写真は誰でも手軽に楽しめる趣味だけど、自分の腕前がどの程度なのかというのはよくわからないもの。だからこそ写真愛好家・関係者の基礎資格の「フォトマスター検定」にチャレンジしてみたらどうでしょう!今回は自らも「フォトマスターEX」を取得している写真家の大浦タケシさんにフォトマスター検定の魅力や合格のための勉強の仕方などについて聞いてみました。また、フォトマスター検定については前回の記事をご覧になっていただければ詳しく解説しております。
https://cameraman.motormagazine.co.jp/_ct/17169325

フォトマスター検定の魅力、面白さとは何か?

自分のカメラ・写真に対する理解度を知る尺度のひとつがフォトマスター検定だ。長年通信教育による写真講座を開講する公益財団法人国際文化カレッジが事務局となって主催する民間資格で、レベルに応じて4つの級と最上位の EX(エキスパート)からなる。デジタルになってカメラも写真もフィルム以上の知識が必要になってきているが、自分の知識や撮影で行っている作法を再確認するにもこれほどよい機会はない。さらにカメラ・写真趣味と一生付き合っていくうえでもフォトマスター検定は大きな目標、励みとなるはずだ。

最初は3級から

はじめてフォトマスター検定を受けるひとは、まずこの3級からスタートする。検定では写真・カメラに関する基本的な知識および技法に関するものが出題される。正直ベテランの写真愛好家には優しすぎる問題かと思われるが、受検にあたってあらためて自分の知識や技法を確認してみる貴重な機会と考えてほしい。また、ビギナーにとってはこの3級に出題される問題をしっかりマスターしておくと、その後の写真ライフに大いに役に立つだろう。3級の上となる2級の検定については、中級レベルの知識および技法に関するものが出題される。3級の検定と同日受検が可能なので、知識と技法に自信のある写真愛好家は覚えておくとよい。

準1級、1級は結構難しいけれどやりがいがある

準1級、1級になると高度な知識と技法がより一層必要になってくる。検定ではどのような問題が出題されるか毎回予測は難しく、少しでも確実に突破するには幾つか出ているフォトマスター検定のための問題集を開き、設問を解いていく必要があるだろう。そのようにマスターしていけば検定でどんな問題が出ても慌てることはない。さらにフォトマスター検定の最上位クラスである1級は写真・カメラに関する極めて高度な知識を必要とする超難関のクラスであるが、さらなる経験に加え、問題集をより一層丁寧に確実に解いて行けば、必ず手にすることができるはずだ。準1級、1級ともベテランの写真愛好家にとってはある意味やりがいのある検定であり、合格した暁には羨望の眼差しで見られること請け合いだ。

文:大浦タケシ

宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経て、フォトグラファーとして独立。以降、カメラ誌及び一般誌、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員。2004年10月、フォトマスター検定EX取得。

フォトマスター検定の過去の出題はこちら

【3級】
次の文章を読んで、正しい記述を①~③の中から選べ。
「『TTL測光』と呼ばれる測光方式があるが、どのようなものであるか、最も適切なものを次の中から選べ。」
①多くのAF一眼レフカメラが搭載している測光方式で、撮影レンズを通ってきた光(被写体の像)の量を測光する方式。レンズを交換してもフィルターを装着してもそれに合った測光結果が得られる。
②被写体の位置で測光部をカメラのレンズ部に向けて測光する方式。被写体の位置で光源からの光を直接測光するので、非常に正確な測光が可能であるとされている。
③画面を複数に分割してそれぞれの明るさを測光する方式。極端に明るい光源がある場合や極端にコントラストが高い被写体の場合でも、演算処理によって比較的良好な露出を得ることができるとされている。
(解答と解説) 正答①
AF一眼レフカメラの測光部(カメラに内蔵されている露出計)は、TTL測光と呼ばれる方式で撮影レンズを通ってきた被写体からの光で測光を行う。そのため、、一般的にレンズを交換したりフィルターを装着したりしても良好な測光が可能である。ちなみに、被写体の位置で測光部をカメラのレンズ部に向けて測光する露出計は入射光式露出計、画面を複数に分割してそれぞれの明るさを測光する方式は多分割測光などと呼ばれているもので、一眼レフカメラだけでなくコンパクトタイプのカメラなどにも搭載されている。
※ただし、一部のチルト・シフトレンズ(パースペクティブコントロールレンズ)など装着した場合には、良好な測光ができない場合もあります。

