フィルムからデジタルへ。カメラの仕組みが大きく変わり、驚くほど多機能で高性能になった。それを表現の手段として使いこなすには、ユーザー自身の知識もより必要になったことは言うまでもない。そのためもあって写真愛好家の多くは、日夜カメラや写真関連の本、インターネットなどのチェックを欠かすことがなく、さらにメーカーや著名写真家などが主催する撮影セミナーに足繁く通う人も少なくないと聞く。しかし、そうやって会得した自分のカメラ・写真に関する知識が実際どの程度のレベルなのか、あるいは見落としている知識やテクニックなど無いのか、大いに気になるところだろう。そのようなとき良き指針となるのが“フォト検”こと「フォトマスター検定」だ。

フォトマスター検定ってどんな資格?

フォトマスター検定は公益財団法人国際文化カレッジが主催する民間資格である。本年で17年目を迎える歴史ある検定で、これまでの受験者数はのべ9万人以上を数える。しかも検定には国内の有力カメラメーカー、カメラアクセサリーメーカー、カメラ媒体(雑誌)、印刷会社など20を超える企業、編集部が協賛。さらに民間資格ながら文部科学省が後援を行っており高い格式と信頼性ある資格としている。そのためカメラ量販店やカメラメーカーなどでは社員にこの検定を受けさせ、名刺やネームホルダーなどに資格保有者であることをアピールしているところも少なくない。正確な知識を持ち合わせていることをアピールするにはこれ以上の資格はないと言ってよいだろう。

受験のために準備すること

フォトマスター検定の大きな特徴が、習得レベルに応じて4段階に分かれていることだ。一番下位で初歩的な出題となる3級、その上でより難易度の高い2級、さらにその上の準1級、そして最難関で検定最上位の1級とする。検定ではどの級からでも受験することはできる。さらに
連続する2階級に限って同日のダブル受験が可能。3級と2級、2級と準1級、準1級と1級の組み合わせで受験することができる。例えば、今フォトマスターの級を持ち合わせていなくても、今年3級と2級に受験・合格すれば、来年準1級と1級が受験できるため、最短2年で
フォトマスター検定を完結することができるのである。

気になるのはどの級を受ければ良いか、また試験の内容や傾向、出題のレベルとなることだろう。さすがにぶっつけ本番で受験する人はいないと思うが、確実に合格するためにも、試験費用を無駄にしないためにも、やはり事前の勉強は必要不可欠。これまでの試験に出た問題をまとめた問題集が主催する国際文化カレッジといくつかの出版社から発売されているのでそれを参考にするのが王道と言える。いずれも分かりやすく解答を解説しているので、出題の内容や傾向、レベルを知ることができるほか、同時に写真・カメラに関する知識も身につくことは言う間でもない。何より自分の実力が分かるため、受験する級も見極めやすい。何はともあれ、輝かしい合格のためには問題集を手に入れ、それに沿って勉強する必要があるのだ。

画像: 左が「フォトマスター検定公式テキスト」すべての級に対応している 右は「過去問題の解答と解説」

左が「フォトマスター検定公式テキスト」すべての級に対応している
右は「過去問題の解答と解説」

試験会場については、各都道府県に原則として一箇所ずつ設けられる。しかも住所の都道府県と関係なくどこの試験会場でも受験できるので、当日都合のよい会場を選択するようにしたい。また、グループ、企業、学校などで5名以上の出願者を取りまとめることが可能の場合、団体受験として自分たちの会社の会議室や学校の教室を受験会場とすることもできるので、仲間を誘っていっしょに受験するのもよいだろう。

ちなみに昨年2019年度フォトマスター検定ではのべ4,474人が受験。合格率は、3級83.41%、2級72.68%、準1級49.12%、1級50.10%と言う結果であった。1級や準1級の合格率については、その難易度の高さから合格率が低いのは当然と言えるが、2級で受験者4人に1人が、3級でも10人に1人以上の受験者が不合格となっており難しい検定だと言えるだろう。受験する際は、前述したように過去問題集などでしっかりマスターしておく必要があることは述べるまでもない。もちろんこの難関を突破すれば栄えあるフォトマスターとして認められるとともに、その証としてフォトマスター認定カードが主催する公益社団法人国際文化カレッジより交付される。ぜひとも自分のカメラ・写真の知識を確固たるものにし、この名誉を勝ち取ってもらえればと思う。

フォトマスター検定合格者の声

前回、第17回検定で合格され「成績優秀合格者表彰」を受けられた一部の方々の、『フォトマスター検定を受験されたきっかけ』を紹介いたします。
 

◇3級 優秀個人賞  加藤 健一さん
「写真についてはある程度自信が持てるようになったので、自分のレベルがどのくらいなのか確認するため受けました」

◇3級 優秀個人賞  安田 美絵子さん
「写真は今もよく撮っていますが、カメラの知識があいまいなのが気になり、自分のカメラ知識がどのくらいなのか確認するため受けました」

◇2級 最優秀個人賞  大平 昌宏さん
「カメラ販売に従事することとなり、お客様に商品の楽しさを伝えるため、受験の勉強を通して自分のスキルアップを計り、自分のスキルレベルを説明できる、客観的な基準が欲しかった」

◇2級 優秀個人賞  藤原 美楽さん
「高校時代写真部に所属し、カメラを持つようになって5年目、これまで身に付けた知識を確かめ、またさらなる知識を身に付けるため受験しました」

◇2級 優秀個人賞  武藤敏弘さん
「カメラに接して40年弱、趣味の範囲を超えてカメラとかかわりたく、検定の受験勉強で、知らない知識を身に付けたいと思い受験しました」

◇1級 最優秀個人賞  準1級 優秀個人賞 三好 優さん
「カメラの幅広い世界を体系的に学びたいと考え、検定受験の勉強を始めました」

今年の受験について

本年(2020年度)のフォトマスター検定試験日は11月15日(日)。本テキスト出稿日からカウントすると半年ほど時間的な余裕がある。いずれの級を受験するにしても検定のための過去問題集を開き、繰り返ししっかり学習すればきっと合格するはずだ。受験料に関しては下記の表のとおり。
今年から学校関連の団体受験で3級を受験する学生・生徒に限り、受験料を3,500円とする学割価格が設定される。中高生や大学の写真部、写真関連の大学学部、専門学校等の学生は要注目と言えるだろう。
受験申し込みは8月1日(土)から9月18日(金)まで。ぜひ己の写真力の証として前向きに受験を検討してみてほしい。

3級:4,500円(団体学割3,500円)
2級:5,700円
準1級:6,800円
1級:7,600円
*いずれも税込。

詳しくはこちらまで

解説:大浦タケシ

画像: 解説:大浦タケシ

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経て、フォトグラファーとして独立。以降、カメラ誌及び一般誌、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。2004年10月、フォトマスター検定EX取得。

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