、筆者は人物撮影では基本的に開放では撮らないのだ。大口径を使うメリットは「ヒトシボ絞れる余裕」に在り。本機は円形絞りでもあるし、開放だけにこだわる必要なし。 ■プログラムAE(F4) ISO100 WB:太陽光

カジュアルなポートレート撮影には充分を超えた描写力。仕事にも使えるスゲーかっちりした描写。でも硬くはないですよ。開放F2.8だからといって、そのまま開放で撮らない作例。開放F2.8で寄って撮る時の浅い深度のことや口径食による背景のグルグルぼけなんかを総合的に考慮して、筆者は人物撮影では基本的に開放では撮らないのだ。大口径を使うメリットは「ヒトシボ絞れる余裕」に在り。本機は円形絞りでもあるし、開放だけにこだわる必要なし。
■プログラムAE(F4) ISO100 WB:太陽光 

つまり、AFに関しては、ファインダーで「しっかりピント合わせの状況を確認しなければ」という必要を感じないのだった。カメラの背面液晶で撮影結果を拡大して見ても、薄いピント域がしっかりと目的の位置に来ているわけです。瞳AFとかがちゃんと効いているわけ。こんなふうにちゃんとしているので、ピントはカメラ・レンズまかせにして平気でシャッターチャンスに集中できました。AFの合わせ込みもそうなんですが、このレンズの光学系自体もしっかりと解像が出ており、少なくともα7 Vの3300万画素クラスでは緻密な描写で大満足のレベルです。

厳しいところ=「グルグルぼけ」には気をつけよう

画像: ●テレ端 この作例は筆者的には「失敗例」としてみてほしい。主被写体と背景との距離を充分にとることはできたが、ボケの対象となった被写体(桜の花)が小さく、大きな塊のボケにならなかった。またそれぞれの小さなボケも輝度が高く独立した点光源のような状態になったため、筆者的には好ましくない、いわゆるハデな「グルグルぼけ」の写真になってしまった。 ■絞り優先AE(F2.8) プラス1.3露出補正 ISO100 WB:オート

●テレ端 
この作例は筆者的には「失敗例」としてみてほしい。主被写体と背景との距離を充分にとることはできたが、ボケの対象となった被写体(桜の花)が小さく、大きな塊のボケにならなかった。またそれぞれの小さなボケも輝度が高く独立した点光源のような状態になったため、筆者的には好ましくない、いわゆるハデな「グルグルぼけ」の写真になってしまった。
■絞り優先AE(F2.8) プラス1.3露出補正 ISO100 WB:オート

画像: テレ端 玉ボケの状態をチェック。ピントの合っている被写体までの距離は1mちょっと。これは「グルグルぼけ」といえる。この状況では、周辺部に限らず、像高の割合い低い位置でも周辺部のケラレによる口径食が見られる。(像高=画面中心から周辺方向への長さのこと。低い=画面の中心に近い。高い=画面の隅に近い) ■絞り優先AE(F2.8) マイナス0.7露出補正 ISO800 WB:オート

テレ端
玉ボケの状態をチェック。ピントの合っている被写体までの距離は1mちょっと。これは「グルグルぼけ」といえる。この状況では、周辺部に限らず、像高の割合い低い位置でも周辺部のケラレによる口径食が見られる。(像高=画面中心から周辺方向への長さのこと。低い=画面の中心に近い。高い=画面の隅に近い)
■絞り優先AE(F2.8) マイナス0.7露出補正 ISO800 WB:オート

口径食が結構あります。コンパクトさとのトレードオフの結果でしょう。まあしょうがないか。そのせいで、作例のとおり本機の100mm側では背景のボケが「グルグルぼけ」になりやすく煩雑になってしまうことがある。ボケを期待する場合には、これを目立たせないような注意とテクニックが必要です。

画像: ●テレ端100mmでの口径食チェック 距離300mほど向こうにあるマンションの灯りを、上の写真はレンズのフォーカスをマニュアルで1mにセットして撮影している。下の写真は同じ状況で3mにセットしている。このチェックでは口径食の状況とレンズの研磨精度が同時にわかる。本機は非球面レンズを採用しているが、玉ボケの光点の中に派手な輪帯(=年輪ボケ)は認められず、非常に精度の高い非球面加工が施されていると考えられる。いっぽう、イメージサークルが35mm判ぎりぎりの広さでの設計となっているためであろう、口径食が大きく、画面中心から離れるにつれボケ形状の変形度合いが強くなり、グルグルぼけ発生の要因となっている。フォーカス変動によるケラレの変化はあまり見られない。 ■絞り優先AE(F2.8) マイナス0.7露出補正 ISO320 WB:オート ※マニュアルフォーカス

