2024年の9月にインプレ記事が公開されたFE 85mmF1.4 GMⅡについて…再インプレというか…α1 Ⅱと組み合わせたらどうなの? というのをやってみました……というのは苦しい言い訳で、要は担当編集者サマが間違って手配してしまった、というだけです。念の為、前回やってないモデルさんとか撮る? と確認したところ「否」という分かりやすいお返事でしたよ。

撮影共通データ:■ソニー α1 Ⅱ 絞り優先AE WB:オート

ソニー FE 85mm F1.4 GMⅡ 主な仕様

画像: ソニー FE 85mm F1.4 GMⅡ 主な仕様

●焦点距離:85mm
●最短撮影距離:0.85m(AF)/ 0.80m(MF)
●最大撮影倍率:0.11倍(AF)/ 0.12倍(MF)
●レンズ構成:11群14枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:11枚
●フィルターサイズ:72mm
●大きさ・重さ:φ84.7×107.3mm・約642g
●付属品:フード・ケース

「GM2」のコンセプトを明確にした一本!

本レンズについて簡単に説明すると、前身となるFE85mmF1.4 GMの登場から約8年の時を経て、約180gの軽量化(従来:820g → 新型:642g)と、最大径マイナス5mm(従来:89.5mm → 新型:84.7mm)のスリム化を実現しつつ同等以上の描写性能を達成。さらに、鈍重AFから快速AFへと進化を果たしました。

新旧の描写チェックなどは以前の記事に詳しく載っていますのでソチラをご覧ください。

従来型でも写りは十分良かったと思うけど、新型の方がよりスッキリって感じですが、写りの差はさしたる問題ではありません。トヨタからは、「AFの差が歴然としているので、従来型ユーザーは生半可な覚悟で新型には触れてはなりません」ということだけハッキリと忠告しておきたいと思います。

α1 Ⅱと組み合わせてみると、直前まで触っていたのがFE28-70mmF2 GMだったこともあって、かなり軽く感じられてそれだけでも気分が良い。このサイズなら持ち歩いても負担にならないぞ、という予感。

画像: 従来型は風でなびいてしまうとAFが追い付けずに行ったり来たりして快適に撮れなかったシーン。他の大口径単焦点レンズでも地味に不快なシーンですが、本レンズならヘッチャラ。大口径単焦点レンズ使ってるってこと忘れちゃいそうなくらいに快適。 ■絞りF1.4 1/100秒 プラス2.3露出補正 ISO100

従来型は風でなびいてしまうとAFが追い付けずに行ったり来たりして快適に撮れなかったシーン。他の大口径単焦点レンズでも地味に不快なシーンですが、本レンズならヘッチャラ。大口径単焦点レンズ使ってるってこと忘れちゃいそうなくらいに快適。
■絞りF1.4 1/100秒 プラス2.3露出補正 ISO100

ちなみに実際に1日中(朝8時台から18時過ぎまでウロウロ)持ち歩いてみたところ、ソコまで疲れませんでした。前回インプレ時にはα7CRと組み合わせたのだけれど、今回はよりグリップの大きなボディだったってことも疲労感低減に影響していると思います。これならスナップ用に持ち歩いても良さそう、という感がありました。

画像: 超高速シャッターが使えるってのは大口径レンズにとってとても嬉しいことです。ま、開放でこんな撮り方普通はしないと思うけれども、できるってことは素晴らしいね。開放から解像感はギンギンです。絞る必要性がないくらい。 ■絞りF1.4 1/26000秒 マイナス2.3露出補正 ISO100

超高速シャッターが使えるってのは大口径レンズにとってとても嬉しいことです。ま、開放でこんな撮り方普通はしないと思うけれども、できるってことは素晴らしいね。開放から解像感はギンギンです。絞る必要性がないくらい。
■絞りF1.4 1/26000秒 マイナス2.3露出補正 ISO100

画像: 口径食とか、点光源の感じとかのチェック。作例はナシだけど、開放よりちょっと絞った方がボケはキレイよ。「開放はボケてるだけ」っつーと怒られそうだけど、拘る人にとってはボケてりゃ良いってもんでもないからね。「開放だ!」って感じで使うのではなくて、それ以外の選択肢についても疑問を持って試してみると発見があると思います。 ■絞りF1.4 1/320秒 ISO100

口径食とか、点光源の感じとかのチェック。作例はナシだけど、開放よりちょっと絞った方がボケはキレイよ。「開放はボケてるだけ」っつーと怒られそうだけど、拘る人にとってはボケてりゃ良いってもんでもないからね。「開放だ!」って感じで使うのではなくて、それ以外の選択肢についても疑問を持って試してみると発見があると思います。
■絞りF1.4 1/320秒 ISO100

あとね、α7CRの時には、手に持ってプラプラ歩いているところからサッと構えようとすると、カメラがツルッと逝きそうな感覚があったのだけれども、α1 Ⅱと本レンズの組み合わせだと、そうしたヒヤリ・ハットが無いので心的疲労感が少ないってのもあるよね。

そんなα1 Ⅱ君ですが、FE28-70mmF2 GMとの組み合わせだと、構える時にポロリしそうな感覚があって、試用中には何度もドキリとしました。ストラップを使えって話ではありますが…ともあれ心臓に悪いから、もう少しナントカして欲しい感あります。

この「超絶AFレスポンス」を知ったら、前ボケどうたらなんて些事でしかない!

