2013年の塩竈フォトフェスティバルで写真賞大賞を受賞した気鋭の若手写真家・篠田 優氏の写真展が、本日10月18日より、銀座のニコンギャラリーで開催。
神奈川や千葉の半島に点在する、先の大戦時に作られた洞窟を利用した「陣地」から眺める海。
作品には、かつての戦争の記憶を残す「陣地」としての存在感と、穏やかに晴れ渡る「平和」な海という、非日常と日常、過去と現在が入り交じったシーンが同居する。
中でも洞窟の外壁を入れたシーンは、あたかもフレームのように海辺の情景を切り取り、
暗幕を被った大判カメラによる撮影もまた、「陣地」からの視点を増幅する。
ただ、作品のトーンは決して重厚なものではなく、むしろ明るく、観る者にすっと入ってくるような印象。
先頃、亡くなった三浦半島に住んでいた祖母の死と、一部を除いて保護されることもなく、「陣地」の名残をとどめる戦争の記憶----。
「祖母の死を変奏するように撮り続ける写真の中で、歴史と写真を静かに問いたかったのだ」という氏の、新たな境地を感じた作品展。
端正な4×5大判カメラによるプリントも味わってみて欲しい。
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/events/201706/20171018.html
銀座ニコンサロン
2017年10月18日(水) 〜 2017年10月24日(火) 日曜休館
10:30〜18:30(最終日は15:00まで)
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/access.html#access-salon-ginza
大阪ニコンサロン
2017年11月16日(木) 〜 2017年11月22日(水) 日曜休館
10:30〜18:30(最終日は15:00まで)
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/access.html#access-salon-osaka