●テレ端100mmでの口径食チェック
距離300mほど向こうにあるマンションの灯りを、上の写真はレンズのフォーカスをマニュアルで1mにセットして撮影している。下の写真は同じ状況で3mにセットしている。このチェックでは口径食の状況とレンズの研磨精度が同時にわかる。本機は非球面レンズを採用しているが、玉ボケの光点の中に派手な輪帯(=年輪ボケ)は認められず、非常に精度の高い非球面加工が施されていると考えられる。いっぽう、イメージサークルが35mm判ぎりぎりの広さでの設計となっているためであろう、口径食が大きく、画面中心から離れるにつれボケ形状の変形度合いが強くなり、グルグルぼけ発生の要因となっている。フォーカス変動によるケラレの変化はあまり見られない。
■絞り優先AE(F2.8) マイナス0.7露出補正 ISO320 WB:オート ※マニュアルフォーカス

画像: ●ワイド端35mmでの口径食チェック 撮影状況は100mmの口径食チェックと同じ。上の写真はレンズのフォーカスをマニュアルで1m、下は3mにセットしている。通常はワイド側ではあまりこのチェックはやらないのだけど、本機は大口径なのでやってみた。結論からいうとワイド端のこの程度の距離ではあまりケラレはない。画面の四隅近辺でやや目立つぐらい。ただ、最短撮影距離あたりまで寄ると、収差など別の要因かもしれないけど周辺部が結構流れることがあるので注意は必要かも。 ■絞り優先AE(F2.8) マイナス0.7露出補正 ISO320 WB:オート ※マニュアルフォーカス

●ワイド端35mmでの口径食チェック
撮影状況は100mmの口径食チェックと同じ。上の写真はレンズのフォーカスをマニュアルで1m、下は3mにセットしている。通常はワイド側ではあまりこのチェックはやらないのだけど、本機は大口径なのでやってみた。結論からいうとワイド端のこの程度の距離ではあまりケラレはない。画面の四隅近辺でやや目立つぐらい。ただ、最短撮影距離あたりまで寄ると、収差など別の要因かもしれないけど周辺部が結構流れることがあるので注意は必要かも。
■絞り優先AE(F2.8) マイナス0.7露出補正 ISO320 WB:オート ※マニュアルフォーカス

口径食というのは、レンズ鏡筒によるケラレで画面周辺の玉ボケの形状がラグビーボール状(レモンの形)になる現象。画面中心から離れるにしたがって玉ボケの変形が大きくなってきます。口径食が起きる原理は…試しにトイレットペーパーの紙筒を斜めから覗いてみてください。紙筒の胴に遮られて、穴の向こう側がレモンの形みたいになるでしょ? それです。それと同じことがレンズの鏡筒でも起こるわけです。そして実際の画像では、ラグビーボール状のボケ同士がつながって「グルグルぼけ」になるわけ。

同社35-150mm F2-2.8 (Model:A058)との違い

画像: ●最短撮影距離 ふたたび最短撮影距離での作例。描写はソフトながらも緻密で繊細。解像性能は非常に高い。ジャストピントの位置からのボケ方はややフレアがかって美しく、「ゾクッ」とするような立体感がある。ボケの対象をうまく選べれば素直で美しい写真が撮れる。被写体は食虫植物ウツボカズラのでかいやつ。こわっ。 ■絞り優先AE(F2.8) プラス0.7露出補正 ISO800 WB:オート

●最短撮影距離
ふたたび最短撮影距離での作例。描写はソフトながらも緻密で繊細。解像性能は非常に高い。ジャストピントの位置からのボケ方はややフレアがかって美しく、「ゾクッ」とするような立体感がある。ボケの対象をうまく選べれば素直で美しい写真が撮れる。被写体は食虫植物ウツボカズラのでかいやつ。こわっ。
■絞り優先AE(F2.8) プラス0.7露出補正 ISO800 WB:オート

本機のレンジを含む35-150mm F2-2.8(Model:A058)は、まー超頑張った大口径ズームだけど「頑張り過ぎ」の感じがありますねー。実用ではどうなん? 筆者はA058に「ワイド端のF2って意味ある?」「テレ端150mmにしたせいでデカ過ぎ重過ぎくなってない?」などの印象を覚えるのだが、それに比べると本機のスペックには素直にうなずけるところがある。35-150mm F2-2.8の方は、持った感じは標準ズームとしてはちょっと避けたい大きさ重さで、それこそポートレート向けの特殊レンズかな。それに比べ本機はとても「まとも」な標準ズームです。

