応用編ポイント
・X-H1は動画でも10種類以上のフィルムシュミレーションが使用可能!
・「F-Log」により本格的なグレーディングも可能に!
まずはフィルムシミュレーション「ETERNA」を試してみよう!
富士フイルムの一つの魅力と言えば圧倒 的な色表現の豊かさだろう。富士フイルム の色作りが好みで X シリーズのカメラを選 択するプロも多い。その色に拘った X-H1 は動画でもフィルムシミュレーションモードが使用可能だ。動画撮影に使えるベーシックなフィルムシミュレーションモードは 10種類ある。P R O V I A ( プ ロ ビ ア )、Velvia(ベルビア)、ASTIA(アスティ ア)など有名なものから、新たに搭載され た映画用フィルムの色・階調を再現した 「ETERNA(エテルナ)」も搭載している。 ETERNA は落ち着いた発色に加え、豊かなシャドートーンが魅力のフィルムシミュレーションモードだ。実際に使用してみたが非常に使いやすい。
作例動画03 フィルムシミュレーションモードの比較など
▼動画モードで使用できるフィルムシミュレーションモー ドとF-Log、F-Log+グレーディングのサンプルを作ったので確認してほしい。色や色味、彩度など画作りが変わることで印象が大きく変化することが分かるはずだ。
そのままでも勿論使うことができるが、グレーディングとの相性もよい。調整しやすく、データ量も豊富なので作業効率がよい印象だ。筆者の場合、特別な理由がない限り、ETERNAを選択するだろう。
さらに本格的なグレーディングを考えている方はハイダイナミックレンジガンマカーブ「F-Log」も使用できる。広いダイナミックレンジを確保できる上、グレーディングの調整もしやすい。F-Log はそのまま使用することはなく LUT を使い、グレーディングをする必要がある。そのため、手間は 掛かってしまうことも覚えておこう。
また、F-Log に限らず Log での収録は感 覚で露出を決めてしまうと大失敗してしまうこともあるので、外部モニターなどを接続して波形を見ながら露出を決めるとよいだろう。F-Log は魅力的ではあるが、慣 れるまでは ETERNA など直感的に扱えるフィルムシミュレーションを使うと良いだろう。
次にダイナミックレンジ拡張機能について見てみたい。X-H1に限らず X シリーズのカメラにはダイナミック拡張が搭載されており、DR100% -400%まで拡張できる。DR400%で約 12 段相当のダイナミックレンジに相当する。
特にハイライト側のダイナミックレンジに粘りが出る印象だ。人物と風景で比較してみたので確認しみてほしい。綺麗で美しい色表現が可能なカメラなので X-H1 ユー ザーは、まず X-H1の動画機能の高いポテンシャルを知り、こだわりの動画制作をして頂きたい。
作例動画04 ダイナミックレンジ拡張の比較
▼ダイナミックレンジ拡張を使い比較した。モデルの背景を見てみると DR100%では白トビしているが、 DR400%になると白トビしていない。ダイナミックレンジを豊富に残すのであれば DR400%で撮影しよう。
作例動画05 DR100%とDR200%の比較
▼朝の新宿方面を撮影。画面右側の空が少し明るいため、ダイナミックレンジを調整した。DR100%では明るいが、DR200%にするとディテールまでしっかりと写っていることが分かる。
フィルムシミュレーション
▼新たに追加されたETERNA(エ テルナ)は豊かなシャドートーン と落ち着きのある発色が魅力の フィルムシミュレーションモード だ。グレーディングもしやすく、とても使いやすい。PROVIA(プ ロビア)ももちろん選択可能だ。
F-Log 撮影も可能
▼ダイナミックレンジ拡張はメニューの中で変更する。DR400 にするとISO800 に なるのでNDフィルターを用意するなどしてシャッタースピードを調整しよう。
DR400に設定
▼ F-Log も選択可能。広いダイナミック レンジが魅力だが、必ずグレーディングが必要になるので手間が掛かってしまうことも覚えておこう。