FE 14mm F1.8 GM 主な仕様
●焦点距離:14mm
●最短撮影距離:0.25m
●最大撮影倍率:0.1倍
●レンズ構成:11群14枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:9枚
●フィルターサイズ:-
●大きさ・重さ:φ83×99.8mm・460g
●付属品:ケース
待望の超広角単焦点レンズに大口径Gマスターレンズ登場
「大口径超広角」と聞くと前玉が大きく突出、さらにギュギュと詰めんだ「重いけど良く写るから勘弁ね」的なレンズを想像しちゃいます。ところがこの14mmは、最新の光学設計の採用かつ光学式手ブレ補正機構を省いたこともあり質量約460gぽっち。
防塵防滴もしっかり配慮した鏡筒もコンパクトで、カメラに装着しても存在を主張し過ぎず程良いサイズです。さすがに半球のような前玉はどうしても目立ちますが、カメラ装着状態でテーブルに置いても安定していて上品な佇まいです。
なんの気なしに単体で持ったレンズを少し傾けてみると、コトッと内部で何かが動き微かに手に伝わる振動があるんです。おそらくXDリニモーターを2基搭載するAF駆動部関連なのだと思いますが、まぁ気になるレベルではないし全く気づかず使う人も多いかも…。
そのAF駆動は、確かに合焦までの速さを確かに実感できる俊足AFといえるもの。元から被写界深度が深い超広角レンズの特性に甘えず、ビシバシ合わせましょうという姿勢にも好感を覚えます。
操作系では、鏡筒のマウント側に搭載された絞りリングは中間絞りのクリックをオフにできるスイッチも搭載。やはりカメラとレンズの重さをを左手で支えながら指先で絞値を変更できスタイルは、軽快にシャッターを切れてイイですね。
フォーカスホールドボタンの下はAF/MF切換スイッチだけのシンプルなデザイン。レンズフードは花形で組み込み式ということで、ロックボタン付きのかぶせ式レンズカップが付属します。
性能面に妥協ナシ。「散歩のオトモ」としてもイイかも…
画面隅までシャープに結像し、コントラスも高く満足度の高い画が得られる描写力は、さすがGマスターレンズといったところ。歪曲収差も良好に補正され、建築写真などで水平垂直をしっかり出す撮影にもポジションが効率がよく決まり重宝しました。
また最短撮影距離が25cmと短いため、近接撮影で絞りを開ければ背景や遠景で大きなボケが得られます。逆に絞り込めば、周りの環境もピントを深くしたワイドマクロ的な表現が楽しめます。
さらに日中屋外でシャッター速度を上限にしても環境光が明る過ぎて絞りを開けられない状況では、シートタイプのNDフィルターを装填できるようレンズ後部にフィルター用のホルダーも設置されています。
このホルダーに濃度の高いNDフィルターを仕込んで、独特な超広角の画角と長秒露光を組み合わせても面白いかも。
手ブレ補正はカメラ側のみですが、元からブレにくい超広角レンズなので、夜景や天体撮影などの長秒露光でもなければ手持ちでも十分にこなせるでしょう。
肩や首から提げて一日携行しても苦にならず、カメラバッグへの収まりも良好。魚眼レンズほどクセがくなく扱いやすいので、この1本だけ装着しての撮り歩きも楽しいと思いました。