応用編ポイント
●動画撮影時のAFが優秀なのでAF-F、AF-Cを活用しよう!
●Z6 は N-Log搭載なので広いダイナミックレンジで撮影可能!
ピントの合う速度が± 5 段階で調整可能なのも便利!
Z シリーズの魅力の一つが動画撮影時の AF(オートフォーカス) が非常に優秀だということだ。今までD850でも動画撮影を頻繁に行っていたが、フォーカスは基本 MF(マニュアルフォーカス) で行なっていた。 理由はAFが遅く、コントラストAFのためピント位置を一度通り越してピントが合うため不自然だったからだ。
また、F マウントレンズは静止画撮影を意識した作りで、ピント合わせをした時に画角が変化してしまうブリージングが起こってしまうことが多かった。しかし今回のZ シリーズのレンズ群はブリージングも最小限に抑えられ、AF でのピント合わせが飛躍的に改善されている。
さらに、AFの速度や AFの追従感度まで細かく設定できる。ZシリーズのAFは少しだけ使いこなしが必要なので覚えておきたい。AFで動画撮影したい場合はAF-FまたはAF-Cにする必要がある。
まずAF-F の使い方は被写体を追尾する際に使いたい。動体などをフォローしながら撮影する場合などには AF-F がベスト。ただし、画面をタッチしてしまうとAF-FからAF-Sに切り替わってしまうため、不自然な AFの動き方をするので注意が必要だ。
画面をタッチしてピント位置を切り変えたい場合は、AF-Cを選択しよう。ピント合わせしたい被写体にピント合わせが完了するまでタッチする必要はあるが、スムーズにピント合わせができる。ピントの合う速度はカスタムメニューの動画セッティングから変更できる。速度を± 5 段階で変更できるので調整してみよう。
作例動画 04 AF 比較
▼オートフォーカスの速度を高速、標準、低速で比較してみたので参考にしてもらいたい。ピントは後から手前に合わせた。フォーカスモードはAF-Cにして設定している。フォーカスの速度が違うだけでも印象が大きく変化するのでこだわろう。
AF 速度の設定画面
▼AF速度はカスタムメニューから速度を自由に変更できる。イメージに合わせて、AF速度を自由に変更できるので便利だ。
また、Z 6にもN-Logを搭載している。HDMI 出力を使用してさらに広いダイナミックレンジで撮影できる。収録にはATOMOS(※後述の用語参照)のレコーダーが必要になるが、映像に拘るのであればぜひ使いたい。筆者もZ 6の発売に向けて新たにATOMOS Vを新調した。コンパクトでZ 6 も認識してくれる。4:2: 2 10bitの圧倒的な色情報を出力できるため、カラーグレーディングする際にも高品質な画質を得られる。
本体だけでも十分なダイナミックレンジを確保できるZ 6ではあるが、性能をフルに活かすのであればレコーダーを使うと良いだろう。 ATOMOSオープンプロコトルにも対応しており、レコーディングもZ 6側の録画ボタンから行えるので便利だ。
作例動画 05 フラット PC_Flat
▼ダイナミックレンジ広めの設定である「ピクチャーコントロールフラット」で撮影した。浅めの画作りではあるが、空は白トビしていることが分かる。
作例動画 06 N-Log
▼N-Logで撮影した映像を見てみると非常にダイナミックレンジが広いことが分かる。グレーディングして後も、広いダイナミックレンジで表現できており、N-Log は非常にデータ量が豊富なことが分かる。
用語解説 「ATOMOS」
ATOMOS(アトモス)はカメラから出力された映像データを撮影現場で記録するレコーダーなどを開発・製造しているオーストラリア・メルボルンに本社を置くメーカー。その製品の多くがプロの映像制作現場で愛用されている。