「簡単キレイ」「押すだけで完了」はキヤノンに肉薄している!?
AE/AWBについても中庸を上手く突いてくれていて、明るくしたい時はプラスに、少し深めにしたい時はマイナスに補正するだけ、という作画意図に忠実な露出コントロールができるのがとても印象的でだった。賢いのにプラスして傾向が掴みやすい…つまりは非常に優秀である、ということ。
●ISO感度比較 ISO400(左上)、ISO1600(右上)、ISO6400(左下)、ISO12800(右下)とそれぞれの部分拡大。
高感度性能についても軽くチェック。明所であればISO12800でも結構良い感じですが、暗所では上限はISO6400という感じ。これは、まあAPS-C機としては上々というところか。
手ブレ補正についても最大5.0段というスペック通りあることを実感。これまでのα6000シリーズは、正直「スペックの詐称でもしてるのでは?」と疑心暗鬼になることが度々あった。が、本機ではしっかりと効果を感じられた。
バッテリの保ちも悪くなく、単写のみで500ショット時点で残60%と、これはカタログスペックを大きく上回っていた。
コストと性能のバランス的に言えば、フルサイズ機も含めて「ベストα」という印象を本機に持った。それくらいにオールラウンダーな機種に仕上がっている。そして、まるでキヤノン機のような「簡単キレイ」を実現できている。
一方で、不満が全くないワケでもない。たとえばシャッター速度が最高で1/8000秒までしか選べないこと。これはレンズ遊びをするに於いては、大口径レンズ装着時に最高で1/8000秒というのは何かと不便で。趣味性という点ではマイナスと言わざる得ない。
それでもボディ内RAW現像はナシ。どんな「信念」なんだ??
これまでソニーのAPS-C機に対して「グリップが合わない」とか「EVFの覗き心地が悪い」など、諸事情によりそれほど心躍ることがなかった筆者であった。が、α6700には感心させられるところが多く、カメラの道具としての質感がグッと良くなったことが大きい。
加えて画作りについても大きく進化したという印象を得ており、「クリエイティブルック」がかなり良い仕事をしてくれている。
にも関わらず、不思議なのは相変わらずボディ内RAW現像ができないこと。ここまで来ると、もはやその意志は無いのだろうとも考えられる。
カメラJPEGでソコソコ良い感じの写真が撮れた時に、RAW現像でさらに追い込んでやろうとすると、上手く再現出来ずに四苦八苦しそうなので、その辺りのケアもやって欲しいのだが…。
ともあれ、本機は「条件を選ばず撮影者の情熱を具現化してくれるカメラ」ということでは最高峰のカメラと言っても過言ではない。それくらいに自動化の性能が優れ、操作性についても改善されたことが印象的であった。あとはEVFだけ。でもこのサイズ感を維持するためのトレードオフと思えば…その我慢は苦にならないレベルでもある。
ってことで、ソニーさん、やり過ぎだぞ。