全焦点域でシャープ! 「リング上のポートレート」にうってつけの
開放F2.8標準ズーム!
キックボクサー・不可思(ふかし)
43戦32勝(14KO)9敗2分 WPMF日本スーパーライト級王者/RISEライト級王者/初代Bigbangライト級王者/元REBELS-MUAYTHAIスーパーライト級王者
今回の撮影で使用したフジノンXFレンズとXシリーズ
XF16-55mmF2.8 R LM WR
●レンズ構成:12群17枚●絞り羽根枚数:9枚●最短撮影距離:60cm(標準)30cm(マクロ・広角)40cm(マクロ・望遠)●最大径×長さ:Φ83.3×106.0㎜●重さ:655g●フィルター径:77㎜●実勢税込価格:13万5670円※
富士フイルム X-T2
●有効画素数:2430万画素●撮像素子:APS-C(23.6×15.6㎜)X-Trans CMOSⅢ●ISO感度:ISO200~12800(標準)、ISO100 /25600/51200(拡張)●連写性能:約14コマ/秒(電子シャッター設定時)、約11コマ/秒(VPB-XT2装着時)●ファインダー視野率(上下):100%●ファインダー倍率:0.77倍●記録メディア:SDHC/SDXC/SDカード●ボディサイズ:W132.5×H91.8×D49.2㎜●重量:約507g●ボディ単体価格:オープン(実勢税込価格:16万9200円※)※実勢税込価格は2018年1月中旬の都内量販店のものです。レンズも同様です。
格闘技はスポーツ撮影ではない。僕にとっては四角いリング内のポートレートだ。
僕が格闘技を撮りたいと思ったのは2003年、キックボクサー武田幸三との出会いだった。彼をテレビで観て衝撃を覚え、撮らせて欲しい旨を直訴、オフィシャルフォトグラファーとなった経緯は今でも鮮明に覚えている。その後、武田は引退。結果7年半追い続けた。“もうキックボクサーを撮ることはないだろう”、そう思っていた。なぜならともに闘うことで命を削る想いがしていたからだ。
だが4年前、とってもイキが良く、息を吞むほど殺気のある漢と出会った。それが『不可思(ふかし)』だった。甘いマスクに加え、成長の伸びしろしか感じられない無限の可能性を持つキックボクサーで、いくら努力をしようとも誰もが身につくわけではない“華”も兼ね備えていた。僕は一瞬で不可思にノックアウトされ、それから撮り始めることになる。
彼のたくさんの試合を側で観て、ともに闘い、感じてきた。4年前と比べて不可思が単純に大人になったこともあり、ずいぶんと背中が大きくなった。これはファンの想いがたくさん託されていること、守るべき存在ができたことが、そうさせているに違いない。僕はその背中を撮り続ける。キックボクシングという競技の写真ではなく、キックボクサーである彼の生き様を。
XF16-55mmF2.8 R LM WRの魅力は、全焦点域でとてもシャープであること。このシャープさは仕事撮影においても全幅の信頼を寄せている。開放からガンガン使える解像力、持った時にズッシリくる存在感は、しっかりと作りこまれている証だ。赤バッチを呈するに相応しい1本である。
リング内の「ポートレート写真」として相棒である富士フイルム X-T2とフジノン XF16-55mmF2.8 R LM WRを武器に、ともに闘うことを再び心に決めた。その瞬間と空気、音や緊張感までもあますことなく写し込むと誓いながら…。
*掲載した記事は月刊カメラマン2018年2月号当時のものです。
撮影・解説:藤里一郎
Ichiro Fujisat
男っぷりのよい写真、色香あふれる写真を撮る当世一”Hip”な写真家。大倉舜二氏に師事、96年独立後“May J.”のコンサートツアー・オフィシャルフォトグラファーほか精力的に活動。LCVFM「藤里一郎+鎌滝えりのMUG CUP NIGHT」ラジオパーソナリティ。2018年より「月刊カメラマン」表紙撮影を担当する。