◆今となってはRFレンズが最大の弱点?

山田:本来は(EOS)Rが主戦場なはずなんだから。そのRをいつまでも放っておくことはないと思うな。
諏訪:もしかしてキヤノンは、Rはなかったことにしようとしてるのかな(笑)
山田:さすがにそれはないかなー。
編集部:始祖でもあり、一番の売れ線ボディですからね。
山田:だよね。ボディが20万円台前半で、レンズキットで30万円以内っていうのがRの役目だから。R6ほどの機能はいらない。適度に高画素、適度に軽快であること。(ボディ内)手ブレ補正も必要だと思うな。
森田:α7 IVみたいな位置付けのベーシック機。
山田:33メガかー。いい落としどころかもね。言い方は悪いけど、(EOS)R5とかR6っていうのは、今のキヤノンユーザーからすればちょっと高いものを買わされているって感じがする。キヤノンならもっと違うものが作れる、という意味でね。
森田:それは次のフェーズにいくという意味で?
山田:うん。R3の完成度を見せられると、その上も下のモデルもすごく期待できるから。
森田:なるほど。
山田:上のモデルについて言えば、精度と耐久性だと思うな。
編集部:フラッグシップの絶対条件。
山田:耐久性っていう意味だと、キヤノンが(EOS)R1って名付けるからには、今よりもうワンランク上の耐久性を持ってると思う。
諏訪:ヘリから落としても大丈夫とか(笑)
森田:R3よりも軽くて高剛性、ドローンに載せて墜落してもボディはへっちゃら、みたいな(笑)
山田:いや、あながちそれも冗談ではないんだよね。だってEOS1系って、水没しても大丈夫だった、って話は昔からあるから。
諏訪:いや、でもボディはともかくレンズがダメになるでしょう。
山田:中には生き残ったものもあった、って話だよ。
宇佐見:マジっすか?
森田:まあレンズにもよりますよね。
諏訪:水が入るとEMDが(電磁絞りユニット)がすぐ壊れるから。
山田:実際にEOS1系のボディは、カメラの外側が二重になってるような構造だから本当に中に水が入ってこない。まあ、故意に沈めるかどうかは別として(笑)。たとえば豪雨の中でとか。そういう世界にはやっぱりR3はまだっていう感じじゃないかな。
諏訪:すごい。だとすると(EOS R1)は陸両用のカメラになっちゃったりするのかな。
森田:堅牢だけど軽いドローンとのキット販売とか(笑)
山田:いや、むしろ重くして堅牢にすると思う。
諏訪:えー。
森田:ある程度重さがあったほうがいい、っていうのはあるけれども…。
山田:その辺は動画をどう扱うかっていうところもあるよね。ここで動画も欲張るとヘンなお化けになっちゃう可能性もある。普通のカメラの形じゃなくなってしまったらイヤだしね(笑)
編集部:北京オリンピックに向けてなんか出してこないんですかね?
豊田:北京はもう間に合わないです。
山田:もう間に合わないね。
森田:もう間に合わない。じゃあ…フランスか。
豊田:次のフランスじゃないですか。公式カメラになるだろうし。
山田:あとは…レンズがもうちょっといい形にならないかなあ。
諏訪:うん。レンズがもっと良くなって欲しいね。
山田:収差補正を使いすぎ、っていうのがすっげー気になる。たしかに小型軽量化は分かるし、便利ではある。でもちょっと行き過ぎてるような気がする…。
編集部:いわゆるボディ内補正。
山田:うん。ボディ内補正。(RF)24-240mm(F4-6.3 IS)みたいにRAWをそのまま見ると周辺写ってないのが見えちゃうとかさ。
豊田:テレ端で解像してないとか。そもそも当たり外れが大きい。
山田:あれぜんぜんダメだよね。
豊田:ぜんぜんダメです。
編集部:ぜんぜんダメっていうのは…。
山田:ちょっと言いにくいけどね。
CMJ:いえ、大丈夫です。
森田:すでにレンズのムック(※カメラマンリターンズ#2)で散々言ってますから。
山田:あのレンズをキヤノンブランドで出したっていうこと自体、ちょっと違うと思った。キヤノンの本来の描写とはほど遠いから。
森田:でもそういうのは重要ですよ。ちゃんと言っていくことはね。
編集部:あー、それは、なんというかMAKUAKEレベルだったってこと?
