シグマからAPS-Cフォーマットのイメージサークルに対応する“10-18mmF2.8 DC DN | Contemporary"が登場した。フルサイズ換算で15-27mm相当画角をカバーする本レンズは、APS-C用のF2.8通しレンズとして、最小・最軽量であることがアピールされている。

シグマ 10-18mmF2.8 DC DN | Contemporary 主な仕様(Xマウント)

画像: シグマ 10-18mmF2.8 DC DN | Contemporary 主な仕様(Xマウント)

●焦点距離:35mm判換算15-27mm相当
●最短撮影距離:11.6 (W)-19.1 (T) cm
●最大撮影倍率:1:4 (W)-1:6.9 (T)
●レンズ構成:10群13枚
●最小絞り:F22
●絞り羽枚数:7枚
●フィルターサイズ:67mm
●大きさ・重さ:φ72.2×64.3mm・250
●付属品:フード

新開発のフード脱着機構を採用

画像: 18mm時のほぼ至近端(フード先端から約10cm)を開放絞りでパチリ。想像したよりも良く写ったのでビックリ。「寄れる」ってだけでも撮影は楽しいよ。 ■絞りF2.8 1/800秒 プラス1.3露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:ProNeg.Std □撮影共通データ:富士フイルム X-T5

18mm時のほぼ至近端(フード先端から約10cm)を開放絞りでパチリ。想像したよりも良く写ったのでビックリ。「寄れる」ってだけでも撮影は楽しいよ。
■絞りF2.8 1/800秒 プラス1.3露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:ProNeg.Std
□撮影共通データ:富士フイルム X-T5

用意されるマウントはソニーEマウント、フジXマウント、Lマウント用の3つ。
今回はフジXマウント用のテストを行ったが、フジXマウント版の重量はわずか250gという驚きの軽さを実現していることが特徴だろう。最も重いLマウント版でも260gしかない。

最短撮影距離はワイド端で11.6cm(レンズフード先端からは約1cm!!)、テレ端で19.1cm(同じく約10cm弱)まで寄れるというのも興味深いが、超ワイドで接写するとレンズフードの影が写り込んだりするので注意が必要だ。

画像: 10mmでパチリ。歪曲は自動で補正されるのでほぼゼロ。m4/3用か? と思わせるサイズ感ながら、隅々までキッチリ写っていて気持ち良い描写。ミラーレスのショートフランジバックに対応する設計は、ワイドレンズでその恩恵が大きいように感じられます。 ■絞りF5.0 1/500秒 プラス0.3露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:ノスタルジックネガ

10mmでパチリ。歪曲は自動で補正されるのでほぼゼロ。m4/3用か? と思わせるサイズ感ながら、隅々までキッチリ写っていて気持ち良い描写。ミラーレスのショートフランジバックに対応する設計は、ワイドレンズでその恩恵が大きいように感じられます。
■絞りF5.0 1/500秒 プラス0.3露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:ノスタルジックネガ

レンズフードはバヨネット式ではなく新開発のプッシュオン式が採用された。装着時は指標を合わせて押し込みで装着でき、取り外しにはわずかに回すと抜去できる。新しい操作感なので、正直なところかなり不思議な感触だ。慣れればスピーディに着脱できそう…と思っていたが、フード自体の全長は3cm弱しかないので、実質付けっぱなしでも問題なさそうな感じ。

新感覚のフードだが、レンズそのものが非常にコンパクトなこともあり、グリップが下となる縦位置保持から正位置に構図を変更する際に、フードに手が触れて外れてしまうことが2度あった。レンズがコンパクトで保持する場所が限られていること、筆者の手が大きいことが噛み合ってしまったことが原因と思われるが、初物であるし今後の改善についても期待したいところ。

AFモーターはステッピングモーターとのことだが、快適な速度で駆動する。動作音は筆者が10代であれば駆動音が聞こえたのかもしれないが、40代の筆者の耳には届かなかった。
相変わらずレンズのクオリティは高く、フジ純正レンズよりも明らかに高品位に感じられる。

