「機種別撮影ノウハウ オリンパスOM-D E-M1 MarkⅡ」
今回のポイント
●動画初心者でも楽しめる「アートフィルター動画」をまず試したい!
●「クリップス」というショートムービー機能もお勧めの機能だぞ!
OM-D E-M1 MarkⅡの動画機能はぜひ使ってみたい!
オリンパスのフラッグシップ機であるOM-D E-M1 MarkⅡは静止画機として非常に高い評価を受けておりプロフォトグラファーも多く使用している機種でもある。また。、静止画のイメージがとても強いが、動画にも力を入れてある機種だ。基礎編ではOM-Dムービーの基本的な部分を見てみよう。
まず動画初心者でも楽しめるオリンパスならではの機能がある。それは「アートフィルター動画」だ。最近では静止画だけではなくSNSなどに動画をアップするユーザーも多いのでグレーディングなどをせずにオシャレな動画を撮ることができる。
初めて動画を撮影するユーザーもアートフィルタームービーから入るのも手だろう。ムービーエフェクトなども用意されており楽しむことができる。
作例動画01 アートフィルター + クロスプロセス
▼香港の雰囲気に合わせてアートフィルター+クロスプロセスを使用した。暗部の緑や高い再度が香港の市場の雰囲気に合っている。
初心者の方で編集などはしたくないというユーザーは「クリップス」というショートムービー機能を活用するのも手だ。1秒 / 2秒 / 4秒 / 8秒の動画をスナップ的に撮影して音楽とともに映像を作成する機能も搭載している。日常の何気ない出来事から旅の思い出などを記録したりする場合に役立つだろう。
さて本機は現在トレンドである4Kの記録に対応している。最も一般的な4Kフォーマットである4K UHD(3840 x 2160)を撮影できる。フレームレートは30pを始め25p、24pに対応。また、本格的なデジタルシネマ規格の4KであるC4K(4096 x 2160)も対応している。フレームレートは24fpsだ。圧縮は4Kの場合、IPBを採用。IPBの場合、イントラフレームからの差分を記録するため、動きの少ない被写体は非常に高画質だ。
ただし、動きが激しい被写体などは少し画質に影響することもあるので注意しよう。動き物などは4Kではないが、FHDであればALL-Iでの収録も可能。IPBに比べすべてのフレームがイントラフレームのため動き物などにも強い。だが、動きが少ない被写体であればIPBでも問題はないかもしれない。ALL-Iはデコード(decode)が必要ないため編集もしやすい利点がある。
また、ビットレートは約202MbpsあるためFHDだからと言って速度の遅いメディアを使わないようにしよう。連続録画時間の制限はMOVの時で約29分となる。
今回の用語解説 「ALL-I」と「IPB」
「ALL-I」と「IPB」はともに動画記録の圧縮形式。「ALL-I」は1フレーム単位で圧縮するイントラフレーム方式で、1フレーム単位でデコード(エンコードされたデータを元に戻すこと)、再エンコードを行う。カット編集や映像の切り出しに適している。また「IPB」は長時間の記録に向いている。それはフレームの前後を参照し、差分を検出する差分圧縮方式ゆえだ。高圧縮でファイル容量が軽いのが「IPB」の特長だ。ちなみにエンコード(encode)とは「データを他の形式へ変換すること」で、パソコン表示の文字化けなどで使った人も多いだろう。