みなさん、こんにちは。「アベッちの知らなきゃソンだぞー!」の時間です。今月は手ブレではなく、被写体ブレの話をしたいと思います。“えっ! 被写体ブレってな〜に?”という方、番組終了までお付き合いください。

1/1000秒以上の高速シャッターで切りたい!

撮影時にカメラがブレてしまうのを防ぐ手ブレ補正機能は、フィルム時代にレンズから始まりました。レンズの一部を移動させてブレを打ち消すという機構です。

デジタル時代になると、イメージセンサーそのものを移動させて防ぐ方式が考案されました。レンズを移動させるよりも移動の自由度が大きいので、いまでは5軸手ブレ補正とか、6軸手ブレ補正とか、あらゆる方向からのブレを補正できるスゴイことになっちゃっています。

そんなわけで『手ブレはカメラが補正してくれるさ』という人がドーンと増えました。もっとも、手で持って撮るから手ブレは起きるんです。正当に『三脚で解決です』という人もたくさんいます。

ところが高性能な手ブレ補正機能でも、三脚でも補正できないブレがあるのです。それが被写体が動いているために起きる「被写体ブレ」です。街のスナップでは通りすがりの人を撮ることも多いですが、目の前を斜めから横切る人を写し止めるには、いったいどのくらいのシャッター速度なら可能でしょうか?「1/125秒だ」「いや1/250秒だ」という声が聞こえてきますが、とんでもない!です。なんと1/500秒だとブレブレ。1/1000秒だとなんとか止まるという感じです。

スナップで動きを写し止めたければ、思っていた以上にシャッター速度は速くないといけないってことです。もっともスナップではブレた写真も味があるので、遅いシャッターと使い分けてください。

検証! シャッター速度別 歩いてくる人物を撮影

▼1/125秒

▲想像以上にブレブレだぁー!
■絞りF16

▼1/250秒

▲えー! 1/250秒って高速ってイメージだったのに。
■絞りF11

▼1/500秒

▲かなりいい感じだけど、アップにするとブレている。
■絞りF8

▼1/1000秒

▲厳密にいうとまだわずかにブレているけど写し止まったといえる範囲。
■絞りF5.6

▼1/2000秒

▲完全に写し止まっている。拡大してもバッチリ。
■絞りF4