フルサイズ用LUMIXの単焦点レンズ「F1.8シリーズ」の大口径広角レンズ「LUMIX S 24mmF1.8」。PanasonicのLマウントレンズは、全体にズーム中心で広角系は「LUMIX S PRO 16-35mm F4」「S 20-60mm F3.5-5.6」などがあるが、その中でこの「24mmF1.8」は、明るさやボケを活かせるという意味で貴重なポジションのレンズといえる。

LUMIX S 24mm F1.8 主な仕様

画像: LUMIX S 24mm F1.8 主な仕様

●焦点距離:24mm
●最短撮影距離:0.24mm
●最大撮影倍率:0.15倍
●レンズ構成:11群12枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:9枚(円形絞り)
●フィルターサイズ:φ67mm
●大きさ・重さ:φ73.6×82.0mm・約310g
●付属品:フード/キャップ

Lマウントアライアンスとしては無難な存在か

画像: 「F1.8シリーズ」らしく、外観上の違いはほぼ側面の焦点距離表示のみ。サイズや重さ、操作性はきちんと統一されている。

「F1.8シリーズ」らしく、外観上の違いはほぼ側面の焦点距離表示のみ。サイズや重さ、操作性はきちんと統一されている。

このレンズは同社の「単焦点F1.8シリーズ」4兄弟の一本であり、外観や操作性を統一したシリーズ。
これにより、静止画撮影時にレンズを変えても操作感が変わらないというメリットがある。さらに動画撮影時には、リグやジンバル装着時、またドローン搭載時でもレンズ交換時にサイドバランスを取り直したりする手間が省けるという大きなメリットが生まれる。

逆にいえば外観や重さが各レンズに最適化されているわけではないので、個性が失われ、モノとしての魅力が削がれる部分もある。このあたりは評価が分かれるところ。
だがLマウントアライアンスの場合、必要に応じてライカはもちろんシグマのレンズをも使えるので、適材適所で使い分けるという考え方もあるだろう。

レンズフードはロック付き。効果も高く、肩から提げて持ち歩いても外れる心配もない。

使い勝手は「兄弟で共通」です

画像: 24mmF1.8としてはリーズナブルなサイズ。重さは310gと35mmや50mmよりわずかに重いが、誤差の範囲。

24mmF1.8としてはリーズナブルなサイズ。重さは310gと35mmや50mmよりわずかに重いが、誤差の範囲。

さて、この「LUMIX S24mmF1.8」だが、いい意味でバランスの取れた大口径広角レンズといえる。外観は4兄弟に共通したもので、最大径73.6mm、全長約82.0mm、フィルター径も67mmに統一されている。

もちろん、フォーカスリングやAF/MF切替スイッチの位置も同等。さらに重さも310gとほぼ同等。そのため35mmや50mmと一緒に持ち歩くと、フードを装着していない限り、ほぼ見分けがつかない。

一方、純粋に24mmF1.8と考えると、やや大きめではあるが結構リーズナブルな大きさに仕上がっており、軽量で気軽に持ち歩けるレベル。ホールド感や操作感もよく、使っていて安心感がある。

画像: 絞り開放での撮影だが、解像力・コントラストともに十分。厳密に見ると、四隅の点光源にわずかなコマ収差が見られるが、さほど気にならないレベル。 ※撮影共通データ:パナソニック LUMIX S1R/S5 絞り優先AE(F1.8) WB:オート ■ISO1600

絞り開放での撮影だが、解像力・コントラストともに十分。厳密に見ると、四隅の点光源にわずかなコマ収差が見られるが、さほど気にならないレベル。
※撮影共通データ:パナソニック LUMIX S1R/S5 絞り優先AE(F1.8) WB:オート 
■ISO1600

使うなら「シリーズ」として所有すべき?

画像: 最短撮影距離は24cmとまずまず。至近距離でも十分な描写で、前後のボケもクセが少なく自然な印象。 ■プラス1.0露出補正 ISO1600

最短撮影距離は24cmとまずまず。至近距離でも十分な描写で、前後のボケもクセが少なく自然な印象。
■プラス1.0露出補正 ISO1600

画像: 至近距離でも周辺光量は比較的多く、周辺の点光源もこれくらいのボケで収まる。ただ、ボケの輪郭に若干色滲みが見られた。 ■プラス0.3露出補正 ISO1600

至近距離でも周辺光量は比較的多く、周辺の点光源もこれくらいのボケで収まる。ただ、ボケの輪郭に若干色滲みが見られた。
■プラス0.3露出補正 ISO1600

描写性能は良好。絞り開放F1.8から解像力・コントラストともに十分。このF1.8シリーズは描写性まで統一したというが、カリカリした神経質な感じではなく、動画系にはむしろ使いやすい印象。

絞り開放で夜景の点光源を撮ると周辺部でわずかにコマ収差が見られるが、厳密なシーンでない限り気になることはないだろう。
ボケは前後ともあまりクセがない。フルサイズの24mmといえども、開放での至近距離では結構ボケるわけだが、そんなシーンでもボケを活かした立体感のある描写を楽しめるレベルだ。

画像: 結構暗いシーンだが、波を止めたかったので、あえてF1.8開放で撮影。等倍拡大してみても、解像力は十分で安心できるレベル。 ■ISO1600

結構暗いシーンだが、波を止めたかったので、あえてF1.8開放で撮影。等倍拡大してみても、解像力は十分で安心できるレベル。
■ISO1600

画像: 意外に意地悪なシーンだが、いずれの質感もきちんと再現されており、安心感のある。歪曲収差は感じられない。 ■ISO100

意外に意地悪なシーンだが、いずれの質感もきちんと再現されており、安心感のある。歪曲収差は感じられない。
■ISO100

正直なところ、際立った個性はないが、安心して使える、十分優秀なレンズといえる。とはいえ、やはりこのレンズは他の「F1.8シリーズ」と一緒に使ってこそ本領が発揮できるレンズという感じだ。

画像: 使うなら「シリーズ」として所有すべき?

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