仮に誌面に掲載するとほぼ半ページを専有…これって、もはや座談会じゃないよね。

Round 2 Nikon (day2)

山田:カメラっていろんな考え方がある。プロフェッショナルな道具として、つまり最先端という意味では、8kや4k120p、さらに秒20コマとかがあって、それらはイヤでも目に留まる。もちろん、それが必要な人もいるだろうし、進化が止まってしまったら面白くもなんともない。
でもその部分は、ソニーとキヤノンの2社で争ってくれれば僕はいいと勝手に思っている。ニコンはそこに参戦できる段階になったら参戦する、という形かな。最近のニコンについて僕が思っているのは、どうやらニコンは普通の人がカメラをどうやって楽しむのか、っていう方向に舵を切ったような気がしている。それほど高価じゃないけど、普通の値段で買えるんだけど中身は結構いいよ、というカメラ。極論しちゃうと、最終的な写りそのものはだけではない魅力のようなもの。
たとえば、EVFを覗いたときの見え味っていうのは、リアルな体験じゃないですか。気持ちの良いEVFであれば撮ってる瞬間から、もうすでに楽しい。ニコンはその辺を意識しはじめていると僕は思っているのね。これまで通りの対キヤノン、対ソニーという面もあるんだろうけど、そうじゃない部分も重視してるのかなって。
スマートフォンで写真が楽しくなって、もっと本格的に写真を始めたい、と思った人たちに結果だけを提示するのではなく、撮っている時の楽しさ、リアルタイムの貴重な経験をプロデュースする、って言っていいのかな。
これなら簡単に撮れますよ、でも愛せないカメラなんです、というのだと仕事で使う人やスペック重視の人たちに対してのメッセージとしてはありだけど、新たに写真に目覚めた人たちへのメッセージとしては弱いと思う。だってオレ8kいらないもんって言われたらそれで終わりだから。
それよりも、まずファインダーを覗かせる。そもそも、ファインダー覗く行為自体がスマートフォン世代にはないから。そこでファインダー越しの世界を見てもらう、あとはシャッターを切ったときの感触とか…。こうした感覚的な価値の方向に向かってゆくのかなって気はしているんですよ。すべては僕の勝手な思い込みかも知れないけどね。
このあとシグマの話にもなるけど、シグマとかパナソニック、それこそライカなんて究極のそっち側だと僕は思っている。でもってそのグループに、ニコンも半分入り始めているような気がする。それってある意味、戦わなくていいわけだから。それこそ8k30pをEOS R5がやってきたら、ソニーは8kの60pをやらなきゃいけない。そうやってずっと戦っていかなきゃいけない。競争だから。
でもそれじゃない評価基準があってもいいはずだし、ニコンがそこに加わるのは決して悪いことではないと思う。
編集部:…あまりに長いので、特別に行替えしておきました。
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