2019年の1億画素の衝撃から4年。X-T5などと同じ最新のX-Processor 5と飽和電子数という、一度の露光でデータに変換できる光の容量を向上させた新型センサーを登場した「GFX100 Ⅱ」が登場した。ちなみに本機はGFX100の後継モデルであり、100Sとは異なるラインとなる。
フジフイルム GFX100 Ⅱ 主なスペック
●中判 43.8×32.9mm
●約1億2000万画素
●フジフイルム Gマウント
●ISO80~12800(※拡張ISO40/102400)
●約8コマ/秒(CH連写・メカシャッター)
●0.64型OLED EVF 約944万ドット
●3.2型 約236万ドット
●チルトアングル タッチパネル
●CFexpress TypeB/SSD/SDXC(UHS-Ⅱ対応)デュアル
■発売日:2023年9月28日
■実勢価格:127万500円(ボディ)
■大きさ:約152.4×117.4×98.6mm
■重さ:約1030g
強化された手ブレ補正に好感
44×33mmサイズのラージフォーマットセンサーを採用しつつも、ハンドリングそのものはフルサイズDSLR程度に収められたサイズ感で、実使用は思いの外軽快。その印象を後押しするのが最高8.0段となったIBISや賢くなったAFとBISHAMON-TEXによる素晴らしい質感のグリップ。そして迅速なレスポンスなど、道具としての進歩だ。
しかしGFX100Sと比べてどうか? と言われると、動悸や目眩がするほどの性能的な進歩はない。ただ、GFX100 Ⅱに触れた後に100Sを使うと世代の差以上にくたびれて感じてしまうのは楽しくないポイントだろう。100Sだって高価(実勢価格76万8900円)なのだ。
話題の8K記録は…微妙ですな。
カメラのAF性能は明らかに良くなったが、レンズによってはカメラのAF性能を活かしきれていない印象があることについては相変わらず。
8K記録対応がアピールされているが、実際に8K記録を選択すると35mm判よりも小さくクロップされてしまう。となると他の選択肢を選んだ方が合理的。GFXのイメージサークルをカバーするDCI 4KやCine 5.8K記録ではフイルムシミュレーションを活かしたGFXならではの、まるで写真が動き出したかのような特別な世界を表現できるだろう。
8K対応やAF性能についてのメーカーのアピールはドラスティックだが、実際には現場の要望を反映させ質実剛健な進歩を果たしたカメラ、というのがフェアな評価だろう。基本的にとても良いカメラだが、入手性が低いことはとても大きな減点となってしまう…。