本展は、ワイフェンバックさんにとって約20年以上にわたる写真家キャリアを振り返る内容となり、2019年春に埼玉で撮影された新シリーズの未発表作品5点も展示されています。
夢の中にいるような瞑想感漂う光輝く写真といわれる彼女の作品を、鑑賞したことがある方も、そうではない方も、きっと心が澄み、ときめきを感じ、体も心もリフレッシュできるような、新しい発見がある写真展です。
身近な自然風景と、小さな命たちへの眼差し
ワイフェンバックさんは、ピンボケ画面の中にシャープにピントがあった部分が存在する写真が特徴で、何気ない日常の中に存在する自然風景や植物、鳥などを撮影対象としています。
自然を愛し崇拝する感覚を持ち、それらに接する彼女は、普段見過ごしてしまいそうな「自然」に眼差しを向け、カメラを通して提示することが大きな作品テーマとなっているそうです。
ワイフェンバックさんの作品を鑑賞していると、誰もの身近にあるはずの自然風景が、こんなにも特別で美しく、花や鳥、昆虫といった小さな命たち、そして彼らをとりまく世界の空気感が、キラキラと光り輝いていることに驚き、胸が高まります。
また、元々は絵を描くアーティストであり、長年ライカを使用していたワイフェンバックさんは、デジタルカメラで撮影することで、表現の幅が大きく広がったそうです。
本展は、ワイフェンバックさんの約20年以上にわたる写真家キャリアを振り返る内容ですが、今後の新たな方向性として、絵画を感じさせるような抽象的な表現に挑戦している作品も鑑賞できます。
ワイフェンバックさんの作品をより深く知れる機会であると同時に、今後どのような作品を制作されていくのか、とても楽しみな気持ちになれる写真展です。
埼玉県と静岡県で開催される作品展示に合わせて
ワイフェンバックさんは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開幕が延期となっていますが「さいたま国際芸術祭2020」に参加します。2019年の春に埼玉を訪れ、同芸術際のテーマ「花/Flower」を念頭に置いて作品を撮影した新作が、メイン会場の旧大宮区役所で展示される予定です。
また、静岡県長泉町のヴァンジ彫刻庭園美術館で開催中の「The Sense of Wonder」展(8月31日まで)にも参加しています。
ブリッツ・ギャラリーでの今回の写真展は、埼玉県と静岡県で行われる2つの作品展示に合わせ開催されています。
展覧会情報
テリ・ワイフェンバック写真展「Certain Places」
会場:ブリッツ・ギャラリー
住所:東京都目黒区下目黒6-20-29
TEL:03-3714-0552
会期:2020年3月14日(土)~ 5月24日(日)
開館時間:13時 ~ 18時
休廊日:月、火曜日
アクセス:JR目黒駅からバス「目黒消防署」下車 徒歩3分/東急東横線学芸大学下車 徒歩15分
入場無料
Terri Weifenbach(テリ・ワイフェンバック)さんプロフィール
1957年米国ニューヨーク州、ニューヨーク市生まれ。2019年以来、フランス・パリに在住。
メリーランド大学で絵画を学んだ後、約30年以上に渡り写真家として活躍。また教育者としても、コーコラン・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン、ジョージタウン大学などで教鞭を執っていました。2015年にはグッゲンハイム奨学金を得ています。
写真集に「In your dreams」(1997年)、「Hunter Green」(2000年)、「Lana」(2002年)、
「Between Maple and Chestnut」(2012年)、ジョン・ゴセージ氏との共著「Shake Eyes」(2002年)などがあります。初期作はレア・フォトブックとしてコレクターズアイテムになっています。
作品はアリゾナ大学 Center for Creative Photography、サンタバーバラ美術館などの世界中の美術館でコレクションされています。2017年、IZU PHOTO MUSEUM(静岡県)で「The May Sun」展を開催。2020年、「さいたま国際芸術祭 2020」に参加。ブリッツ・ギャラリーでは、2008年に開催した「Lana」以来、複数回の個展、グループ展を開催しています。
*新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当サイトに掲載している写真展等の内容が変更となる可能性があります。最新情報につきましては公式サイト等からご確認ください。