4月10日に発売されたフジフイルムの「GFX100RF」は、焦点距離35mm(35mm判換算約28mm相当)の単焦点レンズを固定搭載した1億画素の中判コンパクトデジタルカメラ。そしてラージフォーマットを最大限に活かしたアスペクト比の変更を楽しませてくれるのが大きな特徴です。

フジフイルム GFX100RF 主な仕様

画像: 正直、コンパクトデジタルカメラとしては大きい? となるかもしれませんが、43.8mm×32.9mmで約1億200万画素の撮像センサーを搭載したレンズ一体型の中判デジタルカメラとしてなら十分にコンパクトで軽いと言えるのではないかと思います。

正直、コンパクトデジタルカメラとしては大きい? となるかもしれませんが、43.8mm×32.9mmで約1億200万画素の撮像センサーを搭載したレンズ一体型の中判デジタルカメラとしてなら十分にコンパクトで軽いと言えるのではないかと思います。

画像: フジフイルム GFX100RF 主な仕様

スナップシューターとしての優れたコンパクト性

画像1: スナップシューターとしての優れたコンパクト性

実際に使用してみた感想としても「中判デジタルカメラとは思えない気軽さ!」というのが第一印象で、タイトル画像のように、片手でつまんで持ってみても、重くて辛さを覚えるようなことはまったくといってないくらいには爽快な軽量感でした。

今回は主に、シンクタンクフォトの「レトロスペクティブ4 V2.0」という結構な小型カメラバッグに本機を入れて移動しましたが、中判デジタルカメラを入れているというのにさらにスペースに余裕があったほど。スナップシューターとして、大変に優れたサイズ感を実現していると感心した次第です。

画像2: スナップシューターとしての優れたコンパクト性

固定搭載されたレンズは焦点距離35mmで開放F値F4.0の単焦点レンズ。本機は中判デジタルカメラですので35mm判換算で28mm相当の広角レンズになります。固定搭載のレンズとしては広い画角なのではないかと思われるかもしれませんが、実はこれが本機の面白いところで…それは後述させてもらいます。

画像3: スナップシューターとしての優れたコンパクト性

固定搭載のレンズならではの設計と言いますか、撮像面に対してテレセントリック性を確保するために、カメラボディ内部にまで及ぶ大胆なレンズ設計が採用されています。つまりレンズ交換式ではまず不可能な理想的なレンズ設計なので、厳密な精度を有しているのです。

画像4: スナップシューターとしての優れたコンパクト性

そんな「GFX100RF」の固定搭載35mmレンズで、あえて開放F値のF4.0で撮影したのが以下の画像になります。画像の中心分はもちろん、ほとんど破綻することなく周辺部まで高い解像感が保たれていることがわかります。切れ込むような強いシャープネスは見られませんが、1億画素の中判デジタルらしい余裕のある画作りはサスガといったところでしょう。歪曲収差や色収差などもほぼ見られません。

画像: ■絞り優先AE(F4.0 1/640秒)  プラス0.7露出補正 ISO80 WB:オート

■絞り優先AE(F4.0 1/640秒)  プラス0.7露出補正 ISO80 WB:オート

レンズ性能に対する撮像センサーの性能、なかでも高感度性能についてはここで見ておきましょう。ダイヤル操作を特徴とした本機「GFX100RF」の、「感度ダイヤル」操作での設定で出来る最高ISO感度はISO8000になります。

画像5: スナップシューターとしての優れたコンパクト性

そのISO8000で撮影したのが以下の画像です。細かく見ればノイズの発生やディテールの消失なども見られますが、スマホやタブレットなどでの鑑賞や、A2サイズ程度(結構な大伸ばしです)で全体的な鑑賞をする範囲においてはほとんど問題がないレベルだと思います。率直に言えば「大変優れた高感度性能」ということになります。

画像: ■絞り優先AE(F4.0 1/45秒) ISO8000 WB:オート

■絞り優先AE(F4.0 1/45秒) ISO8000 WB:オート

しかし、やや厄介なのが、「GFX100RF」の本来の常用最高感度がISO12800であるところ。「感度ダイヤル」の操作でできるIS08000に比べると2倍弱高く設定できるのですが…、そのためには「感度ダイヤル」を「C」ポジションに合わせたうえで、コマンドダイヤルで操作するという、「X100VI」や「X-T5」でお馴染みの操作が要求されてしまいます。

あくまでデジタルカメラの最高性能を追い求めるか、本機が主張するダイヤル操作を尊重するかはユーザーの自由ですが、このような操作性の差異があることには留意したほうが良いのではないかと思いました。

オリジナリティあふれる操作性について

操作性については、同社の「X100シリーズ」を踏襲しながらも、中判デジタルカメラとして相応しく発展させたといった感じでしょうか。ただし、「X100シリーズ」のようなハイブリッドビューファインダーは搭載しておらず、電子ビューファインダー(EVF)だけの搭載になります。そうは言っても、約576万ドットの高精細なEVFですので、撮影していて見え具合に不満を覚えるようなことはありません。

画像1: オリジナリティあふれる操作性について

液晶モニターはといえば、こちらも約210万ドットの高精細な品質ですので、再生時の全体像の把握やピントの確認をするうえでまず問題がないレベルの性能だと思います。ちなみに、方向性の似た最新機種である「X100Ⅵ」の液晶モニターは約162万ドットですので、数値的にも本機「GFX 100RF」の液晶モニターの性能の高さを理解できるのではないかと思います。

また、上下チルト式の可動モニターの方式を採用しているところなどは、スチル撮影での使用を本領とした本機の特徴をよく現していますね。

画像2: オリジナリティあふれる操作性について

同じく、ダイヤル操作を前面に押し出した操作系は、実に本機がスチル撮影を楽しむために生まれたカメラだということをよく表していると思います。「絞りリング」の搭載はもちろんのこと、「シャッタースピードダイヤル」や「ISO感度ダイヤル」、「露出補正ダイヤル」なども個別にしっかり搭載しています。「X100シリーズ」や「X Pro1シリーズ」、「X Tシリーズ」などで好評を得た操作系の特徴が、中判デジタルカメラの本機でも存分に味わえます。

画像3: オリジナリティあふれる操作性について

他にも推したいところは多々あるのですが、特に本機ならではというのがレンズフードの同梱。「X100シリーズ」では別売りだった金属製の角型フードが同梱するのです。装着の手順は「X100シリーズ」と同様の凝った仕様で、まずはレンズ先端のリングを外すところから始まります。

画像4: オリジナリティあふれる操作性について

リングの代わりに専用のアダプターリング(同梱)を取り付けてから…。

画像5: オリジナリティあふれる操作性について

レンズフードを装着するという本格派です。

画像6: オリジナリティあふれる操作性について

装着した状態はとてもイカしていて、レンズフードをつけたこっちの方が、デフォルトのスタイルなのではないかと思えてくるほどカッコイイものがあります。

カッコイイと言えば、付属のショルダーストラップも、高級感がある上に使い勝手も上々な、非常に素晴らしい拘りが感じられる一品です。クライミングロープタイプのストラップなので耐久性も高いと思います。

画像7: オリジナリティあふれる操作性について

カメラへの装着も、「Xシリーズ」で採用された三角環とは異なる意匠の丸環になっており、見た目にもシンプルな構造で分かりやすくなっています。ただし、取り付けは意外に苦労することになるかと思いますのでご注意ください。

画像8: オリジナリティあふれる操作性について

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