「Thypoch(タイポッシュ)」は、昨今のオールドレンズ・オールドカメラブームにマッチしたクラシカルなデザインのレンズを発売・発表している中国のシネレンズ専門メーカーです。今回は同社の「Eureka(エウレカ)シリーズ」と「Simera(シメラ)シリーズ」の3本のレンズを試す機会に恵まれましたので、紹介させていただきます。
Thypoch Simera 28mm F1.4 〇実勢価格:12万2265円
●焦点距離:28mm
●最短撮影距離:0.4m
●レンズ構成:7群11枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:14枚
●フィルターサイズ:49mm
●大きさ・重さ:φ54×55mm・330g
●付属品:フード
●マウント:ライカM
オールドレンズ風の味わいある写りを味わえる「Thypoch Simera 28mm F1.4」
外観が似通っていてほとんど見分けがつかないのですが、Simeraシリーズの35mmよりも、4.8mmほど全長が長いのが「Thypoch Simera 28mm F1.4」です。
マウントはライカMマウントで、レンズ構成は7群11枚(HRI高屈折率ガラス3枚、ASPH非球面ガラス1枚、ED特殊低分散ガラス1枚)、絞り羽根枚数は14枚、撮影最短距離は約40cm、サイズは約54×55mm、付属品として角形レンズフード、フロントキャップ、リアキャップが付いてきます。カラーラインナップはシルバーとブラックの2種類です。
ポートレートはシネマカメラのRED KOMODO-Xと、Nikon Z 8にそれぞれマウントアダプターを装着して撮影しましたが、どちらもピントの山はつかみやすく、MFでの撮影もスムーズに行えました。
28mmの焦点距離と小型・軽量が特徴的な本レンズは、スナップでも多用できると思いますが、縦横のラインが多い街なかでの撮影でも、不自然な歪曲や偽色の発生は抑えられていました。
室内、屋外ともに、生み出される画はデジタル処理が施されているようないやらしさもなく、オールドレンズを感じさせる、ノスタルジックな写りを楽しめるレンズに仕上がっています。