キヤノンのフルサイズミラーレス機「EOS R6 MarkⅡ」は、操作性のよさと上級機と比較して手に入れやすい価格帯が魅力。 カメラマン・中西祐介氏が実際に撮影したインプレッションを交えて、R6 Mark Ⅱ のおすすめポイントを解説します。

■中西祐介氏プロフィール
1979年東京生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。講談社写真部、フォトエージェンシーであるアフロスポーツを経てフリーランスフォトグラファーとして独立。スポーツ、アクション、ポートレートが得意分野で、夏季オリンピック、冬季オリンピックなどスポーツ取材経験が豊富。プロスポーツチームの公式撮影も担当する。スポーツ媒体への原稿執筆のほか、写真撮影セミナー講師としても活動中。プライベート作品として「馬と人のポートレート」をテーマに制作活動を行なっている。

「AF、画質、ボディサイズ、価格などトータルバランスに優れた製品」キヤノン EOS R6 MarkⅡ をプロカメラマン中西祐介氏が解説

上位機が出ても未だ現役で活躍するミドル機

発売から2年が経過した(注:記事執筆当時)EOSフルサイズミラーレスの中核機。直近ではR5 MarkⅡやR1など次々と新技術が投入された新製品が登場しており、筆者もR5 MarkⅡは使用しているが、R6 MarkⅡは現在も私の手元にある。ここではその率直な感想を述べよう。

私はスポーツを撮影する機会が多いため少し特殊な環境になってしまうが、AF、画質、ボディサイズ、そして価格などのトータルバランスはどの製品よりも優れていると思う。もちろんR1を筆頭に上級機と比較すれば特にAFのスピードや正確性などに古さが感じられる部分はあるが、スポーツや報道などの分野を除けば十分な性能を持ち合わせているのは変わらない。

画像: キヤノン EOS R6 MarkⅡ 俯瞰図

キヤノン EOS R6 MarkⅡ 俯瞰図

デジタルカメラは後発品が有利になるのと同時に、価格差と性能差はどうしても比例するので上級機と比較してしまうと苦しくなる。今回は卓球を被写体にしてトラッキングAFを使用して撮影してみたが、初動のスピードがもう少し速いと嬉しいと感じることはあった。

画像: キヤノン EOS R6 MarkⅡ 背面

キヤノン EOS R6 MarkⅡ 背面

だが、しっかりと瞳を認識して、動きに対して粘り強くフォーカスできるので必要十分。屋内スポーツなどの低照明下で高速に動く選手に対しての追従性は少し物足りなさを感じるが、それ以外の環境下であればスムーズにフォーカスしてくれる。

画像: サーブする瞬間はしっかりと瞳にフォーカスさせたい。こんな時はトラッキングAFが重宝する。またシャッター音はノイズになるため、電子シャッターが必須だ。 ■RF100-3000mm F2.8L IS USM 絞りF2.8 1/1000秒 ISO 10000 WB:マニュアルプリセット 電子シャッター使用 AIサーボAF ©︎日本ペイントマレッツ

サーブする瞬間はしっかりと瞳にフォーカスさせたい。こんな時はトラッキングAFが重宝する。またシャッター音はノイズになるため、電子シャッターが必須だ。
■RF100-3000mm F2.8L IS USM 絞りF2.8 1/1000秒 ISO 10000 WB:マニュアルプリセット 電子シャッター使用 AIサーボAF
©︎日本ペイントマレッツ

画像: 瞳認識AFはR6より精度・追尾も向上。被写体検出AFは新たに動物(犬・猫・鳥)に馬も追加、乗り物に鉄道と飛行機が加わったほか、カメラが自動で被写体を検出する「自動」が新採用された。

瞳認識AFはR6より精度・追尾も向上。被写体検出AFは新たに動物(犬・猫・鳥)に馬も追加、乗り物に鉄道と飛行機が加わったほか、カメラが自動で被写体を検出する「自動」が新採用された。

高感度性能は私が使用する限りISO6400からISO10000までは実用上問題ない。有効画素数最大2420万画素だが、それ以上の解像感があるように感じられるし、使用していて困ったことは一度もない。

電子シャッターについても、中級機としては優秀だが、どうしても動体撮影時にローリング歪みが気になるシーンがある。ここが上級機との違いだが、気になる場合はEOS R5 Mark ⅡやR1を使用する必要がある。上級機ではほぼローリング歪みが気にならない。また電子シャッター時にはフリッカーレスが使用できないのは改善してほしい点だ。屋内やナイターなど人工照明下ではどうしても必要な機能になる。

色々と書いたが、スポーツなどを撮影する場合を除けば必要十分なAF性能をはじめ、操作性もよく、何よりも上級機と比べて手に入れやすい価格帯と多くの方にお勧めできるフルサイズ機であることは間違いない。

キヤノン EOS R6 MarkⅡ の◯と×

  • 価格も含めてトータルバランスに優れる
  • 画素数以上に感じられる高い解像感

×

  • 電子シャッター時にフリッカーレス撮影ができない
  • ローリング歪みがもう少し改善されるとよい

キヤノン EOS R6 MarkⅡ のスペック

  • センサーサイズ:35mm(フルサイズ)
  • 画素数:約2420万画素
  • ファインダー:0.5型OLED EVF 約369万ドット
  • レンズマウント:キヤノン RFマウント
  • モニター:3.0型 約162万ドット
  • 感度:ISO 100~102400 ※拡張ISO 50/204800
  • 連続撮影速度: 約40コマ/秒 (電子) ※約12コマ/秒(メカ)
  • バリアングル タッチパネル
  • SDXC(UHS-Ⅱ対応)デュアル
  • 発売日:2022年12月15日
  • 価 格 : 実売36万3000円(ボディ)/ 51万7000円(RF24-105mm F4 Lキット)/ 40万7000円(RF24-105mm STMキット)※記事執筆当時
  • 大きさ:約138.4×98.4×88.4mm
  • 重さ:約670g
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本記事は「カメラマン リターンズ#13」の記事を転載したものです。本誌もぜひチェックしてください!↓

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