新生・OMデジタルソリューションズとしてリリースされた3本の「プロ」レンズのひとつ=M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mmF4.0 PRO。オリンパス時代には同じズームレンジでF2.8通しのPROレンズが存在しておりました(いまもあるけど)。そう、あの三脚座もついたちょっとゴツいやつ。それが、開放絞り一段違うだけでこんな小さくなっちゃうの?とビックリなほどに小型化されました!

M.ZIKO DIGITAL ED 40-150mmF4.0 PRO 主な仕様

画像: M.ZIKO DIGITAL ED 40-150mmF4.0 PRO 主な仕様

●焦点距離:40-150(35ミリ版換算80-300mm)
●最短撮影距離:0.7m
●最大撮影倍率(35mミリ版換算):ワイド:0.07(0.13)倍/テレ:0.21(0.41)倍
●レンズ構成:9群15枚
●最小絞り:F22
●絞り羽枚数:7枚
●フィルターサイズ:φ62mm
●大きさ・重さ:φ68.9×99.4mm・382g
●付属品:フード

ここまでコンパクトな望遠ズームはM4/3ならでは!

画像: 沈胴を伸ばして撮影状態に専用フードを装着するとレンズの長さはマウント位置から約170ミリの長さ。

沈胴を伸ばして撮影状態に専用フードを装着するとレンズの長さはマウント位置から約170ミリの長さ。

画像: レンズを収納してフードを逆着けした最も短い状態では標準ズーム並みのボリューム感。レンズ付け根の刻印(トップの製品写真参照)とレンズキャップとフードの文字はOLYMPUSからOM SYSTEMへ。

レンズを収納してフードを逆着けした最も短い状態では標準ズーム並みのボリューム感。レンズ付け根の刻印(トップの製品写真参照)とレンズキャップとフードの文字はOLYMPUSからOM SYSTEMへ。

鏡筒は標準ズームレンズ並の存在感。さらに382gと軽量かつコンパクトに収まっていて、F値固定の300ミリ相当ズームでは世界最小最軽量のズームレンズだとか(記事執筆時)。まぁ、いくら他メーカーのフルサイズ機用レンズが極太重量級路線から小型軽量化にシフトしつつある今日とはいえ、ここまで小さくするのは無理てなもんでしょう。

そのダウンサイジングと軽量化を実現したのは、未使用時には短く縮めて収納できる沈胴機構と、撮影時のズーミングでも鏡筒全長が変化しないインナーズーム方式採用の合わせ技でしょう。

さらに高屈折率のHRレンズ、特殊低分散ガラスや非球面レンズなどを効果的に配した9群15枚の新開発光学設計により、PROレンズの一員として通用する描写力も達成。
実際、オリンパス時代から定評のあるシャープな描写を継承してはいるけど、カリっとし過ぎないイイ感じ。開放絞りでも十分に満足できる画が撮れました。

画像: ズーム両端での最短撮影距離での比較。どちらもピント位置は気持ちの良いくらいにシャープな描写。150ミリ側(画像右)はマクロレンズと呼んでも良いレベル。ズーム全域で0.7mの近接撮影が可能なので、被写体の大きさや環境、そして仕上がりイメージに応じてズーム操作をすることでテーブルフォトやガーデンフォトなどにもじゅうぶんな適応力を有している。

ズーム両端での最短撮影距離での比較。どちらもピント位置は気持ちの良いくらいにシャープな描写。150ミリ側(画像右)はマクロレンズと呼んでも良いレベル。ズーム全域で0.7mの近接撮影が可能なので、被写体の大きさや環境、そして仕上がりイメージに応じてズーム操作をすることでテーブルフォトやガーデンフォトなどにもじゅうぶんな適応力を有している。

下位互換?廉価版?いえいえ、そんなことはマッタクございません!!