諏訪:MAKUAKEはこの際、分けて考えましょう(笑)
豊田:最近のキヤノンらしくないっていうか。せっかくR5やR6とかしっかりしたボディが出てきたのに、すごいへっぽこなレンズが出てきたんです。ちなみに(RF)24-105mmも安いほうが全然よく写ります。
山田:そうなんだよね。
豊田:高いのによく写らない。キヤノンって、安いレンズであってもAFがいいから。
編集部:じゃあボディはがんばりましたね、と。すごくがんばりました。次の課題はレンズである、と。
豊田:そうなりますね。高いなりのレンズを出してくれよ、っていう。
編集部:もうその辺で止めません?今回はボディの話なんでー。
諏訪:(EOS)RからR5、6になったぐらいの進化をレンズでも見せてくれれば、ある意味、もう完璧なシステムになると思います。
編集部:つまり、現状ではレンズがダメダメということで。
諏訪:だからそうやって蒸し返さない(笑)。締めようとして言ったんだから。そら、ダメはダメですけどね(笑)
森田:別にRFレンズ全部ダメなわけじゃないでしょう。
諏訪:いや。最新以外は全部ダメかもしれない。ここ1年くらいまでの当初からのものがほとんどダメというか。
編集部:あー。
森田:本当に?そうなの?
諏訪:ある程度いいものもあります。でも、この値段でこれかよ、っていう感じです。あと補正が変な風に効いちゃっているのもあって…。そんなのが多いんです。
森田:それじゃあRは買うなっていうことじゃん(笑)
諏訪:ん?そこまでは言わないようにしてたんだけどね(笑)
編集部:ここまでの話はWebでひっそりと流します。
山田:(笑)。いえいえ、(レンズを)作ってる人たちにしてみれば、マウントが変わってとにかく嬉しいんですよ。ボディ内の収差補正とかを使えたらこんなことまでできるのにな、っていう夢を1つずつ叶えているというか。そんなに責めないでほしいな(笑)
坂本:それって、ニコン(を就職試験で受けて)落ちた人たち?
諏訪:いや、さすがに次の世代でしょ(笑)
山田:その人たちが、(EOS)Rになって1つ1つチャレンジしてるのはよくわかるんです。ただその中にはキヤノンブランドとしての基準をちょっとだけ踏み外しているやつがあるのかなって。逆に言えばキヤノンに求める期待値がそれだけ高い、ってことなんですよ。
諏訪:他のメーカーみたいに、レンズ補正を見越した設計をしていますよ、ってあらかじめ言ってくれていればいいんですよ。でも、ウチのはレンズすごいんですーって言っておきながら、ある日いきなりファームアップで補正される(笑)。何やってるのって話になっちゃいます。
山田:そこは、まあ(笑)。いろんな夢を見せていただいているので…こんなにちっちゃいのとか、こんなに軽いのとかさ(笑)。欲を言えば、もうちょっとそのレベル上げてくれると嬉しいな、って感じですかね。ボディはいいんだからさ。
編集部:ボディはいい。もう一回言います。キヤノンのボディはいい。
諏訪:いや、ボディは本当に良くなりましたね。
豊田:本当にいいです。
山田:だって(EOS)Rが出てから3年しか経ってないんだよ。3年でここまで進化したシステムって、まずないから。
諏訪:本当に何度も言うけど、Rでの失敗からだから。失敗って言っていいのかな(笑)
山田:だって3年でここまできてるっていうことは、(EOS)Rが出たときには、すでにR5/6もR3も固まってたってことだから。
諏訪:設計段階のベースはできてたはずだからね。
山田:そうそう。だからきっとね。(EOS)Rの発表会とかで、みんながいろいろ言ったじゃない。えー、ミラーレス一眼最後発なのにこの程度かよー、みたいな(笑)。たぶん、一部のキヤノンのスタッフはすっげー悔しかったと思うんだよ。
諏訪:いや、かも知れないけど…。もしかしたら(EOS)R3にもファンクションバーはあったのかも(笑)。でも、その後のダメ出しで軌道修正して元に戻したのかもしれない(笑)
山田:やっぱりダメだったかー、って言ってる人が半分くらいいたかもね(笑)
編集部:はい。キヤノン終了です。
(でも実際はさらにキヤノン批判が続く。その過程はムックにて!)

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