カメラバッグ今昔物語

編集部:ビリンガムってのは?
諏訪:僕、445を2個使ってます。革部分は革細工店で何度か交換してますね。フロントのベルトがボロボロになって縮れちゃうから、付け根から丸ごと作ってもらっています。ビリンガムに送ればやってくれるんでしょうけど、時間もかかるし高そうなんで、町の革細工屋に頼んでいます。
山田:ビリンガム、いいですよ。
編集部:ちょっとカッコイイですよね。
山田:僕は一番オーソドックスなハドレーが2つあります。30年くらい前、フォトキナに行ったときにミスタービリンガムから買いました。
編集部:ビリンガムさんがそこにいたの?
山田:最終日にビリンガムのブースに行って、これ欲しいんだけどって言ったらいくつかオマケ付きで売ってくれた。
編集部:そうなの?
桃井:フォトキナやPMAのような大型展示会は、梱包や輸送費で持って帰るのが大変だから、最後は展示品をディスカウントして売るブースもあったんですよ。
諏訪:でも、古いビリンガムって中のクッションスポンジが粉になるんですよ。ペラッペラになっちゃう。
山田:そう。インナーだけ、新しいものを追加して使ってます。
編集部:ちゃんと用意されているところが名門って感じぃ?
山田:ビリンガムのすごいところは、進化しているんですよ。ハドレーなんかはベースの大きさはほとんど同じなんだけど、中の仕切りを最新のカメラの大きさに合わせている。各メーカーから新製品が出る度に寸法の問い合わせをしてくるんだって。
編集部:なんと。ちゃんとアップデートしてるんだ。
桃井:品質も高いし良いのは分かるけど、お値段も相応だからなかなか手が出ないですよね。
山田:今めっちゃ高いね。
諏訪:為替の問題があるからね。
山田:でも、実際に30年くらいはラクに使えるから。
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編集部:タムラックは?
桃井:昔使っていました。
山田:途中から品質が下がったんですよ。ちょっと今のものは勧められない。
桃井:タムラックにしてもテンバにしても、昔のものと今では全然違いますからね。
編集部:ふーん。テンバなんていかにもプロ御用達のイメージなんだけど。
桃井:我々世代が感じていたアメリカ製のアバウトだけど丈夫なカメラバッグとか、バリスティックナイロンの堅牢性とか、そういうものとはもう違っています。
編集部:別物になっちゃった?
山田:昔も今もブランドの魅力があるのはドンケくらいかな。
桃井:今ドンケって代理店どこ?
豊田:銀一じゃないですか。
編集部:んじゃロープロ?
山田:ロープロも…う~む。
編集部:お察しします。
諏訪:最近のもので人気なのはピークデザインかな。僕は好きで使ってます。
編集部:ピークデザインも銀一ですね。
諏訪:元々クラウドファンディングでよく新しいのを募集してて、俺はいつもそっちで手に入れてました。
桃井:全般的にどれもシュッとした形のやつね。
山田:う~ん、ピークデザインはあまり使いたくないと思ってる。
編集部:どうして?
山田:カッコイイけど、なんかイヤ(笑)
桃井:でも今どきの、イケてそうなカメラマンのカメラバッグはどれもピークデザインですよ。よくそのサイズで予備とか機材すべてが収まっているな、みたいな(笑)
山田:そうそう。なんかそこが苦手なんだな。地味なジジイからすれば(笑)
笠井:どっちかというとガジェット系の人が使ってるような…。
桃井:若いカメラマンはプロでも持ってますよね。
山田:結構持ってるね。まず最初に中からMac Bookが出てくるんだよね。「オレもあんな人生を歩みたかった…」っていう嫉妬心が芽生えちゃう。
桃井:シュッとしたやつ。
編集部:ブロワーじゃないんだ(笑)
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