画期的なイメージセンサーを搭載し、先進的な性能を誇るミラーレス機、ソニーαシリーズ。写真家・高橋真澄さんがα7R Ⅲと“G Master”レンズで北海道のネイチャーシーンを撮影してくれた。Webカメラマンでは本誌3月号の掲載作品について高橋さんにお話を伺ってみた。

高橋さんが運営される「ノースランドギャラリー」でお話をうかがいました。

月刊カメラマン2019年3月号「ソニーα7R Ⅲで北海道の自然を撮る! 高橋真澄」

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風景写真における概念を革新的に変えたα7R Ⅲ

フイルムからデジタルになって撮影の効率が上がり、写真の技術的な向上も見られた。それでも撮影する前に露出と色とピントがわかり、被写界深度までもが常に確認でき、ブレないシャッターが搭載されるのは夢のように思えた。

その画期的なことをα7R Ⅲは達成した。風景写真においてはとてもすごいことで、効率や技術の向上とは違う根本的に次元が変わった。それによって被写体が変化し増え撮影の仕方が変わるということだ。

当然、階調や解像度とした基本性能は素晴らしい上でのことだが、今まで構造的に目を向けられなかった輝度差のある被写体に対して暗くすれば、そのまま見ることができる。これは画期的なことだ。

▲マイナス20℃の凍てついた大気の中、太陽が木越しに朝霧を照らし強烈な光芒を立ち上げた。αだからこそ撮る前に露出も光芒も確認できるから写せたといえる
■ソニーα7R Ⅲ FE 70-200mmF2.8 GM OSS 絞りF16 1/1250秒 マイナス1.3露出補正 WB:曇り ISO400  RAW クリエイティブスタイル:風景 PLフィルター使用 三脚使用 上富良野町(1月)

また、被写界深度も確認できるので絞り羽根の変化による光芒も自由にコントロールできる。これもとてもすごいことで、勘に頼ることなく作品作りにおいては精度を著しく上げてくれる。

▲こうした作品もα7R Ⅲだからこそ撮れる作品だ。現場に行ってみればわかるが、ピントを合わせるのがどれだけ大変なことか。しかし、勘や経験に頼らず、試行錯誤を重ねなくても撮影できるのはありがたい。
■ソニーα7R Ⅲ FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 絞りF16 1/1250秒 WB:曇り ISO400 RAW クリエイティブスタイル:風景 PLフィルター使用

今までは自分の経験値で想定しながら撮影していたが、αは撮影するイメージが写す前にわかるので経験値に頼ることなく、どうしたいかを感覚的に素早く対処できる。それはとても楽しいことだ。

自然と向き合う中でカメラが道具に徹してくれる。撮影に余計な邪魔をする要素がまったくないので、景色とより濃密に向き合うことができる。

下の彩氷の写真は角度や向きなどで微妙に虹彩が変化し、ブレやすい難しい被写体だ。さらに薄暗い中、被写界深度も浅いので従来のカメラではとても大変な撮影なのだがαなら撮ることができる。

▲私が「彩氷」と名付けた現象だが、マイナス25℃の寒さでフロストフラワーと一緒に写した。マクロ的に撮影するのだが距離と角度の工夫が必要だ。FE100-400の最短距離と画角があっての作品だ。
■ソニーα7R Ⅲ FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 絞りF22 1/6秒 WB:曇り ISO800 RAW クリエイティブスタイル:風景 PLフィルター使用 三脚使用 中富良野町(1月) 

今回の撮影で使用したのはα7R Ⅲと
「G Master」レンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS

ソニーα7R Ⅲ
●有効約4240万画素 35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー
●AF/AE追随 最高約10コマ/秒高速連写
●399点(位相差AF)/425点(コントラストAF)
●最高5.5段 光学式5軸手ブレ補正
●常用ISO100-32000、拡張ISO最高102400
●最大76枚の連写持続性能

FE 100-400mmF4.5-5.6 GM OSS
●“G Master”超望遠ズームレンズ
●ダイレクトドライブSSMと2つのリニア・モーターで
撮影者の意図に即応する高速・高精度AFを実現

さらにソニーのαシリーズの世界を知るなら「α Universe」へ

撮影と解説は高橋真澄さん

1959年北海道生まれ。大学時代より北海道の山を中心に撮影を始める。1996年上富良野町に「NORTH LAND GALLERY」オープン。同時に写真家として独立し現在に至る。丘をはじめとする美瑛・富良野の自然風景を独自の感性で表現し続けている。写真集「風雅」「サンピラー」など著書は70冊以上に及ぶ。