【2級】
次の文章を読んで、正しい記述を①もしくは②の中から選べ。
「写真コンテストへの応募は、自分の作品を客観的に評価してもらえる手段の1つでもある。そこで、自分の実力を試すために地元の市町村が主催する写真コンテストに応募したところ、最もよい賞である『最優秀賞』を得ることができた。そこで、全く同じ画像のプリントを全国の書店で販売されているカメラ雑誌が主催する写真コンテストに応募した。このような応募のしかたに何か問題はあるか、あるとすればどのようなものであるか、最も適切なものを次の中から選べ。」
①地元の市町村が主催するどのような写真コンテストでも全国の書店で販売されているカメラ雑誌が主催するどのような写真コンテストでも、全く問題となることはない。
②地元の市町村が主催する写真コンテストで入賞しているのに、その入賞した作品を別の写真コンテストに応募しているので、『二重応募』とされる。

(解答と解説) 正答②
写真コンテストに入賞した画像をそのまま別の写真コンテストに応募すると明らかに『二重応募』となる。また、似通った別のコマの場合は、撮影者が同一の場合には、『二重応募』とみなされるケースが多い。

【準1級】
次の文章を読んで、正しい記述を①~③の中から選べ。
「日本国内にある有名なブランドショップの店内で、撮影の許可をもらって撮影を行った。いい写真だったので、この有名ブランドとは全く関係のない商品の広告写真として使おうと考えているが、どのように考えるのがよいか、最も適切なものを次の中から選べ。」
①撮影の許可をもらっており、使用権は撮影者にあるので自由に使ってよい。
②撮影の許可があっても、人物が画像内にある場合は肖像権があるので勝手に使えない。しかし、そのブランドのバッグやアクセサリーだけであれば自由に使うことができる。
③撮影の許可があっても、使用に関する許可ではないので勝手に使うことはできない。

(解答と解説) 正答③
基本的に、人物に限らずビルや店舗あるいは店舗にある商品などでも許可無く広告写真として使うことはできない。

【1級】
次の文章を読んで、( )に入る正しい言葉の組合せを①もしくは②の中から選べ。
「AF一眼レフカメラで撮影する時にF11あるいはF16というような絞り値であると、ファインダーで見た画像と得られる画像のボケ具合が大きく異なることがある。そのため、一部のカメラでは、プレビューボタン(絞り込みボタンなどともいう)を押し込んだりレバーを操作したりすることによって、実際に撮影する時の絞り値に絞りを設定してファインダーを覗くことができる。この場合、プレビューボタンを押し込んだりレバーを操作したりしない時と比べて、( ア )を見ることになり、また、記録された画像のボケ具合と( イ )。」
①ア:明るい画像
 イ:同じものとなる
②ア:暗い画像
 イ:ほぼ同じものとなる


(解答と解説) 正答②
昨今の一眼レフカメラでは、絞りを開放の状態で測光し、シャッターレリーズボタンを押し込むと所定の絞り値に絞ってからシャッター幕が開くようになっている。そのため、ファインダーから被写体を覗いている時は絞りが常に開放となっており、撮影時とはボケ具合が異なることになる。そのため、一部のカメラでは、プレビューボタン(絞り込みボタンなどともいう)を押し込んだりレバーを操作したりすることによって、実際に撮影する時の絞り値に絞りを設定してファインダーを覗くことができるようになっている。このプレビューボタンを操作すると、ファインダーから見える像は暗くなり、また、ボケ具合が撮影時に近いものとなる(全く同じではない)。

写真を楽しく学んで写真力をアップ!

例題はいかがでしたか?なんとなく理解していても言葉でうまく説明できないことやうろ覚えの知識ということもありますよね。この機会に写真を学んで、ぜひフォトマスター検定に挑戦してみてはいかがでしょうか?受験の詳細や過去問題集につきましては下記までお問い合わせを!

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