山田 凌 写真展【拍動】。今回展示する「拍動」シリーズは、作者自身の中に日々揺れ動いている「心」を表現した作品群。山田氏はこれまで常にカメラを持ち歩き、閃きと同時に無意識的にシャッターを切ってきた、という。しかし、ある時からそれが全く出来なくなってしまった。ただ漠然と流れる時と抗うことができない自分自身に対して怒りが込み上げ嫌気がさしたとも述懐する。
そんな時、ある写真家に作品を見ていただき、「写真に勝るものはない訳だから写真で全てを伝えて欲しい」というアドバイスを貰い、作者自身の中で蠢いている感情を写真で表現しようと決意したという。制作の中で写真を選ぶことに最も重点を置き、これまで撮ってきた6年間のデータを見返し写真の裏側に想いが写り込んでいるかどうかを芯としてセレクトを重ねていった。
また、モノクロームで表現する事により色という情報を排除し、見せたい部分に焦点がいくように努めた。写真には時の感情が写ると考える。それは、コントロールをしようとしてもどうしても見えてしまうのではないだろうか。山田氏は、自分自身の中に揺れ動く「心」を写真...