堂々の「国内発売未定」って…。
真面目に考察してみると、半導体不足の影響があるから、いつ実売できるか分からない、という意味で「国内発売未定」としているのだろうとは思うけどね。同時にクリップオンストロボも登場してるってのがアツいね。ストロボって写真ならではのテクニックだから。
御託はこの程度にして、再びベーシックの文言をぶっ込んで各方面に喧嘩売って来ましたね。とても良いです。「ベーシックとはなんぞや?」という疑問が解決するか否かのタイミングで、さらに混沌へと突き落とす「Beyond Basic」と来たもんだから、ソニーってばセンスあるよ。どこぞの“The Next Chapter”とはひと味もふた味も違うね。α7 IVの紹介動画を見てみると、Z 9のテザー動画が陳腐に感じるほどの充実っぷり。本当に“It's a Sony”で、もうソニーのベーシックを基準にするなら、他社機は殆んどがベーシック以下となってしまうよね。
AFの進化は当然期待できるでしょうね!
では、スチル性能に着目して話をススメますが、スチル性能だけに着目してみても進化の充実っぷりには目を見張るものがあります。たとえばエンジンが刷新されたので、クソ使い難かったUIがα1とかα7S Ⅲと同じデザインになったのはマル。操作レスポンスもα1と同等レベルに達しているんじゃないかな。
個人的に注目しているのがAF。α1のアルゴリズムを採用ということだし、AF性能に関係するエンジンについてもBIONZ XRの2機掛けなのでスチル用途に限って言えば相当な余裕があると思います。
α1で色々テストしてみた経験を元に述べますが、AFには全幅の信頼を寄せて良いと考えて間違いないでしょう。紹介動画を見ても画角内の距離を上手くゾーニングして認識・判断しているような振る舞いだったので「おっ」と思いました。
こうした被写体判別系の処理は、演算性能の暴力が効く、というのはよく聞く話だし、実際に紹介動画ではビシバシ認識していたけど、得手不得手はありますがα1では紹介動画の通りの感じでビシバシ認識します。あの感じがα7 IVにもあると思うと激アツです。
ローリングシャッター歪みは…上位機に立場もあるからね。
処理関連を一新しているとのことで期待したいのが、画像再生時のレスポンス。α9 Ⅱまでは正直表示が遅くてイライラするシーンがありました。これについてはかなり改善されていると思います…が、実際に触ってチェックしてみたいところだね。連写後の書き込みビジー中に操作が怪しくなるところとかも見てみたいしね。
センサーは新開発の33MPの裏面照射型CMOSセンサー。メモリ積層タイプじゃないからローリングシャッター歪みは多少はあるでしょうな。画質的には絵作りの世代の都合もあって、α7Cとかα7 Ⅲは比較すると正直古い感は否めなかったので、とても期待しています。
新しいクリエイティブルックも魅力的に思いました。特にFL(何の略だか不明)とかは凄くフジのフィルムシミュレーションのクラシッククロームっぽいよね。どんな設定があってどんなことができるのかとても知りたいし、BW(たぶんモノクロ?)がどんな再現なのかテストしてみたい気持ちでいっぱいです。
絵作りついでに、ラティチュードが15ステップってことだけど、これは別に「ふーん」って感じです。広ければ良いってもんでもなくて、大事なのは画像設計の思想とどう使いこなしているのか?という部分。簡単に言えば、写真の再現性が良ければどんなスペックでもOKという結果が全ての話だからね。
圧縮RAWとJPEGの同時記録で1000コマオーバー!
バッファが相変わらず鬼。圧縮RAWとJPEGの同時記録で1000コマオーバーってね。どういうシーンでそういう使い方するんだろう? 秒10コマの最速連写で2分弱撮りっぱなしっていうシーンをちょっと想像できませんが、可能性はとても感じます。コマ速据え置きなのと画素数が微増程度なので「α7 Ⅲとスチル性能はあまり変わってないね」と感じるかも知れませんが、「よく見ろ! 全然違うだろ!!」と。
少なくともAFが別モノだからね。撮影効率上げたいなら迷わず買い替えでしょう。とは言えα7 Ⅲで特に不満を感じていないなら引き続き使えば良いと思います。
動画は凄いね。総じて、α7 IVには性能進化と効率の追求がアピールされていて、それをヒシヒシと感じました。だけど、撮影の楽しさについては全く触れられてなかったのが気になります。紹介映像見てても性能はソニーらしいけど、ワクワクはしなかった。α7が登場した時はそれはもうワクワクしたものです。α7 Ⅲもワクワクしたね。ベーシックの概念をブチ壊してきたから。
α7 Ⅲは使ってみると性能が凄いけど、道具として触れ合ってみると「うーん」となる部分も多々あるので「良くも悪くもソニーらしいな」と思いました。
エポックメイキングなカメラの4代目ともなれば性能以外にもアピールするところがあって良かったと思いますが、「動画性能が凄いよ」とか、「Vlog向けの機能が充実したよ」とか、「性能改善で撮影が快適になったよ」みたいな話ばかり。
それでもニコンが自信満々にZ 9のテザーでやってたようなAFをサラリとベーシックモデルにぶっ込んで来る辺りにソニーらしさを感じはしました。が、やっぱりそれはワクワクではなかったと思うのよね。
αで仕事するには良いけど、心を豊かにはしてくれない感じがしました。あるいは今後RX1みたいに趣味に振ったモデルが控えているからこそ、ソニーの考える「ベーシック」の立ち位置をよりハッキリとさせるために、こういったアピールの仕方を採用したのかも知れません。質問なんだけど、国内発売するよね? ソニーさん?