http://www.motormagazine.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=838
主役になるモチーフを、脇役に!? 「予測と期待」のススメ
スナップ写真がうまく撮れない、どうも写真が弱い、といった悩みを抱えている人の写真を見ると、ポーカーに例えるとワンペアで、マージャンに例えると一翻で、勝とうとしているように思えます。役が足りません。
そこで、足りない部分を補うために、道路標識や影といった脇役を写真に取り込んで、強さを増してみるのです。アラーキー氏(荒木経惟氏)は、写真に文字が写っていると印象が強くなる!と話していました。ブレッソンやアーウィットもその効果をうまく利用しています。
順番としては先に面白そうな文字や標識を見つけ、それにマッチする通行人を待つといった感じでしょうか。これを「予測と期待」と言います。人が通るとしたらあの場所だな…と予測してピントを合わせ、フレーミングの準備をしておきます。人が来てからでは間に合わないからです。
あくまで、人を追いかけないで決め打ちすること。違うところを歩いたら諦める、くらいの覚悟が必要です。
マグナムの写真家のインタビューを読んでいたら、「犬がその位置に来るのを念じて待った」と書
かれていました。マグナムの写真家でさえ念じるだけで待っているわけです。期待しながら待ちま
しょう。
今回のポイントは3点!
❶先に背景などを決めてじっと待ってみる
❷なにが来たらベストか!? 想像して期待する
❸ピントやフレームは、事前に合わせて待っておく!
撮影・解説は自称「最後の文系写真家」内田ユキオさん
公務員を経てフリーフォトグラファーに。自称「最後の文系写真家」。モノクロのスナップに定評があり、ニコンサロン、富士フォトサロンなどで個展を開催。月刊カメラマン誌をはじめ、新聞、雑誌に寄稿し、写真教室の講師など精力的に活躍中。主な著書には「ライカとモノクロの日々」、「いつもカメラが」など。