昨今、各社から投入されるミラーレス上位機が「けっこうなお値段」ということもあり、なぁーんか相対的に「身近」になった感のあるライカ。そう、無理すれば買えないこともなくもない…(買わないけど)。ということで、今さらライカ/今からライカ。最新機種であるライカ M11を河田一規氏がレビューしますー。 

で、ライカ M11は「買い」なのか??

画像: APOズミクロン35mmと6030万画素の描写はあまりにも細かいところまで解像しており、驚きを通り過ぎて思わず笑っちゃうほど。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F2) ISO64 WB:オート

APOズミクロン35mmと6030万画素の描写はあまりにも細かいところまで解像しており、驚きを通り過ぎて思わず笑っちゃうほど。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F2) ISO64 WB:オート

画像: 高画素化されたのでレンジファインダーによるピント合わせが大丈夫なのか不安に感じている人も多いだろうが、意外によく合う印象で不満は感じなかった。ただ、90mmF2とか50mmF0.95のような大口径を開放で近距離撮影するような場合は素直にライブビュー撮影に切り換えた方が精度は担保される。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F2) ISO64 WB:オート

高画素化されたのでレンジファインダーによるピント合わせが大丈夫なのか不安に感じている人も多いだろうが、意外によく合う印象で不満は感じなかった。ただ、90mmF2とか50mmF0.95のような大口径を開放で近距離撮影するような場合は素直にライブビュー撮影に切り換えた方が精度は担保される。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F2) ISO64 WB:オート

ライカM8の登場から16年が過ぎ、デジタル化されたM型としては5代目となるライカM11。日本メーカーの各機種と比べて機能的な進化は少ないものの、撮影する写真のスタイルによっては高機能であることが必ずしも正義ではないのも確かなわけで、こういうスタンスのカメラが世界で1機種くらいあってもいいじゃんと心の底から思う。

そしてやっぱり感心してしまうのは機械的な作りの良さだ。たとえばバッテリーをイジェクトするレバーのカッチリとした操作感などは、同様の機構を先行搭載しているライカTLやライカSLと同じく官能的ですらある。

画像: デジタルのM型ライカは撮影時の絞り値をボディが認識する機能がないため、Exif情報に書き込まれるF値は外部測光センサーを活用した「想像値」になる。この点はM11も同じで、実際に撮影に使ったF値とは少々異なるF値がExifに書き込まれることが多い。もちろん、大幅に異なるわけではないんだけど。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F4) ISO64 WB:オー

デジタルのM型ライカは撮影時の絞り値をボディが認識する機能がないため、Exif情報に書き込まれるF値は外部測光センサーを活用した「想像値」になる。この点はM11も同じで、実際に撮影に使ったF値とは少々異なるF値がExifに書き込まれることが多い。もちろん、大幅に異なるわけではないんだけど。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F4) ISO64 WB:オー

画像: 今回はEVFのビゾフレックスが無かったのですべてレンジファインダーによる撮影だが、あらかじめ目測で大体の距離をピントリングにセットし、ファインダーを目に当てたらすかさずピントを追い込み、シャッターを切るという流れがとにかく楽しい。ずっと撮っていたくなるカメラだ。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F5.6) ISO800 WB:オート

今回はEVFのビゾフレックスが無かったのですべてレンジファインダーによる撮影だが、あらかじめ目測で大体の距離をピントリングにセットし、ファインダーを目に当てたらすかさずピントを追い込み、シャッターを切るという流れがとにかく楽しい。ずっと撮っていたくなるカメラだ。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F5.6) ISO800 WB:オート

また、ボタン類の操作部材が極限まで少ない、無駄が全くない操作系も個人的に大好きだ。M10で唯一ネガティブに感じていた重さに関してもブラックボディでは解決されているし、そこかしこに代を重ねたゆえの完成度の高さが感じられる。

ピクセルビニングによるレンジ拡大が現時点で実効性を感じられないは残念だが、M11は通常時のダイナミックレンジが充分に広いので、それはあくまでも付加的な期待機能とも言える。

画像: M11の特徴のひとつである光学ファインダー時の撮像素子による測光だが、そもそもTyp240では撮像素子測光と測光センサーの切り替え式だったのが、その次のM10では測光センサーオンリーになったという経緯がある。撮像素子で測光すると被写体の色が正確に認識できる=反射率を考慮できるため、理論的には測光精度は上がるはず。ただ、この廃墟を撮った時は無補正だとかなりオーバーになってしまい、かなり大胆なマイナス補正が必要だった。個人的にM型ライカはマニュアル露出の操作性が抜群なので、大幅に露出を変えたい場合は露出補正ではなくシャッターダイヤルを回してマニュアル露出に移行することが多い。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. マニュアル露出(F5.6、1/125秒) ISO64 WB:オート

