「Thypoch(タイポッシュ)」は、昨今のオールドレンズ・オールドカメラブームにマッチしたクラシカルなデザインのレンズを発売・発表している中国のシネレンズ専門メーカーです。今回は同社の「Eureka(エウレカ)シリーズ」と「Simera(シメラ)シリーズ」の3本のレンズを試す機会に恵まれましたので、紹介させていただきます。

◆撮影共通データ◆
※RED KOMODO-Xで撮影した画像は、REDCINE-X PROとPhotoshopでカラーコレクションとカラーグレーディングをして仕上げています。
■モデル:大川成美

Thypoch Simera 35mm F1.4 〇実勢価格:11万8000円

画像: Thypoch Simera 35mm F1.4 〇実勢価格:11万8000円

●焦点距離:35mm
●最短撮影距離:0.45m
●レンズ構成:5群9枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:14枚
●フィルターサイズ:49mm
●大きさ・重さ:φ54×50.8mm・352.5g
●付属品:フード
●マウント:ライカM

クラシカルなデザインながら近代的な写りの「Thypoch Simera 35mm F1.4」

画像: マウントアダプターを介し、シネマカメラRED KOMODO-Xに装着したところ。シネマカメラとしては小型のKOMODOとも相性が良い。

マウントアダプターを介し、シネマカメラRED KOMODO-Xに装着したところ。シネマカメラとしては小型のKOMODOとも相性が良い。

メーカー名の「Thypoch(タイポッシュ)」は、古典英語のThy(=あなたの)と、epoch(=時代)を合わせて「あなたの時代」を意味するそうです。

本レンズ「Simera(シメラ)」の名称は、古代ギリシャ語の「今日」から来ており、今この一瞬を切り取ることを目指すレンズという、メーカーからのメッセージのような名称になっています。

マウントはライカMマウント、焦点距離は35mmのフルフレーム対応、レンズ構成は5群9枚(HRI高屈折率ガラス3枚、ASPH非球面ガラス1枚)、サイズは約54×50.8mm、付属品として角形レンズフード、フロントキャップ、リアキャップが付いてきます。カラーラインナップはシルバーとブラックの2種類です。

画像: ■RED KOMODO-X 絞りF2.8 1/800秒 ISO800 WB:5600K

■RED KOMODO-X 絞りF2.8 1/800秒 ISO800 WB:5600K

画像: ■RED KOMODO-X 絞りF2.8 1/1000秒 ISO800 WB:5600K

■RED KOMODO-X 絞りF2.8 1/1000秒 ISO800 WB:5600K

ピント面からボケへのカーブはなめらかで、やり過ぎ感のないナチュラルで美しいグラデーションを生み出してくれます。歪曲収差も適度に抑えられていて、俯瞰の撮影時も不自然な歪みを感じずに被写体に集中できました。

レンズはアルミニウム合金製で、軽量ながら触り心地の良い高級感を保っています。レンズ側面には被写界深度を赤いドットで表すインジケーターが付いており、便利なことにプラスして、デザインのポイントとしても良い役割を担っていると思います。

画像: ■ニコン Z 8 絞りF1.4 1/200秒 ISO1000 WB:オート ※ピクチャーコントロール:風景

■ニコン Z 8 絞りF1.4 1/200秒 ISO1000 WB:オート ※ピクチャーコントロール:風景

画像: ■ニコン Z 8 絞りF1.4 1/200秒 ISO1600 WB:オート ※ピクチャーコントロール:風景

■ニコン Z 8 絞りF1.4 1/200秒 ISO1600 WB:オート ※ピクチャーコントロール:風景

撮影最短距離は約45cmなので、意外と寄れるな、というのが水族館で撮影した印象でした。絞り羽根枚数は14枚で、点光源のボケが柔らかいのもいいですね。同じSimeraシリーズで比べると、28mmよりも35mmのほうが被写体の輪郭の描き方がくっきりしていて、近代的な写りだと感じました。

画像: レンズ銅鏡にあるスイッチでクリック、デクリックの変更が行えます。動画撮影時には必須の機能です。

レンズ銅鏡にあるスイッチでクリック、デクリックの変更が行えます。動画撮影時には必須の機能です。

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