今回のテーマは『color』。
街中に鮮やかに咲く花々を中心に、『color』をテーマとして、時に背景に、時に彼女を取り囲んでつつコラボを楽しんだ。
本誌掲載分と同じ場所でのアザーカットはこちら。
本誌では横向きで空を仰ぐようなポーズのものをお見せしたが、正面のカットのものも撮影し、実際かなり悩んだ。
これだけのバラを背景に、ボカしてしまうのならともかく、バラが構図から溢れるような様を求めた以上、正面のカットでは、どの表情をお願いしたとしても無意味に思えた。それよりも無表情でまっすぐカメラに向いてもらうことで、迫力と、構図の中で多くを占めるバラに対し、アクセント役に徹してもらう方が、写真そのものが成り立つと考えた。
実際、満足感(充実感とも)と裏返しの虚無感が、ともに存在する写真に仕上がった。
横位置のこのカットでは、広がりだけでなく、縦位置では出さなかった奥行きも感じさせるよう、カメラをローポジションに据え、広角でややローアングルで狙ってみた。
バラに満たされたこの場所に僕を連れ込むような、あるいはこの場所を案内するかのような、彼女にとっては“存在する”世界で、それを無表情で表してみた。
さらに別のシーンを求めて
このバラのシーンだけでこの撮影を終えているわけではない。
別の『color』を探しながら、二人で歩いている。この日は夏を先取りしたような暑い日で、そんな中、彼女はとても頑張ってくれた。
「ここで横になりましょうか!」と言ってくれたのは彼女の方。
日差しの中、俯瞰で彼女を狙ってみる。
秘密基地にでも誘っているような雰囲気にしてみようかと思ったが、目覚めたらここにいた…と言う感じで。
先に僕が寝転がってから地面を確認し、改めて彼女には寝転がってもらった。
虫除けは必携だねw。
さらに見つけたのがツツジ。
濃いピンクのツツジは、撮影した4月下旬頃から鮮やかに花を彩る。
このカットは、立ってもらいながらの横顔ではなく、寝ていただいての横顔。
四隅を落とすことで中央のツツジの鮮やかさをより印象的に。横たわる彼女がエキゾチックに写るよう、順光で肌色を濃いめに出してみた。
表情は注文通り。
ただ本当に暑かったので、長くは持たない。
撮影時間は5~10分ほどだったと思う。
いい場所だったなあ。
(いのうえ)
この日の撮影で一番印象に残っているのは、ツツジの横顔のシーンです。
撮影は4月の終わりでしたが、とにかく暑い日で灼熱の太陽が眩しかったです。
普段は日傘をさしたり、日焼けしないように気をつけてるけど、この日は肌がジリジリ焼けた感じがしました。
美白しなければ。
梅雨の時期は紫陽花でポートレート撮ってもらいたいです。