画像: トンデモネー精度で認識AFが動作してびっくりしました。可能性を大きく広げてくれる性能にメロメロになりそうです。一方で、こういうシーンだとボケが特別美しいって訳じゃないから、工夫して使いたいところ。 ■絞りF1.6 1/1250秒 プラス1.3露出補正 ISO100

トンデモネー精度で認識AFが動作してびっくりしました。可能性を大きく広げてくれる性能にメロメロになりそうです。一方で、こういうシーンだとボケが特別美しいって訳じゃないから、工夫して使いたいところ。
■絞りF1.6 1/1250秒 プラス1.3露出補正 ISO100

今回試用してみて少し気になったことは、鳩の作例のシーンみたいに高周波成分が多い条件だと前ボケが少し楽しくないこと。85mmF1.4というレンズの性格からすると、あまりやらない条件だとは思いました。

前回でも、前ボケに繰り返しパターン成分を写し込んだ時に「もうちょっとキレイだと良いな〜」と感じたのは事実で、これ以上を期待すると、きっとサイズやAFへの影響が大きいのだろうね。ということで、トヨタ的にはこのAFレスポンスを知ってしまった後では、描写特性の些細な部分について目を三角にしてツッコむほどの事ではないように思えました。

画像: 窓越しの照明をパチリ。ちょっと絞った方が描写が整うというか、なんだかキレイでスッキリした感あります。ま、好みの問題だと思いますけれども。 ■絞りF2.0 1/320秒 マイナス1.3露出補正 ISO100

窓越しの照明をパチリ。ちょっと絞った方が描写が整うというか、なんだかキレイでスッキリした感あります。ま、好みの問題だと思いますけれども。
■絞りF2.0 1/320秒 マイナス1.3露出補正 ISO100

普段ズームばかり使っている人であれば、本レンズやFE50mmF1.4Gみたいな大口径単焦点レンズを使ってみると、いつもの距離感で撮っていても絵変わりがあって面白いと思います。

ボケの使い方を学ぶ上でもF2.8〜4クラスの標準ズームと、高倍率ズームと、大口径単焦点レンズを経験しておくのは重要だと考えます。そうすると、ボケてて欲しいシーンとか、ボケて無い方が嬉しいシーンとか、画角の使い方とか色々学べて楽しいし、自分の撮り方に適した機材選びもできるようになると思うから。

今現在の「最高」を提供してくれるのがソニーなんです。

画像: 平面撮った時の均質な解像力はお世辞抜きで素晴らしいね。オリジナルデータ見てもらいたいくらい。四隅でもカッチリよ。 ■絞りF1.6 1/500秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

平面撮った時の均質な解像力はお世辞抜きで素晴らしいね。オリジナルデータ見てもらいたいくらい。四隅でもカッチリよ。
■絞りF1.6 1/500秒 マイナス0.7露出補正 ISO100

あとね、作例なので開放近辺で撮った写真ばかり並べていますが、ちょっと絞った方がボケ味が柔らかくてキレイに見えて好きでした。開放のボケってちょっと硬いっつーか、ね。この辺りの感覚は、是非オーナーになって味わってみてください。トヨタ的にはF1.8〜2.2くらいがグッと来ます。

ちなみに大口径レンズで、開放でも真にキレイな描写のレンズって、筆者の知る限りはどれもデカくて失っているものも多いです。どんな性能バランスにするか? というのは、メーカーの製品作りコンセプトにも通じるところ。

例えば、ニコンZは光学性能重視に見えるけれど、実際のところその光学性能を存分に解き放てるボディってまだ無いので、将来のボディに託した、というか、かなり先取りしたオーバースペックな性能だったりもします。

画像: 85mmってそんなに得意な画角ではなかったのだけど、このレンズはハンドリングが良いからか、AFがスコスコだからかは分かりませんが、撮っていて凄く楽しめました。1段絞ってもまだF2ってのも、なんか楽しいよね。時にはズームレンズじゃない楽しみってのも、あって良いと思います。手を出しやすいのは標準域だと思うけれど、85mmって少し独特の空気感があるので、刺激になるかと思います。 ■絞りF1.4 1/6400秒 マイナス2.0露出補正 ISO100

85mmってそんなに得意な画角ではなかったのだけど、このレンズはハンドリングが良いからか、AFがスコスコだからかは分かりませんが、撮っていて凄く楽しめました。1段絞ってもまだF2ってのも、なんか楽しいよね。時にはズームレンズじゃない楽しみってのも、あって良いと思います。手を出しやすいのは標準域だと思うけれど、85mmって少し独特の空気感があるので、刺激になるかと思います。
■絞りF1.4 1/6400秒 マイナス2.0露出補正 ISO100

ソニーレンズってそういったロマンよりも、「今どれだけ使えるか?(どれだけ優れた撮影体験を提供できるか、の意)」みたいな部分に凄く注力していて、現場感のある商品性の製品を矢継ぎ早でブチ込んで来てると思っています。

本レンズも、AFのレスポンスがこのサイズ感とスペックのレンズとは思えないビンビンなものだし、絞りの制御も凄く繊細で滑らかに動作して、かつ作動音がほぼ無音。開発チームは、どんな状況で使われているのか? が良く見えていると思わせられるのは、やはりスゴイことだと思います。製品の優劣という話ではなくて、方向性の話ね。

画像: 今現在の「最高」を提供してくれるのがソニーなんです。

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