フォトコンテストに参加してみよう
写真が好きで数々の作品を撮り溜めている人や自分の作品を多くの人に見てもらいたいと考えている写真愛好家の人が多いと思います。その想いを実現する絶好の機会がフォトコンテストです。コンテストに出展することで誰かとその写真を共有するきっかけが生まれますし、入選した人の写真を見て新しい世界に興味の幅が広がることもあるでしょう。
コンテストに応募することで自分の写真に足りない部分がわかったり、その作品をたくさんの愛好家の人に見てもらう、そんなことも写真の楽しみ方の一つだと思います。コンテストに入賞したり、表彰されたりといったことになればもっと写真が好きになると思います。表彰式などで同好の写真仲間が増えれば写真を撮る楽しみもきっと増えるでしょう。そして、応募するのであれば上位入賞を目指して頑張りましょう!
はじめに
写真はジャンルによってはある程度のセオリーが存在する場合もありますが、撮り方に正解はありません。唯一あるとすれば自分が伝えたいことをどれだけ写真の中に込められるかでしょう。自分が伝えたかった意図がどうすればより伝わるのかを主役である被写体の見せ方で解説していきます。
構図を工夫して主役を明確にしよう。
タイトル:晴れ姿
結婚の誓いを終え、夫婦としての一歩を踏み出した新郎新婦。そんな彼らを祝福しようと長い列を作って見守る人たちのワンシーンですが、タイトルにある「晴れ姿」が新郎新婦を指しているとするならば、主役である彼らの存在があまりにも残念に切り取られています。この構図では画面中央の階段が作者にとっての主役なのかと思えてしまうため、もう少し撮影位置を工夫すると良かったと思います。
その場の状況が伝わる画面構成を心掛けよう。
タイトル:寒稽古
上半身裸で稽古に励む青年が豪快な水しぶきを飛ばした瞬間はとても迫力がありますが、主役である青年をクローズアップして写したことでまわりの状況が伝わりにくいのが惜しいです。彼を取り巻く周辺の状況をもう少し取り込むと、見る側にもこの場面の寒さが連想できたかもしれません。そういった温度を感じる要素があることで寒さとも闘いながら心身を鍛えるべく行われた寒稽古の厳しさがより伝わることでしょう。
時には対比効果も使って主役を引き立てよう。
タイトル:大凧上る
富士山を眼下に悠々と空を泳ぐ大凧。凧と富士山の共演を狙って望遠レンズを選択したのでしょう、狙い通りに上るとは限らない凧もとてもバランス良くフレーミングに収まっています。欲を言えばおそらくかなり高くまで上がったであろう凧の高さを伝える要素として地上が写るフレーミングで狙うと地面との対比効果でこの凧の大きさ、上がった高さを強調する効果もプラスできたのではないかと思います。
金森玲奈先生略歴
1979年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。在学中より都会の片隅に生きる猫の姿を撮影してきた。東京芸術大学付属写真センター勤務等を経て2011年よりフリーランスとして活動を開始。近年は身の回りの何気ない瞬間や国内外の旅先の風景、けがと障害がきっかけで引き取った二匹の飼い猫との日々を撮り続けている。
http://kanamorireina.com/
さあ、どんどん応募してみよう!
雑誌のフォトコンテスト以外でも様々なフォトコンテストが開催されています。そうした中、月刊「カメラマン」が長年協賛している「総合写真展」が6月25日まで作品を募集しています。
同展は、作品が入選以上に選ばれると「東京都美術館」(台東区・上野公園)に展示されるというもので写真の展覧会としては大変規模の大きい公募展です。また、入選者の方を対象とした表彰式も開催されます。腕に覚えのある人はもちろん、写真を始めてまだ日が浅いという人も、写真をもっと楽しむために、今年はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
●「第23回総合写真展」ホームページ