画像: 子羊が可愛く振り返った瞬間を150㎜(300㎜相当)で。逆光気味の光線によりピンク色に透けて耳とその周りをフチどる毛もしっかり階調を再現できている。背景のボケも自然。 撮影共通データ:OMシステム OM-1(以下共通) ■絞り優先AE(F4.0) プラス0.7露出補正 WB:オート ISO200

子羊が可愛く振り返った瞬間を150㎜(300㎜相当)で。逆光気味の光線によりピンク色に透けて耳とその周りをフチどる毛もしっかり階調を再現できている。背景のボケも自然。
撮影共通データ:OMシステム OM-1(以下共通)
■絞り優先AE(F4.0) プラス0.7露出補正 WB:オート ISO200

画像: 画像左はズーム中間近くの66㎜。右はほぼ同じ撮影位置から150㎜(300㎜相当)にズームアップ。逆光線だが輝度差のあるエッジ部分に出やすい色収差も良好に補正されていて、背景のボケ味も嫌味がないからズーム全域でスポーツやネイチャー、遠くの被写体だけでなくポートレートにも使えるレンズです。 ■絞り優先AE(F4.0) WB:オート ISO200

画像左はズーム中間近くの66㎜。右はほぼ同じ撮影位置から150㎜(300㎜相当)にズームアップ。逆光線だが輝度差のあるエッジ部分に出やすい色収差も良好に補正されていて、背景のボケ味も嫌味がないからズーム全域でスポーツやネイチャー、遠くの被写体だけでなくポートレートにも使えるレンズです。
■絞り優先AE(F4.0) WB:オート ISO200

そうはいっても、このテのズームは思ったほど被写体に寄れなかったり、ボケ味もそれなりなんでしょ?ただでさえボケにくいセンサーなんだから…なんて疑いながら近接撮影を試してみると、、、寄れる寄れる!
ズーム全域で最短0,7mって、F2.8PROと同じではないですか。しかも華奢な印象はなく、シリーズ共通の金属のしっかりした作り込みでガタつきもない剛性の高さも感じられる。

画像: ワイド端で近い位置からのアップ。細い毛1本もしっかり解像しながら硬くなり過ぎない質感描写で立体感も感じられる。背景ボケはやや二線ボケの傾向はあるが、ほとんど気になりません。 ■絞り優先AE(F4.0) プラス0.7露出補正 WB:オート ISO200

ワイド端で近い位置からのアップ。細い毛1本もしっかり解像しながら硬くなり過ぎない質感描写で立体感も感じられる。背景ボケはやや二線ボケの傾向はあるが、ほとんど気になりません。
■絞り優先AE(F4.0) プラス0.7露出補正 WB:オート ISO200

画像: 40㎜(80㎜相当)の遠景。絞り開放でも光量は周辺までほぼ均一だが、ややシャープネスは甘めな印象もあるので風景撮影などの用途では、可能なら1段ないし2段くらい絞って撮影した方が解像感も上がり良好な画が得られます。 ■絞り優先AE(F4.0) WB:オート ISO200

40㎜(80㎜相当)の遠景。絞り開放でも光量は周辺までほぼ均一だが、ややシャープネスは甘めな印象もあるので風景撮影などの用途では、可能なら1段ないし2段くらい絞って撮影した方が解像感も上がり良好な画が得られます。
■絞り優先AE(F4.0) WB:オート ISO200

一般的なズームレンズより構造は少々複雑だけど、しっかり防塵防滴性能もありマイナス10度の耐低温性能も合わ持つ頼もしさ。単なる廉価版ではござんせん、御見それいたしました。

沈胴機構ゆえ、使う前にはズームレンズをくいッと一捻りしてレンズを伸ばすお作法があるけれど、これだけ小さく収まるなら上着のポケットに入る望遠ズームといったところ。さらに、標準ズームや他のレンズを装着したボディとの2台体制にも都合が良いレンズと思いました。
OMDSのこの方向、間違っていませんね。

画像: F2.8仕様と比べて唯一のネックはテレコンバーター非対応なので、必要に応じてトリミングの出番となる。作例はオリジナルから2604×1953ピクセル(約1/4の範囲)をクロップしたもの。WEBやSNSでの公開などモニターレベルでの鑑賞では何ら問題のない画質です。 ■絞り優先AE(F4.0) マイナス0.3露出補正 WB:オート ISO200 ※トリミング

F2.8仕様と比べて唯一のネックはテレコンバーター非対応なので、必要に応じてトリミングの出番となる。作例はオリジナルから2604×1953ピクセル(約1/4の範囲)をクロップしたもの。WEBやSNSでの公開などモニターレベルでの鑑賞では何ら問題のない画質です。
■絞り優先AE(F4.0) マイナス0.3露出補正 WB:オート ISO200 ※トリミング

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