本年7月28日に発売されたソニーのAPS-Cミラーレス機「α6700」。本機は2019年11月に登場したα6600の後継機となる。最近はVlogカムの活躍ばかりが目立った同社のAPS-C機だが、満を持してついに「真打ち」が登場した?

「簡単キレイ」「押すだけで完了」はキヤノンに肉薄している!?

画像: 「The中庸」って感じの見事なAE制御。フォーカスエリアもワイドでカメラ任せでバッチリ。このゾーンもちゃんと人を追いかけていたから凄いよねぇ。 ■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/250秒) ISO125 WB:オート ※クリエイティブルック:ST

「The中庸」って感じの見事なAE制御。フォーカスエリアもワイドでカメラ任せでバッチリ。このゾーンもちゃんと人を追いかけていたから凄いよねぇ。
■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/250秒) ISO125 WB:オート ※クリエイティブルック:ST

AE/AWBについても中庸を上手く突いてくれていて、明るくしたい時はプラスに、少し深めにしたい時はマイナスに補正するだけ、という作画意図に忠実な露出コントロールができるのがとても印象的でだった。賢いのにプラスして傾向が掴みやすい…つまりは非常に優秀である、ということ。

●ISO感度比較 ISO400(左上)、ISO1600(右上)、ISO6400(左下)、ISO12800(右下)とそれぞれの部分拡大。

画像: ISO400は相変わらず(少しは良くなってますよ)の偽色の多さ。この点だけはもう少し頑張って欲しい。ISO1600なら常用できちゃうくらいの細部再現性があります。ISO6400は細部は見てらんないけれども、全体で見るなら悪くなくて、それほど我慢の要らない画質。結構良い。ISO12800については、この感度設定としては頑張っています。

ISO400は相変わらず(少しは良くなってますよ)の偽色の多さ。この点だけはもう少し頑張って欲しい。ISO1600なら常用できちゃうくらいの細部再現性があります。ISO6400は細部は見てらんないけれども、全体で見るなら悪くなくて、それほど我慢の要らない画質。結構良い。ISO12800については、この感度設定としては頑張っています。

高感度性能についても軽くチェック。明所であればISO12800でも結構良い感じですが、暗所では上限はISO6400という感じ。これは、まあAPS-C機としては上々というところか。

手ブレ補正についても最大5.0段というスペック通りあることを実感。これまでのα6000シリーズは、正直「スペックの詐称でもしてるのでは?」と疑心暗鬼になることが度々あった。が、本機ではしっかりと効果を感じられた。

バッテリの保ちも悪くなく、単写のみで500ショット時点で残60%と、これはカタログスペックを大きく上回っていた。

画像: 絵がね、結構良いというか好きかも知れない。少なくともα7 Ⅳより好きです。日中に使うならフルサイズ要らないよね、と余計な事を考えるくらいには良い感じ。 ■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/500秒) マイナス0.3露出補正 ISO100 WB:オート ※クリエイティブルック:SH

絵がね、結構良いというか好きかも知れない。少なくともα7 Ⅳより好きです。日中に使うならフルサイズ要らないよね、と余計な事を考えるくらいには良い感じ。
■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/500秒) マイナス0.3露出補正 ISO100 WB:オート ※クリエイティブルック:SH

コストと性能のバランス的に言えば、フルサイズ機も含めて「ベストα」という印象を本機に持った。それくらいにオールラウンダーな機種に仕上がっている。そして、まるでキヤノン機のような「簡単キレイ」を実現できている。

一方で、不満が全くないワケでもない。たとえばシャッター速度が最高で1/8000秒までしか選べないこと。これはレンズ遊びをするに於いては、大口径レンズ装着時に最高で1/8000秒というのは何かと不便で。趣味性という点ではマイナスと言わざる得ない。

画像: モノクロも結構良い。こうした掠れた感じをカメラ側の設定でカンタンに作り出せるのは、現状ではソニーだけかも。 ■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/160秒) マイナス2.0露出補正 ISO640 WB:オート ※クリエイティブルック:BW

モノクロも結構良い。こうした掠れた感じをカメラ側の設定でカンタンに作り出せるのは、現状ではソニーだけかも。
■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/160秒) マイナス2.0露出補正 ISO640 WB:オート ※クリエイティブルック:BW

それでもボディ内RAW現像はナシ。どんな「信念」なんだ??

