定番16-35mmや割と新しい12-24mmなど、超広角域をカバーするGマスターの大口径ズームレンズは存在するけれど、単焦点の超広角レンズとしてはFE24mmF1.4GM(カメラグランプリ2019レンズ賞)が最も広い画角のレンズでした。今回はその画角をグイと114°(水平)まで広げる単焦点14ミリの大口径F1.8仕様を紹介します!

FE 14mm F1.8 GM 主な仕様

●焦点距離:14mm
●最短撮影距離:0.25m
●最大撮影倍率:0.1倍
●レンズ構成:11群14枚
●最小絞り:F16
●絞り羽枚数:9枚
●フィルターサイズ:-
●大きさ・重さ:φ83×99.8mm・460g
●付属品:ケース

待望の超広角単焦点レンズに大口径Gマスターレンズ登場

固定の花形フードに守られているとはいえドーム状に突出している前玉なので、ザツな扱いは避けたい。絞りリングの1/3ステップごとのクリックストップは切換スイッチで簡単に無効化できる。

「大口径超広角」と聞くと前玉が大きく突出、さらにギュギュと詰めんだ「重いけど良く写るから勘弁ね」的なレンズを想像しちゃいます。ところがこの14mmは、最新の光学設計の採用かつ光学式手ブレ補正機構を省いたこともあり質量約460gぽっち。

防塵防滴もしっかり配慮した鏡筒もコンパクトで、カメラに装着しても存在を主張し過ぎず程良いサイズです。さすがに半球のような前玉はどうしても目立ちますが、カメラ装着状態でテーブルに置いても安定していて上品な佇まいです。

マウント後部にはシートタイプのフィルターをカットして挿入できるホルダーを装備。NDとか入れてるとソレっぽい?

なんの気なしに単体で持ったレンズを少し傾けてみると、コトッと内部で何かが動き微かに手に伝わる振動があるんです。おそらくXDリニモーターを2基搭載するAF駆動部関連なのだと思いますが、まぁ気になるレベルではないし全く気づかず使う人も多いかも…。

そのAF駆動は、確かに合焦までの速さを確かに実感できる俊足AFといえるもの。元から被写界深度が深い超広角レンズの特性に甘えず、ビシバシ合わせましょうという姿勢にも好感を覚えます。

展望台から桜を俯瞰撮影。地平線を画面のかなり上に配してみたが、歪まずに写る。左右の隅に近いほど盛大に引っ張られるのはお約束だが、汚く流れることはない。拡大する一輪の花が重なりあう様がしっかり描写できている。
■ソニー α7 Ⅳ 絞り優先AE(F4) プラス0.7露出補正 WB:オート ISO125

操作系では、鏡筒のマウント側に搭載された絞りリングは中間絞りのクリックをオフにできるスイッチも搭載。やはりカメラとレンズの重さをを左手で支えながら指先で絞値を変更できスタイルは、軽快にシャッターを切れてイイですね。

フォーカスホールドボタンの下はAF/MF切換スイッチだけのシンプルなデザイン。レンズフードは花形で組み込み式ということで、ロックボタン付きのかぶせ式レンズカップが付属します。

性能面に妥協ナシ。「散歩のオトモ」としてもイイかも…

遠近感を誇張することで大胆に遊んでみる。ピント位置は無限遠だが少し絞り気味にするだけで手前から奥までシャープに結像。画面内に強い太陽光があるが、画質低下やフレアなどの発生も見うけられなかった。
■ソニー α7 Ⅳ 絞り優先AE(F8) マイナス0.3露出補正 WB:オート ISO125

画面隅までシャープに結像し、コントラスも高く満足度の高い画が得られる描写力は、さすがGマスターレンズといったところ。歪曲収差も良好に補正され、建築写真などで水平垂直をしっかり出す撮影にもポジションが効率がよく決まり重宝しました。

また最短撮影距離が25cmと短いため、近接撮影で絞りを開ければ背景や遠景で大きなボケが得られます。逆に絞り込めば、周りの環境もピントを深くしたワイドマクロ的な表現が楽しめます。

風でかなり大きく揺れていたサクラを最短距離に近い位置から。ピントはAF-Cに任せて撮影。1/3200秒でも僅かに被写体ブレを起こしているが、ピントは狙った花に来ている。絞り開放の近接撮影では背景に大きなボケ味が得られる。
■ソニー α7 Ⅳ 絞り優先AE(F8) マイナス0.3露出補正 WB:オート ISO125

閉館前日のヴィーナスフォート(お台場)へ。隅々までシャープな描写でLED光の滲みもなく、石像の質感、吊るされたボールや布に見えるグラデーションなど階調も豊かに再現している。かつて何度も作例で撮らせてもらったものだが、この煌びやかな雰囲気を残すのに最適なレンズだ。1/15秒α7Ⅳ・絞り開放・AE・+1.0EV補正・ISO160・AWB・JPEGエクストラファイン
■ソニー α7 Ⅳ 絞り優先AE(F1.4) プラス1.0露出補正 WB:オート ISO160

さらに日中屋外でシャッター速度を上限にしても環境光が明る過ぎて絞りを開けられない状況では、シートタイプのNDフィルターを装填できるようレンズ後部にフィルター用のホルダーも設置されています。

このホルダーに濃度の高いNDフィルターを仕込んで、独特な超広角の画角と長秒露光を組み合わせても面白いかも。
手ブレ補正はカメラ側のみですが、元からブレにくい超広角レンズなので、夜景や天体撮影などの長秒露光でもなければ手持ちでも十分にこなせるでしょう。

肩や首から提げて一日携行しても苦にならず、カメラバッグへの収まりも良好。魚眼レンズほどクセがくなく扱いやすいので、この1本だけ装着しての撮り歩きも楽しいと思いました。

絞り開放で、最短距離まで行かないくらいの近接撮影。ピント面のシャープな解像力と自然で緩やかにボケていく背景…これらを意識しながら街の情景を撮り歩いていくのが楽しかった。
■ソニー α7 Ⅳ 絞り優先AE(F1.4) プラス1.0露出補正 WB:オート ISO160