■鈴木誠氏プロフィール
カメラ専門誌出身のフリーライター。カメラ・楽器専門誌での新製品解説をはじめ、モノ情報誌やライフスタイル誌でもプロダクトにまつわる諸々を取材・執筆している。動画出演、イベント登壇も少々。日本カメラ財団「日本の歴史的カメラ」審査委員。YouTubeチャンネル「鈴木誠のカメラ自由研究」
パナソニック LUMIX TX3の主な仕様
●フォーマット:1.0型 裏面照射型
●有効画素数:約2010万画素
●レンズ(35mm版換算):8.8-132㎜(24-360㎜相当) F3.3-6.4
●ISO感度:100~12800 (拡張80/25600)
●背面液晶:3.0型 約184万ドット タッチパネル
●記録媒体;SDXCシングル
■大きさ・重さ:111.2×66.4×45.2㎜・337g

外寸・重量とも先代TX2Dから3面ともほぼ同じ。カラーはブラックの他、写真のグラファイトシルバーを設定。背面ボタンのデフォルト割り当て機能が、TX2世代から結構変わっている。十字キー左上の「ズームバック」は、望遠でどこを狙っているかわからなくなった時に押すと現在の画角を白枠で示しながらズームアウトして、離すと元通りにズームイン。高倍率ズーム機ならではの親切機能だ。
「記録装置」と割り切れば、ほぼ最適解!?

望遠端360mm相当で、いわゆる“圧縮効果”を狙う。報道写真などで人流をドラマチックに演出してきたレンズ技法だ。1型センサーのパンフォーカスと手ブレ補正を合わせた撮影が、コンデジで実現できるのが素晴らしい。
■360mm相当 プログラムAE(絞りF6.4 1/125秒) ISO800
TX2のメジャーアップデート版=TX2Dから約4年振りの登場だが、24-360mm相当の15倍ズームはそのままに、EVFを省略。1型センサーは裏面照射型となり、常用ISO感度が200から125と低感度始まりとなっている。

試用時は梅雨のシーズンだったので、アジサイをクローズアップ。1.0型センサーに開放F6.4という条件でも、被写界深度と距離を意識すれば、いわゆる“イチガン”で撮ったような前ボケ・後ボケを演出できる。
■360mm相当 プログラムAE(絞りF6.4 1/80秒) ISO1600
使用感はTX2から変わらずサクサク良好で、記録装置としてのオシゴトを淡々とこなす。24-360mm相当というズームレンジは、正直言って展示会や記者会見の取材カメラとしては十分以上。もしもの時に備えての内蔵フラッシュも備わっていて抜かりはない。
TX2にはあったEVFが省略されたが、もともと使っていなかった筆者には影響ナシ。ネックストラップを首に掛けてピンと張れば手ブレは抑えられる。
地味に見えても…光学15倍ズームなんです!

22種類の画像効果を搭載。モノクロだけでも複数のテイストがあり、お仕事以外でも撮影を楽しめる。ただし適用中はライブビューのフレームレートが著しく落ちる場合も。
■24mm相当 プログラムAE(絞りF3.3 1/320秒) ISO125 クリエイティブコントロール:モノクローム
でも「主に晴天屋外で撮る」とか「カメラはファインダーを覗いてナンボ」な人には無理には薦めない。特に仕事以外で撮るときは、ファインダーを覗いたほうが気分はアガるからだ。
俗物たる筆者は、フルサイズの高級カメラや大口径レンズを手にすると、ついつい「大きなボケを見せなければ」「せっかくの広い画角を使い切らねば」と邪念が入り、実は撮りたいものを撮れないことがある。そんなカメラ煩悩からの解脱にも、TX3はピッタリかもしれない。
決してスペックやステータス感を見せつけるカメラではないが、カメラ選びの適材適所を心得ているオトナには、ひとつの選択肢としてチェックしておくことを強くオススメしたい。

広角端の活用例。旅の記録カメラとして考えると、立ち止まったその場所から動かずして、被写体を好きなサイズで写しやすい高倍率ズーム機は便利だ。いくら写真撮影が楽しくたって、足で稼ぐ元気がないときもある。人間だもの。
■24mm相当 プログラムAE(絞りF4.5 1/800秒) ISO125




