月刊カメラマン2018年2月号から7月号にかけて、異なったジャンルのトップ写真家6人が、お気に入りの富士フイルムXFレンズを使用して作品を発表、気に入っている理由や使用感をレポートした。今回は2018年4月号に掲載した第3回「花×江口愼一」の記事を再掲する。

シャープなディテールにソフトなボケ味!
富士フイルム初の等倍撮影でマクロ表現者に最適!

画像1: シャープなディテールにソフトなボケ味! 富士フイルム初の等倍撮影でマクロ表現者に最適!

プリムラを俯瞰気味の角度から狙い、一番手前のつぼみに焦点を合わせて開放絞りで撮っている。この花のバックに咲くプリムラの花を色ボケとして捉え、同系色による色彩効果を活かした背景処理を施し、画作りしてみた。
■絞りF2.8 1/500秒
*共通撮影データ=X-H1 XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro 絞り優先AE  WB:太陽光  ISO400 フィルムシミュレーション:ベルビア *手持ち撮影 *京都府立植物園

画像2: シャープなディテールにソフトなボケ味! 富士フイルム初の等倍撮影でマクロ表現者に最適!

シネラリアの一輪を斜め横のアングルから撮影。花芯に焦点を合わせ手前の花びらを前ボケとして活かした。絞りF値を開放に設定して、よりソフトなボケ味が出るよう配慮しつつ、コクのある色調を求めマイナス補正を施した。
■絞りF2.8 1/1250秒 マイナス1.0露出補正 ISO400

あらゆるシチュエーションで使える汎用性が高い一本!

今回、富士フイルムの新型カメラX-H1とXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroを使用し、春の花々のマクロ撮影を行った。X-T2で富士フイルムのカメラの特性はおおよそ理解していたが、X-H1はその基本的なベースの部分は壊さず、新たに手ブレ補正と強度を加えたスペックが印象深い。

富士フイルムはそもそもフィルムメーカーという視点から、独自のスタイルにこだわったモノ作りが特徴的で、そのメインとなる機能がフイルムの色調描写を再現する『フィルムシミュレーション』機能。長年フィルムカメラを愛用していた者にとっては愛着を感じるし、デジタル化が進んだ今となっては懐かしさも覚える機能だ。

そしてカメラのデザインや操作性にもこだわりが感じられる。ややレトロ的とも思える外観デザインや、あくまでもダイヤル式を踏襲した操作性が特出している。また、そのコンパクトなボディは操作性にも優れているのは言うまでもなく、ファインダーの映像がそのまま最終的な画像として仕上がりのイメージを掴めるのもありがたい。

撮影者としてはファインダーの画面に集中しつつ、露出設定をチェックしたり補正値を変えたりして、その効果のほどを吟味することができる。

ことマクロ撮影に置いては、ほんの少しのピント位置や視点の違いで大きく作品のイメージが変わるし、露出補正によってもがらりと印象が異なるから、ファインダーの画像をとおした画作りに専念できるのは、より大切なポイントだ。

今回使用したXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroは、富士フイルムとしては初めて単体で等倍撮影が可能になったマクロレンズである。APS-Cなので35mm判に換算すると120mmの画角に相当する。仕上がりの印象としては、ディテールがとてもシャープであり、しかもソフトなボケ味が得られるという点。これはマクロ表現者としては願ったり叶ったりという性能だ。

90mm・100mmという中望遠マクロと180mmクラスの望遠マクロの中間的な位置取りが、その性能を引き出すひとつの要因になっている。ことに等倍撮影付近では、望遠系マクロのソフトなボケ味にも負けず劣らずの柔らかなトーンが得られつつ、ピントを合わせたポイントは実にシャープに描写できる。

また接写以外での撮影でも細部のディテールは緻密に捉えることが可能で、あらゆるシチュエーションの撮影にも使える汎用性の高い一本だ。

今回の撮影で使用したフジノンXFレンズとXシリーズ
XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro

画像1: fujifilm.jp
fujifilm.jp

●レンズ構成:12群16枚●絞り羽根枚数:9枚●最短撮影距離:25cm●最大径×長さ:Φ80×130㎜●重さ:750g●フィルター径:62㎜●実勢税込価格:12万7070円※

富士フイルム X-H1

画像2: fujifilm.jp
fujifilm.jp

●有効画素数:2430万画素●撮像素子:X-Trans CMOSⅢ●標準ISO感度:ISO200~12800●ボディサイズ:W139.8×H97.3×D85.5㎜●重量:約673g●実勢税込価格:25万4100円※

※実勢税込価格は2018年3月中旬の都内量販店のものです。レンズも同様です。

江口愼一
Shinichi Eguchi

画像: 江口愼一 Shinichi Eguchi

京都市生まれ。愛知県立芸術大学美術学部デザイン科卒業。約10年間のサラリーマン生活の後、写真家として独立。写真雑誌への寄稿やコンテストの審査、撮影会等のセミナーで活躍。個展・写真集・著書多数。江口愼一写真楽園主宰。
オフィシャルHP eguchi-shinichi.com

eguchi-shinichi.com

*掲載した記事は月刊カメラマン2018年4月号当時のものです。

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