カメラを固定すること「フィックス」を覚えよう!
動画撮影においては、カメラを動かし続ける必要はないと言うこと。カメラを動かしすぎると、絵に落ち着きがなくなり見る人も疲れてしまう。そのため、始めのうちは「カメラを固定する」ことから覚えよう。動画撮影ではカメラを固定することを「フィックス」と言う。
まず「パン」の効果的な使い方を覚えよう!
動画には基本的に2種類の動きがある。カメラを水平方向に動かしながら撮影することを「パン」という。パンは風景の広さなど広さを表現する時に使用したり、水平方向に動いている被写体を追う際に使用するテクニックだ。動画の場合、広さを表現する場合は広角レンズよりも標準から望遠を使ってパンをして広さと迫力を表現することが多い。
次に「ティルト(アップ)」を覚えよう!
次に覚えたいのが「ティルト」だ。ティルトは被写体の高さや垂直方向に被写体を追う場合に使うテクニック。カメラを上から下に動かすことをティルトダウン、下から上をティルトアップという。こちらもパン同様に動きを一定にすることを考えよう。
応用テクニックその1「フォーカス送り」
映画的な表現になる「フォーカス送り」も覚えておきたい。フォーカス送りとはピントの位置を変えながら撮影する方法だ。アウトフォーカスから被写体にピントを合わせたりすることでカメラを動かさなくても動きを表現できる。シーンの切り替えしなどにも使えるテクニックだ。
フォーカス送りは基本的にレンズをMFにしておこなう。動画撮影中にフォーカスリングを回して一定の速度でピント位置変えるようにすると良いだろう。ここで気をつけたいことはピントを外さないこと。ピントを外してしまうと目立ってしまうから注意。
応用テクニックその2「パン」から「ティルト(ダウン)」
パンとティルトは実は組み合わせることができる。カメラをティルトダウンしながらカメラを右にパンしたりすることで動きは複雑にはなるが、よりドラマチックな動きになる。
応用テクニックその3「ティルト(アップ)」と「フォーカス送り」
ピント送りとティルトやパンも組み合わせができる。作例では稲にピントを合わせてティルトアップしながらピントを奥の納屋に合わせている。このような表現にも使えるのでぜひ覚えていただきたい。動きをマスターすることでシンプルな被写体もしっかりとドラマチックに表現できる。
撮影と解説は写真家&映像クリエーターの上田晃司さん
米国サンフランシスコに留学し、写真と映像を学ぶ。現地滞在中からテレビ番組、CM、ショートフィルムなどを制作。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントを経て、フォトグラファーとして活動開始。現在は雑誌、広告を中心に活動し、写真教室の講師や講演、書籍の執筆活動も精力的に行っている。現在、ニコンカレッジ講師、パナソニックLUMIXフォトスクール講師、Profotoオフィシャルトレーナー、Hasselblad 2015 アンバサダーを務める。