予測が難しい「飛翔する鳥」を自在かつ正確に捉えるAF!
α7R Ⅳを使ってまず感心したことはAF性能の向上だ。AFの速度と精度は格段に良くなっている。リアルタイムトラッキングAFがついたことによって、AFの追従が強力になった。1枚目でピントが合いさえすれば、2枚目以降もグイグイ食いついてくれる。
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■ソニーα7R Ⅳ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS (100mm相当) 絞りF5.6 1/2000秒 ISO200
高速で飛翔する鳥を、まずは真ん中に来るようにAFで追いかけて、そこから画面の中で自分の置きたいベストポジションに来たら、そこでシャッターを切ることがさらに容易になったのは最も歓迎すべき点だ。ちなみに飛翔する鳥を撮影するAF-Cの時には「トラッキング:ゾーン」を選択し、止まっている鳥を撮影するAF-Sの時には「フレキシブルスポット:S」を選択することが多い。
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■ソニーα7RⅣ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS (212mm相当) 絞りF5.6 1/2500秒 ISO640
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■ソニーα7R Ⅳ FE 600mm F4 GM OSS 絞りF5.6 1/2000秒 ISO320
下の写真はハマシギの群れが飛んでいるところをAF-C+トラッキングゾーンで撮影。AFが追従を始めると、ハマシギを捉えて離さなかった。
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■ソニーα7R Ⅳ FE 600mm F4 GM OSS 絞りF5.6 1/2500秒 ISO250
中央左上のハマシギを拡大してみてもご覧のとおり!
上の写真、ピント位置を拡大しても、気持ちがいいくらいに解像しているのがわかるだろう。
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レンズはメインでFE600mm F4 GM OSSを使っているが、このレンズはリニアモーターをふたつ搭載したことでAFがスピーディーになり、ボディのAF追従性能を最大限に引き出してくれる。α7RⅣとFE600mm F4 GM OSSを組み合わせることで、飛びモノの撮影は極めて容易になった。
α7RⅣを使ってみて、すぐに感じたことは、いろんな意味でとても使いやすくなった。手に取った瞬間に分かるのだが、前モデルに比べてグリップが深くなったので、握りやすくなった。2つめはファインダーが第3世代のα7R Ⅲよりも、格段に見やすくなった。聞けば従来の約369万ドットから約576万ドットになったそうだ。3つめは露出補正ダイヤルにロック機構がついたこと。そして4つめは各種ボタン類が大型化されて、押しやすくなったことだ。
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■ソニーα7R Ⅳ FE 600mm F4 GM OSS 絞りF5.6 1/1250秒 ISO250
言うまでもなくα7R Ⅳの最も改善された点は、約6100万画素と高画素化されたことだ。APS-Cにクロップしても約2620万画素残るのは実に有り難い。そして6100万画素もあるにもかかわらず、約10コマ/秒で撮影でき、ダイナミックレンジも広い。画素数だけではない圧倒的な高画質とスピードの両立は、すでに第4世代目に入り、ミラーレスで先行しているソニーだからこそできたのではないか。
山田さんの撮影状況(動画)はこちらから
月刊カメラマン2019年11月号「ソニーα7R Ⅳで野鳥を撮る! 写真家・山田芳文」
youtu.be今回の作品撮影で使用した機材はα7R Ⅳ+FE 600mm F4 GM OSS
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α7R Ⅳ
●有効約6100万画素 35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー
●高精細な描写力と優れた色再現性を実現。
●567点(位相差AF)/425点(コントラストAF)
●AF/AE追随 最高約10コマ/秒高速連写
●最高5.5段 光学式5軸手ブレ補正
●576万ドットの高解像度電子ビューファインダー
●常用ISO100-32000、拡張ISO最高102400
FE 600mm F4 GM OSS
●小型・軽量の“G Master”超望遠レンズ
●ダイレクトドライブSSMと2つのリニア・モーター
で撮影者の意図に即応する高速・高精度AFを実現
さらにソニーのαシリーズの世界を知るなら「α Universe」へ
撮影と解説は山田芳文さん
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大阪府生まれ。野鳥を中心に生き物を撮り続ける。作品は主にバードウォッチングの専門誌や自然保護団体の会報誌、児童書などで発表している。著書は「野鳥撮影術」(日本カメラ社)、「写真は構図でよくなる」(MdN)など。