画像: 実際には輝度差が凄かったので、ハイライトがズドンと飛ぶかな? と思ってましたが、かなり上手くダイナミックレンジのコントロールが出来ていますね。フジで言うところのDR200%くらいが常時動いてる感じって言えば、フジユーザーなら「おお、やるね」と共感が得られるのでは? ■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/125秒) マイナス0.7露出補正 ISO160 WB:オート ※クリエイティブルック:ST

実際には輝度差が凄かったので、ハイライトがズドンと飛ぶかな? と思ってましたが、かなり上手くダイナミックレンジのコントロールが出来ていますね。フジで言うところのDR200%くらいが常時動いてる感じって言えば、フジユーザーなら「おお、やるね」と共感が得られるのでは?
■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/125秒) マイナス0.7露出補正 ISO160 WB:オート ※クリエイティブルック:ST

これまでソニーのAPS-C機に対して「グリップが合わない」とか「EVFの覗き心地が悪い」など、諸事情によりそれほど心躍ることがなかった筆者であった。が、α6700には感心させられるところが多く、カメラの道具としての質感がグッと良くなったことが大きい。

加えて画作りについても大きく進化したという印象を得ており、「クリエイティブルック」がかなり良い仕事をしてくれている。
にも関わらず、不思議なのは相変わらずボディ内RAW現像ができないこと。ここまで来ると、もはやその意志は無いのだろうとも考えられる。

画像: 新納さんの作風を意識してパチリ。事務的にならずに色々試したくなるカメラで撮影が楽しい。高性能が人の邪魔をしない制御になってるってのが良いね。 ■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/800秒) マイナス1.0露出補正 ISO125 WB:オート ※クリエイティブルック:ST

新納さんの作風を意識してパチリ。事務的にならずに色々試したくなるカメラで撮影が楽しい。高性能が人の邪魔をしない制御になってるってのが良いね。
■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F5.6 1/800秒) マイナス1.0露出補正 ISO125 WB:オート ※クリエイティブルック:ST

カメラJPEGでソコソコ良い感じの写真が撮れた時に、RAW現像でさらに追い込んでやろうとすると、上手く再現出来ずに四苦八苦しそうなので、その辺りのケアもやって欲しいのだが…。

ともあれ、本機は「条件を選ばず撮影者の情熱を具現化してくれるカメラ」ということでは最高峰のカメラと言っても過言ではない。それくらいに自動化の性能が優れ、操作性についても改善されたことが印象的であった。あとはEVFだけ。でもこのサイズ感を維持するためのトレードオフと思えば…その我慢は苦にならないレベルでもある。
ってことで、ソニーさん、やり過ぎだぞ。

画像: 1/30秒で片手でヘンな体勢でテキトーに撮りましたが、シッカリ止まっています。ちゃんとスペック通りの手ブレ補正性能が出てるので安心。 ■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F3.5 1/30秒) プラス1.7露出補正 ISO125 WB:オート ※クリエイティブルック:FL

1/30秒で片手でヘンな体勢でテキトーに撮りましたが、シッカリ止まっています。ちゃんとスペック通りの手ブレ補正性能が出てるので安心。
■E 18-135mmF3.5-5.6 OSS 絞り優先AE(F3.5 1/30秒) プラス1.7露出補正 ISO125 WB:オート ※クリエイティブルック:FL

画像: それでもボディ内RAW現像はナシ。どんな「信念」なんだ??

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