■チャーリィ古庄氏プロフィール
1972年東京生まれ、旅客機専門の航空写真家。世界の航空会社や空港からのオーダーを受けこれまで100を超える国や地域に訪れ航空写真を撮っている。訪れた空港は世界500か所以上。世界で最も多くの航空会社に搭乗した「ギネス世界記録」を持つ。旅客機関連の著書、写真集は30冊を超え、サミットなどのVIP機公式記録カメラマンを務めた経験もあり。飛行機とヘリコプターのパイロット資格を保有。空撮用のヘリコプターも所有している。
RF600mm F11 IS STMのインプレッション
軽い、安い、写り良し♪ ...の高コスパ超望遠

陽炎が出ない日は超望遠レンズの出番。羽田空港に着陸するボ ーイング787と駐機する機体を入れて撮影。機体の番号も見えるくらいにシャープな画像が素晴らしい。
■1/1600秒 ISO2000
■共通撮影データ/ EOS R5 MarkII 絞りF11WB:オート ピクチャースタイル:風景 AI 被写体認識:乗り物 AI サーボ
市場価格10万円代前半で純正の600mmが買えるなんて良い時代になったものだ。高性能で明るいRF600mm F4L IS USMもあるが、価格は約10倍もの差がある。
しかし、写りの差が10倍あるか?といえばそんなことはなく、安価なレンズと思ってバカにできないどころか、描写はものすごく細かく、機体に書かれた細かい文字がハッキリ読めるほど。日中の撮影ならこのレンズで十分な性能を味わえるし、このレンズの描写力を悪く言う人には会ったことがないくらい。
ただし飛行機はシャッター優先 AEで撮ることが多く、このレンズはF11固定なので絞り優先AE に設定を変更しなければならないのを忘れてはいけない。

機体にグッと近づけるのがこのレンズの魅力。離陸後頭上を駆け抜ける機体を追いかける。西日を浴びて現在前輪を格納するタイミングを撮影。アップにすると細かい文字まで見えるほど細かい描写を見せる。
■1/1600秒 ISO1600
外観は樹脂部材の多用で高級感はないが、沈胴式のおかげで、持ち歩きはとてもコンパクトで軽いのが魅力。年齢を重ねて重いレンズは持てないし、RF600mm F4L は高価すぎるという方でも、このレンズを使用すれば皆さん笑顔になり、「すごく良く写るんだよ」と驚かれる性能を有している。
焦点距離600mmなので、大胆に切り取る迫力カットはもちろん、圧縮効果も狙える。近年、ズームレンズを使用することが多いため、単焦点レンズの切り取り方を改めて学べるのも魅力。決まった画角でファインダーの中に見える機体に集中し、フレーミングを決める楽しさを味わえるレンズでもある。ちなみに手ブレ補正は5段分で、モーターはSTMだが飛行機を撮影していて遅いと感じたことは皆無である。
Photo&Text:チャーリィ古庄

RF600mm F11 IS STMのスペック
- 焦点距離=600mm
- レンズ構成=7群10枚
- 画角(対角線)=4°10′
- 最短撮影距離=4.5m
- 最大撮影倍率=0.14倍
- 最小絞り=F11固定
- 絞り枚数=9枚(円形絞り)
- フィルター径=82mm
- レンズフード=ET-88B(別売)
- 最大径×長さ=約φ93mm×269.5mm
- 重量=約930g
価格:オープン(実売11万5500円)
発売日:2020/7/30
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