デジタルカメラの動画撮影機能を使っていますか? 「そう言えば購入してから一度も使ったことがないなぁ…」なんてモッタイない! 写真家、映像作家として活躍する上田晃司さんに動画の楽しさ、奥深さを教えてもらう本誌の連載企画です。機種別に動画撮影機能を解説してもらいます。

「機種別撮影ノウハウ ニコンD850」

今回のポイント
●FXフォーマット、DXフォーマットを使い分けられる!
●「パワー絞り」で滑らかで静粛な絞り制御が可能に!

D850は動画機能も充実! 使わなきゃもったいない!

今回は注目度の高いニコン D850の動画機能を紹介しよう。D850は4500万画素を超える高画素モデルで風景写真などのイメージが強い。だが、実は動画機能も充実している。まず、D850は4K UHD/30Pの撮影が可能なカメラだろう。そして注目すべきはマルチフォーマットに対応している点だ。動画撮影時にはFXベースの動画フォーマットとDXベースの動画フォーマットどちらでも撮影可能だ。

パワー絞りの設定画面

作例動画01 パワー絞り不使用

▲パワー絞りを使わない場合、段階的に暗くなってしまうが、パワー絞りを使うとスムーズに明るさが変化することが分かるだろう。ぜひ作例動画で確認してほしい。
月刊カメラマン2018年2月号「動画しましょう!」作例01

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作例動画02 パワー絞り使用

月刊カメラマン2018年2月号「動画しましょう!」作例02

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FXとDXの違い

▼動画メニューの撮像範囲からFXまたはDXを選択できるようになっている。ライブビュー画面からは「iボタン」を押すことで撮像範囲の選択ができる。

作例動画03 FXとDXの違い

▲ニコンFXフォーマット(フルサイズ)で撮影すると105㎜のが画角だが、DXフォーマット(APS-Cサイズ)で撮影すると(作例動画では0:15から)約157㎜相当の画角になる。望遠重視の方はDXで撮影すると良いだろう。
月刊カメラマン2018年2月号「動画しましょう!」作例03

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両フォーマット共に3840X2160の4K UHD画質だが、センサーの使用している面積が大きく違う。FXフォーマットベースであれば広角レンズの広さや単焦点レンズのボケ間をしっかりと生かすことができ、DXフォーマットベースに切り替えると望遠のクロップ効果を生かした撮影を行える。

最近のトレンドはセンサーをフルに使うフルフレームだが、D850は用途によって写る範囲を設定できるためとても便利だ。次はD850に限らず、ニコンの多くの機種に搭載されている便利な機能を紹介してみよう。

D7000クラスよりも上位の機種にはFnやPvボタンが搭載されている。実はそのボタンに「パワー絞り」を割り当てると静粛かつ滑らかな絞り制御が可能になるのだ。動画撮影では明るさの変化に対応するために、シャッタースピードを変更することは少なく、基本的には絞り(アパチャー)で行う。

しかし、動画撮影用でないレンズを使うと明るさがスムーズに変わらない。撮影中に絞り値を変えると1/3ステップずつ変わってしまい、絞りが動いている音まで記録されて画に大きく影響してしまう。

パワー絞り機能を使うと静止画撮影用のレンズを使ってもスムーズに明るさの調整が行えるのでとても便利だ。意外と知られていない機能なので、撮影中に環境の明るさが変化した場合などにはとても重宝する。

また、D850ではPVボタンとFnボタンに露出補正を割り当てることも可能になっており、ダイヤルを回すわけではないので操作音が録音されない。また、露出補正なので撮影モードにもよるが、基本的に撮影中に被写界深度が変わらない点にも注目しておきたい。