開放からシャープ、ボケは…まあ及第点かな

画像: こちらも10mm時。筆者私物のXF10-24mm(初代)が当たり説は否定できませんが、本レンズはより小さいのに同じくらい良く写るので「もうシグマで良いのでは?」感がヤバい。 ■絞りF5.6 1/240秒 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:ノスタルジックネガ

こちらも10mm時。筆者私物のXF10-24mm(初代)が当たり説は否定できませんが、本レンズはより小さいのに同じくらい良く写るので「もうシグマで良いのでは?」感がヤバい。
■絞りF5.6 1/240秒 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:ノスタルジックネガ

描写は開放絞りから期待よりもシャープ。周辺部でのハイライトエッジに生じる色ズレなどについても、意地悪しなければ気になるシーンは少なく、ズーム位置や撮影距離問わず基本的にとても良く写る。このサイズで、かつ開放F2.8という欲張ったスペックが無理をして達成したものではない事に感心させられた。

ズーム全域でピント面では高いシャープネスが得られる一方で、ボケについては騒がしい感がある…が、ワイドレンズなので「こんなもん」と言えばその通りだろう。
逆光耐性は、画面の中央付近に強い光源があったほうがフレア・ゴーストは出やすいように感じられたが、周辺部に光源を配置した場合の実力としては超ワイドレンズとしてはまずまずといったところ。
歪曲や周辺光量については自動で補正されるので、気になるシーンはなさそうだ。

画像: 体力測定中の1枚。リアルに買い替える気持ちでチェックしましたが、ピント面はシャープだし周辺も悪くなく、豊田的には十分満足な光学性能。 ■絞りF2.8 1/250秒 プラス0.7露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:ProNeg.Std

体力測定中の1枚。リアルに買い替える気持ちでチェックしましたが、ピント面はシャープだし周辺も悪くなく、豊田的には十分満足な光学性能。
■絞りF2.8 1/250秒 プラス0.7露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:ProNeg.Std

試用を通じての不満は(というか厳密にはX-T5に対する不満なのだが)10~13mm付近でのAF精度の悪さ。AF-Sで一発撮りは正直危険なので、AF-Cで連写して撮るのが吉だ。
あとは…ほぼイチャモンになるが、小さすぎて手の大きなユーザーにとってはズームやピントリングの操作が窮屈だ。それくらいしか不満らしい不満はない。

比較作例はないが、私物のXF10-24mmF4 OIS(初代)と比べた感じでは、純正レンズの方が描写性はちょっとだけ良い印象。さらにテレ側の6mmの差は運用面で ”効く” シーンがそれなりにあった。

とはいえシグマは、1段明るいう上にサイズ感が大変に素晴らしい。というか、このサイズなら負担なくバッグに追加することができるだろう。XF10-24mmも大きなレンズではないが、本レンズを体験した後だと「結構デカいな」と思うシーンが何度もあった。

無理をしていないF2.8。光るトータルバランス。

画像: シグマの歪曲補正や周辺光量補正は、純正レンズみたいにちゃんとLVにも反映されるタイプ。細かい事を言えば、ジックリ観察すると、ズーム操作をしているとレンズの焦点距離表示毎に(10mm→12mm→14mm→16mm→18mm)補正値が段階的に変わる様子がLV映像から見える。純正レンズの方が処理がスムースです。ちなみにタムロンだとLV映像では曲がって見えるけど、撮影画像は補正済みってタイプで光学ファインダーで構図合わせしてる気分になります。快適さでは純正がトップでシグマが僅差の次点。 ■絞りF2.8 1/220秒 マイナス0.7露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:エテルナブリーチ

