「Stay home」の時は、じっくりと自宅で撮影に専念してみませんか? 各ジャンルのエキスパート写真家が、その撮影ノウハウをアドバイスしてくれました。「テーブルフォト編」は川合麻紀さんです。

次に夜のタイプ。夜に室内で撮影しようと思ったら、人工的な光を使うことになります。一番簡単なのは、天井からの照明です。ただ、照明を動かすことができないので、自分が撮る場所を考えるか、あるいは別の動かせる照明を使う必要があります。

▲夜は部屋の照明を使うか、何か別の照明を用意して光で遊ぶ。主役は高さ4.7センチのエッフェル塔の置物。カラフルでキラキラなイメージを作ってみた。鏡を使って映り込みも構図に取り入れ、華やかに仕上げた。
■キヤノンEOS R RF35mmF1.8 Macro IS USM(1.6倍クロップ) 絞り優先AE(F1.8・1/350秒) IS0800

今回は、天井の照明はうっすらつけたまま、LUME CUBEという、とても小さなLED照明を2つと、丸ボケ用に、クリスマスツリーなどに使う電球を使いました。LUME CUBEは、背景に照らしたり、エッフェル塔を照明したりという使い方をしています。写真用のLEDがなければ、ペンライトや懐中電灯などを利用してもいいと思います。

光が強すぎれば距離を離す、あるいは、ティッシュなどでディフューズするなど工夫しましょう。両手が使いたくなるので、カメラは三脚につけて、ライブビュー画面を見ながら物を動かしたり、照明を動かしたりすると簡単です。ちょっとした光の向き、天井の照明をつけるのか消すのかなどでもガラッとイメージが変化しますので、いろいろ試してみてください。

▲テーブルの上に、鏡を置き、その上に背景としてグラスを配置する。グラスの中には、小さな電飾を入れた。背景には、自作の黒レフを置いた。LED照明を2つ使って、一つは背景に、一つはエッフェル塔を照明した。

今回、マクロ的な世界にしたのには理由があります。主被写体が小さければ小さいほど、撮影に必要な場所が狭くて済むからです。大体A3くらいの場所のイメージで撮影できていると思います。素敵なインテリアのお部屋なら、そのインテリアを生かすような、主役が大きなテーブルフォトも素敵ですので、部屋に合わせて被写体を決めてみてもいいと思います。

撮影・解説:川合麻紀

彩り写真家。様々な被写体を独特の色彩感覚で切り取る。
「The colors of nature」をテーマにした自然風景&動物から、「かわいい」花風景やイルミネーション、テーブルフォトなどの作品作りを行う。
公益社団法人日本写真家協会、公益社団法人日本写真協会会員。
個展多数。