■川合麻紀氏プロフィール
彩り写真家。様々な被写体を独特の色彩感覚で切り取る。「The colors of nature」をテーマにした自然風景&動物から、「かわいい」花風景やイルミネーション、テーブルフォトなどの作品作りを行う。公益社団法人日本写真家協会、公益社団法人日本写真協会会員。個展多数。
キヤノンRF85mm F2 MACRO IS STMのインプレッション
ポートレートにも使える手頃なハーフマクロ
私は花撮影を主としているので、このレンズは倍率0.5倍のハーフマクロレンズとして購入しました。最短撮影距離は0.35mです。気に入っているところは、全長90.5mm、最大径78mm、重量500gと比較的コンパクトで軽量なところと、比較的求めやすい価格。

ラナンキュラスラックスの花の前後に花色のボ ケで挟むようなイメージで撮影。前後のボケは後ろよりも前側のボケのほうが柔らかい気が... 気軽に手持ち撮影できるサイズなのがいい。
■絞り F2 1/500秒 ISO200
■共通撮影データ/ EOS R5 Mark II WB:オート ピクチャースタイル:ポートレート ワンショット AF
解像感は良好で、開放からシャープで綺麗。ただし背景ボケは少し硬めかも。丸ボケはF2からF4で円形に維持されますが、開放では口径食が目立つので、気になるなら少し絞るといいですね。
あと、AF駆動がSTMのせいか、AF作動音がちょっとうるさいのも気になります。前群繰り出しは好き嫌いがあるかも。IS(レンズ内光学手ブレ補正)は約5段分(カメラ本体によって協調制御により約8段分)の効果があるので安心です。

川の水面のキラキラを背景に撮った菜の花。撮っているときにワクワクした。キラキラのバランスがいいタ
イミングでシャッターを切る。丸ボケは画面中心が丸く、画面周辺には口径食が出たが、この絵柄的には許
容範囲かな。
■絞り F2 1/6000秒 ISO400
ハーフマクロは8cmほどの花ならフルサイズボディで画面いっぱいに撮ることができます。ハーフマクロシリーズは他にRF24mmF1.8 MACRO IS STMとRF35mm F1.8 MACROIS STMがありますので、自分が使いやすい焦点距離を選ぶといいですね。でも、もしもっと小さい花を撮る&部分をアップで撮りたいなら、RF100mm F2.8 L MACRO IS USM一択となります。
ちなみに85mmの単焦点といえば、ポートレートレンズとしても使い勝手がいいはず。手頃な価格で、いろいろな被写体に対応できる単焦点レンズと言えます。購入時には、別売りのフードも買うといいですよ。
Photo&Text:川合麻紀

RF85mm F2 MACRO IS STMのスペック
- 焦点距離=85mm
- レンズ構成=11群12枚
- 画角(対角線)=28°30′
- 最短撮影距離=0.35m
- 最大撮影倍率=0.5倍
- 最小絞り=F29
- 絞り枚数=9枚(円形絞り)
- フィルター径=67mm
- レンズフード=ET-77(別売)
- 最大径×長さ=約φ78mm×90.5mm
- 重量=約500g
価格:オープン(実売9万3500円)※価格は記事執筆当時のものです
発売日:2020/10/22
