焦点工房より発売されたばかりのマウントコンバーター「Fringer FR-FX2」
さて、記念すべき第1回めは焦点工房より発売されたばかりのマウントコンバーター「Fringer FR-FX2」を紹介しましょう。次回には実写編をお送りします。このマウントコンバーターはキヤノンEFマウントのレンズを、富士フイルムのXシリーズカメラのXマウントで使用するためのもの。名前にも「2」とある通り2世代目のモデルです。
マウントコンバーターを紹介するにあたり最初にお伝えしておかなければならないのは、ボディとレンズは同じメーカー、つまり純正レンズ(あるいは正式に対応しているレンズメーカー製レンズ)を使用することが一番動作は安定しており、最適といえます。
社外品のマウントコンバーターは動作に問題があるものもあり、ユーザーの自己責任で使用する必要があります。とはいえ動作の安定したモデルならとても便利に使用でき、いろいろなレンズを使用することもできます。今回とりあげるFringerのマウントコンバーターは安定している部類なので安心して紹介できるものです。
まず焦点工房が扱っているFringer社のマウントコンバーターのおさらいをしておくと、これまでもEFレンズ-Xマウントのコンバーターは「FringerFR-FX1(EF-FX PRO)」と「FringerFR-FX10(EF-FX)」を販売しており、評判は高いものです。
Fringerのマウントコンバーターは精度が高いものが多く評判も高いのですが、電子接点を持つ電子マウントコンバーターとして重要なのはその電気的な駆動の部分。この点もFringerはファームウェアの見直しを早いサイクルで行なっており、純正・非純正問わず対応レンズの拡充も着実に進めています。
最新の対応レンズリストはFringerのサイトに掲載されています。
これまでの2モデルの違いはFR-FX1はプロ仕様とし絞りリングを搭載し、FR-FX10はリングがなくカメラボディ側の電子ダイヤルで絞りをコントロールするもの。筆者はこれまで絞りリングのないFR-FX10を使用してきましたが、キヤノンの純正EFレンズ、EF-Sレンズでは挙動も安定して使えており、対応レンズリストになくともシグマ、タムロンの多くのレンズでも安定して使用できていました。
ただタムロンの一部のレンズではVC(手ぶれ補正機構)との挙動が今ひとつなこともあり、まれにですが「カコン」とVCの可動域いっぱいに動いてファインダーがブラックアウト、すぐにリセットされて普通に使える、といった症状が出ることがありました。
しかし一瞬の出来事なので使えないといえる程ことでもありません。同様のことが起こるレンズがいくつかありましたが、これはレンズ側ファームウェアとのマッチングで発生の有無が変わることもあります。
そんな中プロ版の新モデルFR-FX2が発売となったため使うことにしました。まず、先に触れたタムロンレンズでのVCの挙動の問題が起こらなくなっています。ちなみにFR-FX2発売のタイミングに合わせFR-FX10のファームウェアが更新となり、機能的にはFR-FX2と同等(絞りリングはもちろんないので効かないが)とアナウンスされました。
しかし筆者が試した限りではタムロンレンズでのVC挙動には変化はほとんど感じられませんでした。FR-FX2は筆者が所有している色々なレンズで挙動は安定しています。筆者はFR-FX1での実写経験はありませんが、絞りリングの位置が少し変わり操作しやすくなっています。
写真下左がFR-FX2、右が筆者がこれまで使用していた絞りリングのないFR-FX1。FR-FX1もファームウェアがアップされFR-FX2と同等とアナウンスされているが、厳密にはFR-FX2の方が動作は安定している。FR-FX1の方が安価だが、これから購入するならFR-FX2がおすすめ。
FR-FX2をはじめシリーズに共通しているのは、AFはAF-S、AF-Cに対応し、顔検出、瞳AFに対応。撮影焦点距離や露出情報はExif情報に記録可能とユーザーに必要な機能は一通り盛り込まれています。
AFの速度と精度はカメラ側のAF性能によってかわり、像面位相差方式を行うため像面位相差AFの使用できるポイントが多いX-Trans CMOS IIIセンサー搭載機が有利となります。
ファームウェアの更新もユーザーがパソコンで可能。これらはシリーズに共通しているものです。ではFR-FX2購入のポイントはどこにあるか、その他のポイントを見てみましょう。