こちらも我が日記帳のようなnoteにベータ版以前のファームでの試用報告をアップしていますので興味があればそちらも御覧ください。
SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary 主な仕様
●焦点距離:56mm(35ミリ版換算84㎜相当)
●最短撮影距離:05m
●最大撮影倍率:1:7.4
●レンズ構成:6群10枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:9枚(円形絞り)
●フィルターサイズ:φ55mm
●大きさ・重さ:φ66.5×59.8mm・280g
●付属品:フード/キャップ
「寄れる」のが純正にはない強力なアピールポイント!
今回のレンズはファームがまだベータ版。一般的に製品に入っているファームってのはver.1.0以上ですが、ベータ版というのはver.1.0未満(ver.0.9とか0.78とかそういうやつ)の試作ファームの個体になりますので、AF/AE/AWBなどの動作が製品版とは異なる場合があります。
本レンズ、2018年末の登場時に密かに狙っていた1本だったりもします。というのも56mmにしては50cmまで寄れるっていう接写性能にビビッと来たからです。
フジにはXF56mmF1.2Rという猛者が存在しますが、こいつが70cmまでしか寄れないし倍率も0.1倍未満。「マジ寄れねぇ」の代表格。
これを何とかしたいと中間リング買ったりもしたけれど、中間リングって装着時は無限遠が出なくなるというか接写専門になるのでスナップ運用が難しいんです。かくいう私は早々に使わなくなりました。
やはりレンズ単体でソコソコ寄れるというのが嬉しいもの。そんな感じで悶々としていたところにシグマから56mmF1.4 DC DN | Contemporaryが登場したのですごく気になっていました。
だって最短50cmで最大倍率約0.14倍までイケちゃう。Xマウント版が存在しなかったので「もうα買ってしまうか?」と真剣に悩んだことを昨日のように思い出すことが出来ます。
ぶっちゃけ、「買い替え前提」で書いてますから!
ってことで、買い替え前提でネットリと評価しています。
例のごとくX-H1とX-Pro2に組み合わせて試用していますが、動作感については先に紹介している2本と全く同じ。
ボディ内手ブレ補正(IBIS)を持つX-H1との組み合わせでも、特にIBIS動作については全く不満や不信はありません。
AF駆動については、時々精度にバラツキがあるってこととAF-C時に迷う頻度が上がる症状があるなど、16mmや30mmと同じ挙動がありました。恐らく通信タイミングが完璧に同調出来ているワケではなさそうなので、ここが解決すれば問題なさそうです。※追記 製品版では解決しておりました!
16mmや30mmと比べて56mmはコンパクト。パッと見だとこのレンズの方が30mmっぽさがあって、試用中は56mmと思って装着したら30mmだった、とか30mmだと思って装着したら56mmだった、みたいな事が何度もありました。ま、自分が悪いんだけどね。
話を戻して本レンズはナカナカの軽量コンパクト。フード込で約300g。レンズ重量が350g未満だと「あ、ついでに1本持っていこうかな」という気持ちになります。何故に350gか?というと小サイズのペットボトルがこのくらいの重さになるから。これくらいならいつもの機材にプラスしても苦になりません。
けっこうネットリ比較しました…VS XF56mmF1.2R
シャープネス
ボケ味
逆光耐性
最短撮影距離
では比較編。お相手はもちろん、フジXF56mmF1.2Rです。
比較するとシグマ優勢です。たとえば輪郭部のフリンジが少ないし前ボケも煩くないです。逆光シーンについては純正がクリアに写ることが多かったです。
ちなみにフリンジは仕事で使うには出ないもしくは少ない方が嬉しいけれど、趣味の場合はどっちでも良い派です。モノクロだと柔らかくなるし、写真が生っぽくなるようにも思うから。
光源ボケについては基本的にあまり気にしない豊田ではありますが、パッと見でもシグマがキレイだね。撮影絞りがf/2.0です。純正は絞りのカタチが分かりますが、シグマは1段絞り込んでもなおキレイです。
また、同じシーンで最短撮影距離の比較をしてみると一目瞭然。コレだけ違うとできる事がまるで違ってくるので、大好きなXF56mmF1.2Rと言えども苦しい立場にあります。
「フィルムシミュレーション」をイジる愉しみがあるんだな
単体で遊んでいる感じでは純正がカッチリ系でシグマは自然派って感じかな。正直どっちも素晴らしい写りだと思います。
使っていて気になったことは純正の方が現状ではAF精度が明確に良いこと。まぁこれはベータ版だから、だろうね。他の2本と比べて焦点距離が長いので余計にピント精度は気になりました。
シグマで感心したのはやはり寄れること。純正ではお花などは撮りたくても撮れないというか、どうしても引きの構図で狙ってしまうことが多かったのでシグマの自由度の高さにはクラっと来るものがあります。
あとワリと自由自在というか硬く撮ろうと思えば硬くできるし、柔らかく撮ろうとすれば柔らかくも撮れるところが良かった。というのも、シグマはf/4.0まで絞るとカリッとするのよね。
絞りを開けていてもシャープはシャープなのだけど、カリッと系ではなく繊細な感じなので色々な表情を楽しめると感じました。
なので、作例でもフィルムシミュレーション「ETERNA」と「Classic Chrome」で両極端な感じにしています。
色々な撮り方に対応出来ることと比較的軽量コンパクトなこともあり、他の2本と同様に「あぁこれはContemporaryだ」という納得がありました。
撮ってて気になったのはやはり絞りリングの有無。これについては仕方ないところだね。
装着時の格好良さはXF56mmに軍配が上がると思いました。このレンズは気分が上がるんだよねぇ。
定価は税込みで6万2700円。16mmF1.4 DC DNコンポラと同じく実売だとゆくゆくは5万円前後で手に入るようになると思います。これはバーゲン価格だね。