低照度時でAF性能の改善を実感!
今回の最新ファームアップは「低照度-5EVの環境下でも高速・高精度な位相差AFを実現」とのこと。作例では町の雰囲気を活かしたかったので、ライトを使わず、街灯のみで撮影をしている。既存のファームでは夜間撮影時にAFが少し遅くなる印象があったが、今回劇的に変わったと感じた。
最新ファームアップでは確かに「高速かつ精度の高いAF性能」を発揮し、日中と変わらない感覚で気持ちよく撮影ができた。今回の改善により、スタジオ撮影においてもストレスを感じることなく撮影を実現できると思う。そして「従来よりも自由に、様々なイメージを撮影しやすくなる」と期待が持てるファームアップであることは間違いない。
顔・瞳認識、AF性能の向上も嬉しい。
今回のファームアップでは顔・瞳認識機能がすこぶる改善されている。顔を捕捉する角度や範囲が広がり、顔の可動域全域で瞳を認識し撮影することができた。
そして認識速度のみではなく、顔・瞳認識のAFの精度が非常に良くなっている。全身が写る引き画でもしっかりと瞳認識をし、高速かつピントの食いつきがいいため、テンポよく撮影することができる。前ボケを活かした撮影時にも、しっかりと瞳を認識して撮影ができた。
今回のすべての作例が顔認識ON/瞳認識Autoで撮影をしていたが、どの作例でもしっかりと瞳認識をしてくれた。AF設定をAF-Cにしてテストすると、モデルの前後左右の動きにも俊敏に反応をして高速でピントを合わせてくれるので、動きのあるポートレートでも良好の結果が期待できそうだ。
今回のファームウエアアップデート、どこがスゴイのか?
富士フイルム「GFXシリーズ」は35mmフルサイズより70%大きいラージフォーマットセンサー(対角線55mm、横43.8mm×縦32.9mm)による圧倒的な解像力と、同社が80年以上にわたり蓄積した色再現技術で、初代「GFX 50S」の登場以来、多くのプロフェッショナルに選ばれてきたハイエンドカメラシステムだ。
1億200万画素を誇るフラッグシップ機であるGFX100、そして5140万画素のGFX 50R、GFX 50 Sの3機種において、今回の史上最大級のファームウエアアップグレードにより、画質・オートフォーカス・拡張性において大幅に進化を遂げ、まったく新しいカメラに生まれ変ったという。
主な改善点の内容
1.富士フイルム独自の色再現による卓越した画像技術を拡充。
2.オートフォーカス性能の改善。
「GFX100」において、低照度-5EVの環境下でも高速・高精度な位相差AFを実現。また「GFX 50S」、「GFX 50R」においてもAF時の露光時間を延ばすことで暗時のAF精度を向上させる「AF-S時低輝度優先AF」モードを新たに追加。
3.顔・瞳認識の改善(3モデルすべて)
4.USB通信による動画撮影の制御がジンバル・ドローンから可能に。
5.PC上から静止画撮影の露出条件(シャッタースピード、絞り、ISO感度、露出補正)を設定変更することが可能に。
6.カメラ内で付与したレーティング情報が読み取れる編集ソフトが増えた。
7.SDカードの1フォルダあたりの保存枚数が999から9999へ増加。
8.ATOMOS社製HDMIフィールドモニター/レコーダー 「NINJA V」への動画RAWデータ出力が可能になった。(GFX100のみ)