本日、パナソニックから発表されたF1.7通しのハイグレード・ズームレンズを、我らがトヨタがテスト! これってどういうこと? そういうことなんです。

はい。F1.7通しですから。サイズとお値段は覚悟しましょう。

画像: ぶっちゃけ、デカいっす。でもF1.7通しだからなぁ…。
ぶっちゃけ、デカいっす。でもF1.7通しだからなぁ…。

GH6と同時にチラ見せ(開発発表)された本レンズは、2019年に登場したLEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.の望遠側担当ってのは想像に難くないと思います。実際によく似たデザインだしサイズ感も近似。持った感じも記憶とだいたい同じなので同寸かも知れません(註:サイズ・重心バランスともほぼ同じ)。

現物を手にして思ったのは、「大きい・太い・重い」の三拍子揃ったパーフェクトボディ。そこに「エクスペンシブ」の追撃が来るのは確実でしょう。その代わり、と言っちゃアレですが質感が高くて操作感は申し分ナシでございます。もちろんズーム操作してレンズを上に向けても自重で落ちてくるみたいな無様は晒しません。

画像: 当然ながらGH5 M2 とのバランスは良好。まあ、来たるGH6が、あり得ないくらい巨大だったりコンパクトだったりもしないということなのでしょう。

当然ながらGH5 M2 とのバランスは良好。まあ、来たるGH6が、あり得ないくらい巨大だったりコンパクトだったりもしないということなのでしょう。

超速かつ無音AFはm4/3ならでは!

画像: 画像だけ見てるとm4/3と思えない。キレイにボケてるしガリガリしてない…メチャクチャ良いというか好きな描写。絵作りも何だか素敵だし、パナソニックはフルサイズやってひと皮ムケた感があります。 ■GH5 M2 絞り優先AE(F1.7 1/3200秒) プラス1.0露出補正 ISO200 ※L.クラシックネオ

画像だけ見てるとm4/3と思えない。キレイにボケてるしガリガリしてない…メチャクチャ良いというか好きな描写。絵作りも何だか素敵だし、パナソニックはフルサイズやってひと皮ムケた感があります。
■GH5 M2 絞り優先AE(F1.7 1/3200秒) プラス1.0露出補正 ISO200 ※L.クラシックネオ

お!と思ったのが、AFの速度。マッハ&ほぼ無音。このスパッとAFする感じはm4/3ならではの感覚。最近のフルサイズミラーレス用の大三元ズームレンズも相当速いですが、明らかにこのレンズの方がAFは速いです。

m4/3だとハイパーなスペックのレンズであっても比較的小さく作れるので、メカや機構、モーターに対して負担を小さくすることが出来、AF速度と静粛性についても有利に働きます。フルサイズ用の大口径レンズってやっぱりレンズが内部で動いてる様子が伝わるからね。

画像: フォトスタイルの調整でコントラスト上げてみましたが、それもまた良し。ニコン的な光学性能番長とはまた方向性の異なる性能の出し方。光学性能会長とでも言いましょうかね? あ、階調と会長を掛けてますよ。 ■GH5 M2 絞り優先AE(F2.2 1/1000秒) マイナス0.3露出補正 ISO200 ※L.モノクロームD

フォトスタイルの調整でコントラスト上げてみましたが、それもまた良し。ニコン的な光学性能番長とはまた方向性の異なる性能の出し方。光学性能会長とでも言いましょうかね? あ、階調と会長を掛けてますよ。
■GH5 M2 絞り優先AE(F2.2 1/1000秒) マイナス0.3露出補正 ISO200 ※L.モノクロームD

パーフェクトボディに関しては10-25mmF1.7登場時にもアナウンスがあった「開放F1.7の単焦点レンズ5本分をカバー」の感じが本レンズにも当てはまりますが、こういうアピールってプロ向けな感じがします。趣味レンズとして高性能なレンズが欲しい人には訴求力が無い気がしてしまいます。

話を戻して、スペックのワリには良心的なサイズにまとめられていると思いました。仮にこのスペックをフルサイズ用の、というかSシリーズ向けでやったら「パナソニックは暗黒面に堕ちた」と、少なくとも私は思います。何が言いたいか? というと「フルサイズじゃないから実現したレンズだよね」ってこと。

これまでの「ガッチガチ描写」から一歩抜けましたな。

画像: パナはモノクロも良い。レンズもボディも絵作りも良いから撮影に夢中になったよね。このレンズ本当に良い。高いだけある。シャープなんだけど尖ってない上品な感じ。 ■GH5 M2 絞り優先AE(F3.2 1/400秒) マイナス0.7露出補正 ISO200 ※L.モノクロームD

パナはモノクロも良い。レンズもボディも絵作りも良いから撮影に夢中になったよね。このレンズ本当に良い。高いだけある。シャープなんだけど尖ってない上品な感じ。
■GH5 M2 絞り優先AE(F3.2 1/400秒) マイナス0.7露出補正 ISO200 ※L.モノクロームD

m4/3のレンズって解像に振ったレンズが多い印象をまだ持っているから「どうせカリッと高性能系なんでしょう?」という冷やかな目で見ている節がトヨタにはありました。さらに言えばつい最近までZ MC105mmF2.8S(ニコンね)が手元にあった事も影響して、理不尽なまでにキビシイ評価基準が自分の中にあったのです。

でも撮ってみたら「これは本当にm4/3かな?」と感じさせる素敵な写りに闇は払われたのです。開けてヨシ、絞ってもヨシ。画角のワリに寄れるのも素敵だし、寄っても引いてもヨシ。もうね、めっちゃ良い。

画像: この空の色、ポートラですね。それにしても連続したトーンの再現が美しいし、距離感を上手く表現できている。これでもm4/3だってんだから困っちゃうよ。欲しいねぇ。 ■GH5 M2 絞り優先AE(F2.0 1/5000秒) プラス1.0露出補正 ISO200 ※L.クラシックネオ

この空の色、ポートラですね。それにしても連続したトーンの再現が美しいし、距離感を上手く表現できている。これでもm4/3だってんだから困っちゃうよ。欲しいねぇ。
■GH5 M2 絞り優先AE(F2.0 1/5000秒) プラス1.0露出補正 ISO200 ※L.クラシックネオ

GH5 M2とのマッチングも素晴らしくて、こんなに清々しい気持ちで撮影に集中出来たのは何時以来だろう? って思ったくらいに肌に馴染む感じで撮れたことが印象的だったし、レンズが応えてくれる感じ(あと一歩寄りきれないとか、AFが追いきれないとか、そういうのが無い)がとても良かった。上機嫌で帰宅して、画像チェックしてさらにニンマリ。
今年、テストやレビューで担当したレンズは今の所全部文句ナシに素晴らしかったのだけど、このレンズも良いねぇ…。m4/3のボディ持ってたら危ないところだったね。

推測にはなりますが、パナソニックはフルサイズをやったことでm4/3の魅力というか大きな可能性に改めて気付いたのだと思います。じゃないとこういうレンズって企画商品化できないと思うし、フルサイズをやったことで、心置きなくm4/3ならではの強みを伸ばすことに専念できたんじゃないかな?

そういう突き抜けた感のあるレンズになっていると思います。あと、Lumix GシリーズとSシリーズで、フォーマットサイズがふたまわり違うのに写真の印象が良い意味でそれほど変わらないところも良いよね。だってさ、EOS M系とR系って何か違うもんね。

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