シグマの歪曲補正や周辺光量補正は、純正レンズみたいにちゃんとLVにも反映されるタイプ。細かい事を言えば、ジックリ観察すると、ズーム操作をしているとレンズの焦点距離表示毎に(10mm→12mm→14mm→16mm→18mm)補正値が段階的に変わる様子がLV映像から見える。純正レンズの方が処理がスムースです。ちなみにタムロンだとLV映像では曲がって見えるけど、撮影画像は補正済みってタイプで光学ファインダーで構図合わせしてる気分になります。快適さでは純正がトップでシグマが僅差の次点。
■絞りF2.8 1/220秒 マイナス0.7露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:エテルナブリーチ

Xマウント用の超ワイドズームと言えば、タムロンの11-20mmF/2.8 Di Ⅲ-A RXD(Model B060)という選択肢があることも忘れてはならない。こちらは直接比べたワケではないが、過去に純正レンズと比較した時のデータから言えば、描写性はタムロンがトップだろう。しかもボケもキレイだし逆光耐性にも優れている。

総じて「王道の純正レンズ」、「お散歩の友シグマ」、「描写自慢のタムロン」という印象か。筆者の評価基準ではどのレンズでも写りに不満はないと思うが、動作が安定しているという点では純正もしくはシグマという印象だ。

画像: ここまでコンパクトな超ワイドレンズってこれまでにない感じで、撮影がすげー楽しい。買い替え検討目線では、こういう撮り方した時の周辺部は純正より良いかも知れない。 ■絞りF5.6 1/340秒 マイナス0.7露出補正 ISO250 WB:晴天 ※フイルムシミュレーション:ACROS+Yフィルタ

ここまでコンパクトな超ワイドレンズってこれまでにない感じで、撮影がすげー楽しい。買い替え検討目線では、こういう撮り方した時の周辺部は純正より良いかも知れない。
■絞りF5.6 1/340秒 マイナス0.7露出補正 ISO250 WB:晴天 ※フイルムシミュレーション:ACROS+Yフィルタ

ということで、シグマはほとんどのユーザーにとって満足以上の描写性を持っていて、サイズ感が特に魅力的なレンズというのが感想となる。開放F2.8通しとは思えないほどの驚異的なコンパクトサイズと、ズーム全域でのシャープでキレの良い描写を持つ、というと褒めすぎかも知れないが、Contemporaryというコンセプトの中で性能とバランスを最大化させたことが実感出来るとても良いレンズであることは間違いない。

これ以上の性能を期待するなら別の選択肢を検討すべきだが、そういった性能重視の選択肢とも共存できるキャラクターになっていることはとても興味深い。
もしもの時の懐刀として、お散歩のお供としても最適なので、ナンダカンダで長いお付き合いになるのは、こういう性能以外にも特徴を持つタイプのレンズだったりもする。一度手放してしまうと想像以上に寂しい想いをしてしまうものだ。

画像: 買い替え目線の結論は、現時点での下取り交換では追金がまぁまぁ必要なところがネックかなぁ。テレ側の6mmの差って使い勝手的にはまぁまぁ違うのよね。本レンズのサイズと価格と性能のバランスは魅力なので、これからワイドズームを1本選ぶ、という視点では筆頭候補って感じだけど、純正レンズから買い替えるにはX−T5ユーザーの豊田の使い方だとあと一歩って感じはしました。仮にX-S20みたいな小サイズに組み合わせる目的だと買い替えた可能性はデカいね。 ■絞りF8.0 1/340秒 マイナス0.7露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:クラシックネガ

買い替え目線の結論は、現時点での下取り交換では追金がまぁまぁ必要なところがネックかなぁ。テレ側の6mmの差って使い勝手的にはまぁまぁ違うのよね。本レンズのサイズと価格と性能のバランスは魅力なので、これからワイドズームを1本選ぶ、という視点では筆頭候補って感じだけど、純正レンズから買い替えるにはX−T5ユーザーの豊田の使い方だとあと一歩って感じはしました。仮にX-S20みたいな小サイズに組み合わせる目的だと買い替えた可能性はデカいね。
■絞りF8.0 1/340秒 マイナス0.7露出補正 ISO250 WB:オート ※フイルムシミュレーション:クラシックネガ

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