温故知新。タムロン SP35-105mm F2.8(Model:65D)

画像: 温故知新。タムロン SP35-105mm F2.8(Model:65D)

タムロンにはその昔SP35-105mm F2.8(Model:65D・1992年発売)という大口径の3倍ズームがあって、それこそ本機のルーツといっていいかもしれない。このSP35-105mm、当時の技術的な制約から、テレ端至近域の描写がソフトフォーカスになってしまうなど色々あったクセ玉だったが、小型で実は結構使いやすい大口径ということもあって、なかなか売れたレンズだった。

しかしながら、後継機の176Aは市場要求でテレ端105mmのままワイド端を28mmに広げてしまったため、巨大な前玉に茶筒のような鏡筒の残念なレンズになってしまいました。そしてその後も、筆者が知る限り、テレ端が100mmに達するF2.8通しの標準ズームはどこからも出ていないと思う(本機に先行した2021年発売のタムロン35-150mm F2-2.8は、上記のとおり標準ズームとは異なるモンスターレンズでしょう)。

SP35-105mm F2.8が出ていた当時、非球面レンズの製造技術は、今から思うと草創期のようなものだった。なので、今や当たり前の16-35mm F2.8のような高精度な大口径非球面レンズを必要とする大口径の超ワイドズームは当時はまだ存在せず、焦点距離的にそれにストレートにつながる、35-100mmのような設計難易度が高い望大口径標準ズームはずっと企画されることがなかったのかもしれない。

とっても優秀な標準ズーム!

ということで最後に。このレンズ、約2週間借りて使っていたけど、筆者は返却したくなくなった。一瞬、「えっ?返しましたよ!」とかウソついて「借りパク」の誘惑が。まあ絶対にそんなことはしないのだが、この短い間に自分のモノのようにしっくりと馴染んでしまったのは事実。作例もいっぱい楽しく撮れました。コレ買おっかなー、どうしようかなー、とはいっても、筆者はα7 Vを買った直後であるので、やっぱりしばらくは無理。悩ましい。それにしてもタムロンレンズも高くなったものだ…。

画像: ●ワイド端 3 ワイド端が35mmで足りないなんてことは全然ない。狭い引きのない場所でも、アングルを見つけることはできるのさ。この大きな木造船のフォルムを表現しながら、朽ちつつあった船底の質感を克明に捉えることができたのは、焦点距離35mm以下では難しかったかも。1/5秒という低速度シャッターでも、手ブレ補正機構は充分に機能していて恐ろしいほどシャープな画像が得られた。「第五福竜丸展示館」にて。 ■絞り優先AE(F10) マイナス0.3 露出補正 ISO800 WB:オート

●ワイド端 3
ワイド端が35mmで足りないなんてことは全然ない。狭い引きのない場所でも、アングルを見つけることはできるのさ。この大きな木造船のフォルムを表現しながら、朽ちつつあった船底の質感を克明に捉えることができたのは、焦点距離35mm以下では難しかったかも。1/5秒という低速度シャッターでも、手ブレ補正機構は充分に機能していて恐ろしいほどシャープな画像が得られた。「第五福竜丸展示館」にて。
■絞り優先AE(F10) マイナス0.3 露出補正 ISO800 WB:オート

画像: ●ワイド端 こちらも35mmだが、ワイド的ではない構図の撮り方。コワーいぐらいシャープに写るレンズとカメラの組み合わせで凄い質感描写だ。同じ場所で英伸三先生がお撮りになっている第五福竜丸の写真とは無論比べるべくもないのだが、同じカメラとレンズがあったら先生はどんな写真をお撮りだろうか…などということを考えてしまった。「第五福竜丸展示館」にて。 ■絞り優先AE(F10) マイナス0.3 露出補正 ISO800 WB:オート

●ワイド端
こちらも35mmだが、ワイド的ではない構図の撮り方。コワーいぐらいシャープに写るレンズとカメラの組み合わせで凄い質感描写だ。同じ場所で英伸三先生がお撮りになっている第五福竜丸の写真とは無論比べるべくもないのだが、同じカメラとレンズがあったら先生はどんな写真をお撮りだろうか…などということを考えてしまった。「第五福竜丸展示館」にて。
■絞り優先AE(F10) マイナス0.3 露出補正 ISO800 WB:オート

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