M11の特徴のひとつである光学ファインダー時の撮像素子による測光だが、そもそもTyp240では撮像素子測光と測光センサーの切り替え式だったのが、その次のM10では測光センサーオンリーになったという経緯がある。撮像素子で測光すると被写体の色が正確に認識できる=反射率を考慮できるため、理論的には測光精度は上がるはず。ただ、この廃墟を撮った時は無補正だとかなりオーバーになってしまい、かなり大胆なマイナス補正が必要だった。個人的にM型ライカはマニュアル露出の操作性が抜群なので、大幅に露出を変えたい場合は露出補正ではなくシャッターダイヤルを回してマニュアル露出に移行することが多い。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. マニュアル露出(F5.6、1/125秒) ISO64 WB:オート

画像: ライカで何度となく撮影したお気に入りの錆び錆び被写体。等倍で見ると恐ろしいくらい解像していて6030万画素の威力をまざまざと感じる。ローパスレスということもあって、等倍で見たときの像質にまったく曖昧さがないのもすごい。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F5.6) マイナス0.7露出補正 ISO64 WB:オート

ライカで何度となく撮影したお気に入りの錆び錆び被写体。等倍で見ると恐ろしいくらい解像していて6030万画素の威力をまざまざと感じる。ローパスレスということもあって、等倍で見たときの像質にまったく曖昧さがないのもすごい。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F5.6) マイナス0.7露出補正 ISO64 WB:オート

結論を言えば、ライカ好きであればこのM11は間違いなく「買い」なカメラだと思う。購入を躊躇させる唯一の問題はやはり税込み118万8000円という決して安いとはいえないその価格だろう。

M8の発売当初価格が50万円代だったのを考えるとほぼ倍増しているわけで、ここは確実に敷居が高い。
もちろんライカはカメラとしては資産価値が高いので、仮に5年後くらいにM12が発売された時に売却したとしてもそれなりの価格が付くはずであり、その点はちょっとプラス材料だ。
過度な進化に踊らされることなく、ライカならではの撮影プロセスを楽しみたいという人はぜひ!

画像: 画像サイズを小さくしたときのDレンジ拡大効果は現時点では正直微妙だが、フル画素時の素のDレンジはかなり広い印象。このような輝度差が超大きい場合でもRAW現像時にハイライトとシャドーのトーンを思い通りにコントロールできる。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F5.6) マイナス2露出補正 ISO64 WB:オート

画像サイズを小さくしたときのDレンジ拡大効果は現時点では正直微妙だが、フル画素時の素のDレンジはかなり広い印象。このような輝度差が超大きい場合でもRAW現像時にハイライトとシャドーのトーンを思い通りにコントロールできる。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F5.6) マイナス2露出補正 ISO64 WB:オート

画像: カメラのモノクロモードではなくRAW画像現像時にモノクロ化したものだが、元々の階調再現がいいのでモノクロ化してもトーン再現はとても好ましい。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F8) ISO200 WB:オート

カメラのモノクロモードではなくRAW画像現像時にモノクロ化したものだが、元々の階調再現がいいのでモノクロ化してもトーン再現はとても好ましい。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F8) ISO200 WB:オート

画像: シルバーモデルより110g軽く、フィルムのM型並みに軽量化されたブラックボディの御利益は誰にでも実感できるレベル。カメラ開発者の世界では部品単体重量が30gあると「大モノ」と表現されるほどなので、110gの軽量化は超絶大きい。フィルムM型の感触を手が覚えている人ならM11を手にしたときに「ああ、これこれ」と思うはず。 ■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F2.8) ISO64 WB:オート

シルバーモデルより110g軽く、フィルムのM型並みに軽量化されたブラックボディの御利益は誰にでも実感できるレベル。カメラ開発者の世界では部品単体重量が30gあると「大モノ」と表現されるほどなので、110gの軽量化は超絶大きい。フィルムM型の感触を手が覚えている人ならM11を手にしたときに「ああ、これこれ」と思うはず。
■APO-SUMMICRON-M F2.0/35mm ASPH. 絞り優先AE(F2.8) ISO64 WB:オート

This article is a sponsored article by
''.